2017
02.28

私たちのあいだEntre nous

Chimène Badi Entre nous


シメーヌ・バディChimène Badi「私たちのあいだEntre nous」です。ララ・ファビアンLara Fabianの元夫で「ジュテームJe t'aime」などララの曲を数多く作ってきたリック・アリソンRick Allisonが作詞・作曲。2003年にシングル盤をリリースし、フランスで6週間売上第1位を保ちました。シメーヌ・バディは、フランス生まれですが、両親がアルジェリア人で、この曲のエスニックなムードは彼女の声の生来の特性によく合っています。彼女はもちろん現在も活動を続けており、ゴスペルやソウルにもチャレンジしているそうです。

実はこの曲は、以前訳そうとして、うまくいかずにしまってあったもの。取り出して再挑戦してみましたが、やはり日本語にしにくい歌詞です。



Entre nous    私たちのあいだ
Chimène Badi  シメーヌ・バディ


Entre nous,
C'est l'histoire
Qui commence au hasard 注1
De nos yeux qui se cherchent
Entre nous

  私たちのあいだ、
  それは
  私たちの目がたがいを求め合うままに
  始まる物語
  私たちのあいだは

Entre nous,
De nos bras
C'est le temps qui donnera
Un premier rendez-vous
Entre nous

  私たちのあいだに、
  私たちの腕の
  初めての出会いを
  時が与えてくれるだろう
  私たちのあいだに

Entre nous1


{Refrain :}
Entre nous, c'est le temps qui s'enfuie qui s'en fout
C'est la vie qui nous prend dans son cours
C'est le cœur qui avoue
Entre nous,
Entre nous,
C'est l'aveux qui nous brûle en dessous
De nos peaux que l'on frôle, jaloux,
De la moindre secondes sans nous

  私たちのあいだで、過ぎ去り消えて行くのは時
  私たちを流れに引き込むのは人生
  告白するのは心
  私たちのあいだで、
  私たちのあいだで、
  私たちを燃やすのは告白
  私たちのいないわずかな瞬間に
  ひとが嫉妬して触れる私たちの肌の内側で、

Entre nous,
C'est toujours
C'est le contraire
D'un jour
Un voyage sans détour
Entre nous

  私たちのあいだ
  それはずっと続く
  それはいつか先にとは
  反対のこと
  帰ることのない旅
  私たちのあいだは

Entre nous2


Entre nous
C'est le fort, la raison et le tort
C'est l'envie qui nous mord dans le cou

  私たちのあいだ
  それは力、正気そして過ち
  私たちの首を噛むのは欲望

{Refrain×2}

Entre nous,
C'est toujours
C'est le contraire
D'un jour
Un voyage sans détour
Entre nous

  私たちのあいだ
  それはずっと続く
  それはいつか先にとは
  反対のこと
  帰ることのない旅
  私たちのあいだ

[注] entre nousは「ここだけの話だが」という意味もあるが、このタイトルでは「私たちの仲」といった意味。歌詞中では副詞句的にも用いられているので、「私たちのあいだ」とし「私たちのあいだに」「私たちのあいだで」などと変化させた。
1 au hasard de「…に任せて、のままに」




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2017
02.27

流砂Sables mouvants

Barbara Barbara


バルバラBarbaraの「流砂Sables mouvants」は、1996 年のアルバム:Barbaraに収録された曲のひとつです。このアルバムは翌97年に亡くなったバルバラの最後のスタディオ・アルバムで、97年のヴィクトワール賞Artiste interprète féminine de l’année 1997 Victoires de la musiqueを受賞しました。

流砂とは、砂・泥・粘土などの粒子に水分が飽和されて擬塑性流体になったもの。フランスではモン=サン=ミッシェルMont-Saint-Michel 辺りで見られます。流砂を引き起こす沼は「底なし沼」と呼ばれ、映画では飲み込まれて死んでしまうシーンがよく描かれていますが、比重は水より大きく、深さもせいぜい1mくらいなので、立っている限りは完全に表面下に沈んでしまうことは少ないそうです。でも振動を加えると流動性が増すので、姿勢を崩してもがけばもがくほど沈み込んで行きますし、また静止状態では土砂のように振る舞うので、抜け出るには非常に大きな力が必要となり、力尽きて流砂の中から抜け出せなくなる危険性のほうが高いそうです。もしそんな事態になれば、ごく小さな動きで体の回りに水だけのスペースを作っていけば抜け出しやすくなるそうですよ
バルバラは流砂に自ら身を置くような表現で年下の男性とのあぶない恋の状況を描いています。

往年の美声よりもかえって強く響いてくるものを持つ歌唱です。



Sables mouvants  流砂
Barbara        バルバラ


J'suis plus d'ton âge,
Mais t'as le goût à m'regarder,
Premier voyage.
Je plie le cou, sous tes baisers.
T'as poussé doucement ma porte
Refermée
Et tu m'as dit, en quelque sorte: 
"Je voudrais t'aimer."
Et, dans le vide où je m'avance,
Un peu cassée,
Sans plus rien voir,
Plus rien savoir, rien écouter,
T'as dit "je veux"
Avec ferveur.
Tu t'es couché
Aux sables mouvants
Des amours condamnées.

  私はあなたより年上、
  でもあなたは私を見て心そそられた、
  初めての旅に。
  私は首を曲げた、あなたの口づけを受けて。
  あなたは私のドアをそっと押し
  また閉めた
  そして私に言った、こんなことを:
  「君を愛したい。」
  そして、間隙に私は進み出た、
  ちょっと腰を曲げ、
  もう何も見ず、
  もう何も分からず、何も聞かず、
  あなたは言った「欲しい」と
  熱意を込めて。
  あなたは横たわった
  禁じられた恋の
  流砂に。

Sables mouvants4


Nos saisons ne sont plus les mêmes.
Tu es printemps
Je suis hiver
Et la saison de nos je t'aime
Pourrait nous mener en Enfer.

  私たちの季節はもう同じじゃない。
  あなたは春
  私は冬
  そして私たちの恋の季節は
  私たちを地獄へ導くことだろう

J'suis plus d'ton âge
Mais j'ai bonheur à t'regarder.
On fait voyage
Dans une vie
Recommencée.
Tu pousses doucement ma porte
Entrebâillée
Et j'ai tout le ciel en escorte
Pour voyager
Et c'est cadeau
De t'attendre, de te rêver,
Et c'est cadeau
Pour offrande,
Tous tes étés,
Et c'est cadeau.
Le jour se lève
Pour se poser
Sur les matins
D'un nouveau monde
Réinventé.

  私はあなたより年上、
  でも私はあなたを見てしあわせ。
  私たちは旅する
  また始まった
  人生を。
  あなたは私のドアをそっと押して
  細めに開ける
  そして私は空をぜんぶ
  旅の道連れにする
  そしてそれはプレゼント
  あなたを待つこと、あなたを夢見ることは、
  そしてそれはプレゼント
  贈られたもの、
  あなたの夏のすべては、
  そしてそれはプレゼント。
  日は昇る
  朝ごとに
  再び創造された
  新しい世界が
  現れるために。

Notre saison est la même,
Toi le printemps
De mes hivers
Et la saison de nos je t'aime,
C'est la saison des Enfers.

  私たちの季節は同じ、
  私の冬の日々にとって
  あなたは春
  そして私たちの恋の季節は
  地獄の季節。

Un jour, demain, je partirai
Sans rien te dire, sans m'expliquer,
Demain, demain,
Mais avant, que plus loin
Notre vie, à la dérive
Soit emportée,
Avant, oublions, tout
Et partageons l'instant
De cet instant,
Ta vie, ma vie
Avant l'orage
Où tout s'éclate
Foudroyé.
Que l'on se fonde, se confonde
À nous aimer,
Fermons doucement notre porte
Et, cachés,
On aura le ciel, en escorte
Pour rêver
Et sans mémoire, plus rien savoir
Mais vivre
Juste l'instant, de ce présent,
Le vivre,
Aux sables mouvants
De nos amours condamnées
Les saisons,
Qu'est-ce que ça peut faire?
On va s'aimer.

  いつか、近いうちに、私は出て行く
  あなたに何も言わず、訳も言わず、
  近いうちに、近いうちに、
  でもその前に、もっとあとじゃなく
  私たちの人生は、流されて
  持っていかれてしまう、
  それまでは、忘れましょう、すべてを
  そしてひと時を分かち合いましょう
  このひと時を、
  あなたの生、わたしの生は
  雷雨を前にしている
  それが来ると雷に打たれ
  すべてが破裂する。
  そこに私たちは溶け合い、混じり合う
  愛し合いながら、
  そっと私たちのドアを閉め
  そして、隠れましょう、
  私たちは空を道連れにするわ
  夢見るために
  そして記憶もなく、もう何も分からず
  だけど生きるの
  この今の、ひと時だけ、
  それを生きるの、
  私たちの禁じられた愛の
  流砂で
  季節なんて、
  それに何ができるというの?
  愛し合うのよ。

Sables mouvants3


J'suis plus d'ton âge
Mais c'est bonheur de t'regarder.
On fait voyage
Dans une vie
Recommencée...

  私はあなたより年上、
  でもあなたを見ることはしあわせ。
  私たちは旅する
  また始まった
  人生を…

[注] en quelque sorte「いわば、言ってみれば」



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2017
02.26

ひとり生きる(ゴースト)Vivre seul

Christian Delagrange Vivre seul


「アンチェインド・メロディー Unchained melody」は、1955年の映画「アンチェインドUnchained」(日本未公開)の主題曲として、アレックス・ノースAlex Northが作曲、ハイ・ザレット Hy Zaretが作詞、トッド・ダンカンTodd Duncanが歌った曲です。映画は、刑務所から逃走して妻や家族の下に戻ることを考える男性の物語ですが、歌詞は、「鎖につながれたunchained」といった状況に限らず、長い間会えない恋人への愛を語る内容です。

その後、多くの歌手が歌いましたが、1965年のアメリカのライチャス・ブラザーズRighteous Brothers Unchained melodyというデュオ(正確にはボビー・ハットフィールド Bobby Hatfieldのソロ)のヴァージョンが1990年のアメリカ映画「ゴースト/ニューヨークの幻Ghost」の主題曲として使用され、この曲は「ゴーストGhost」とも呼ばれるようになりました。



この曲を「嘆きのサンフォニーSans toi je suis seul」を先にご紹介したクリスチャン・ドラグランジュChristian Delagrangeが1993年に「ひとり生きるVivre seul」というタイトルでフランス語で歌っています。アルバム:Les Mots d'angeに収録。フランス語翻案はシンガー・ソングライターであるドラグランジュ自身によるものと思われます。英語の歌詞内容をある程度踏まえていますが、映画「ゴースト」のあとで作られたので、その内容に関連付けているのでしょう。語句のつながりが分かりにくく、私としてはちょっと厄介な歌詞でした。



Vivre seul         ひとり生きる(ゴースト)
Christian Delagrange  クリスチャン・ドラグランジュ


Ooooh, toi seule peux garder
Avant qu'le vent ne pousse
Ailleurs, nos pensées
Trop tard, trop tard 注1
Endormi, l'espoir que l'on se touche
Encore, une fois
Vivre seul, aaah, vivre seul
Comme l'amour seul nous poursuit

  オーーーー、君だけが保つことができる
  僕たちの思いを、ほかのところへ
  風が押しやるまえに
  遅すぎた、遅すぎた
  眠りつつ、また、もう一度
  僕たちが触れ合うという希望
  ひとり生きる、あーー、ひとり生きる
  愛がひとりで僕たちについて来てくれるように

Vivre seul2


La vie nous sépare, je le sais, tu le sais
Tout n'est qu'une histoire que l'on vit eeeh
Le temps nous prépare à l'oubli, à l'ennui
Les yeux dans le noir infini

  人生は僕たちを引き裂く、僕は分かっている、君も分かっている
  すべては僕たちが見る物語にすぎない エーーー
  時は僕たちを引き裂き、忘却を、倦怠を用意する
  目は永遠の暗黒を見る

Ooooh, moi seul pour graver
Ton image à l'image des étoiles 注2
Et changer, c'qui fait mal

  オーーーー、僕はひとり
  君の顔を星に似せて彫る
  そして変える、辛い気持ちにさせるものを

Vivre seul1


Trop tard, eh, c'trop tard
Pour sauver, c'qui reste encore de fou
En nous, je crois
Aaaaah ouiiii, si pour toi
A croire encore à toi
Comme une étoile luit
Pour toi

  遅すぎた、ああ、遅すぎた
  僕たちに残っているはずの
  熱いものを救うには、
  アーーーーそうだよ もし君のために
  君をまだ信じるならば
  君のために
  輝く星のように

[注] 
1 trop tard「遅すぎる」は「手遅れだ」という意味合いで、映画のストーリーで、「僕がもう死んでしまっている」ということを言っているのだろう。
2 à l'image de qn.「…に似せて」




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2017
02.25

夜と霧Nuit et brouillard

Jean Ferrat Nuit et brouillard


ジャン・フェラJean Ferratの「夜と霧Nuit et brouillard」は、ロシアから移民したユダヤ人であった父親がゲシュタポに捕らえられ、1942年にアウシュビッツで処刑されたという事実を題材にした曲です。1963年の同名のアルバムに収録され、同年、シャルル・クロl'Académie Charles-Crosのディスク大賞を受賞しています。
「夜と霧Nacht und Nebel, NN」とは、1941年にアドルフ・ヒトラーAdolf Hitlerが、ユダヤ人のみならずナチスドイツにとって邪魔になる人間をすべて闇に葬るために下した総統命令で、この名称は、ヒトラーが愛聴していたリヒャルト・ワーグナーWilhelm Richard Wagner のオペラ「ラインの黄金Das Rheingold」に、Nacht und Nebel, niemand gleich!「夜と霧になれ、誰の目にも映らないように!」という呪文を呟くシーンがあり、それを引用したものです。この政令の詳細は、ウィキペディアの記事を参照ください。

アウシュヴィッツのユダヤ人強制収容所経験に基づいた内容のヴィクトール・フランクルViktor Emil Franklの書籍作品(1946年)は「夜と霧」という邦題ですが、元のタイトルは、...trotzdem Ja zum Leben sagen:Ein Psychologe erlebt das Konzentrationslagerで、邦訳すると「それでも人生に然りと言う:ある心理学者、強制収容所を体験する」となります。アラン・レネAlain Resnaisの「夜と霧Nacht und Nebel」(1955年)は、アウシュヴィッツのユダヤ人強制収容所でのユダヤ人虐殺(ホロコースト)を告発したドキュメンタリー映画です。



Nuit et brouillard  夜と霧
Jean Ferrat     ジャン・フェラ


Ils étaient vingt et cent, ils étaient des milliers
Nus et maigres, tremblants, dans ces wagons plombés
Qui déchiraient la nuit de leurs ongles battants 注1
Ils étaient des milliers, ils étaient vingt et cent

  彼らは20人そして100人だった、彼らは千人ほどだった
  裸で痩せて、震えていた、
  はためく爪(鉤十字)で夜を引き裂くこの鉛の貨車の中で、
  彼らは彼らは千人ほどだった、20人そして100人だった

Nuit et brouillard5


Ils se croyaient des hommes, n'étaient plus que des nombres
Depuis longtemps leurs dés avaient été jetés 注2
Dès que la main retombe, il ne reste qu'une ombre
Ils ne devaient jamais plus revoir un été

  彼らは人間のつもりだったが、数でしかなかった
  ずっと前に彼らの賽は投げられてしまっていた
  手が再び振り下ろされると、影しか残らない
  彼らはもう決して夏をふたたび見ることはないだろう

La fuite monotone et sans hâte du temps
Survivre encore un jour, une heure, obstinément
Combien de tours de roues, d'arrêts et de départs
Qui n'en finissent pas de distiller l'espoir

  単調な運行そして急ぐことなく
  なおも一日を、一時間を生き延びること、執拗に
  どれだけの車輪の回転、停止、そして出発があったか
  それは希望をかもし出し続けた

Nuit et brouillard3


Ils s'appelaient Jean-Pierre, Natacha ou Samuel
Certains priaient Jésus, Jéhovah ou Vishnou 注3
D'autres ne priaient pas, mais qu'importe le ciel
Ils voulaient simplement ne plus vivre à genoux

  彼らはジャン=ピエール、ナターシャ、あるいはサミュエルと言った
  何人かはイエスに、エホバに、あるいはヴィシュヌに祈った
  ほかの者は祈らなかった、だが神がなんであれ
  彼らはもうひざまずいて生きることは望まなかっただけだ

Ils n'arrivaient pas tous à la fin du voyage
Ceux qui sont revenus peuvent-ils être heureux
Ils essaient d'oublier, étonnés qu'à leur âge
Les veines de leurs bras soient devenues si bleues

  彼らは全員が旅の終わりに達したわけではない
  生還した者たちは幸せであったろう
  彼らは忘れようとした、その歳にしては
  彼らの腕があまりにも青筋立っていることに驚きつ

Les Allemands guettaient du haut des miradors
La lune se taisait comme vous vous taisiez
En regardant au loin, en regardant dehors
Votre chair était tendre à leurs chiens policiers

  ドイツ人たちは監視塔から見張っていた
  月は黙していた あなた方が
  遠くを見ながら、外を見ながら黙していたように
  あなた方の肉は彼らの警察犬にとっては柔らかだった

Nuit et brouillard2


On me dit à présent que ces mots n'ont plus cours 注4
Qu'il vaut mieux ne chanter que des chansons d'amour
Que le sang sèche vite en entrant dans l'histoire
Et qu'il ne sert à rien de prendre une guitare

  ひとは僕に言う 今ではこれらの言葉はもう通用しないと
  愛の歌だけ歌っていたほうがいいと
  血は歴史になるとすぐさま渇いてしまうものだと
  そしてギターを爪弾いたって何にもならないと

Mais qui donc est de taille à pouvoir m'arrêter 注5
L'ombre s'est faite humaine, aujourd'hui c'est l'été
Je twisterais les mots s'il fallait les twister 注6
Pour qu'un jour les enfants sachent qui vous étiez

  だがいったい誰が僕を止められるんだ
  影は人間のものになった、今は夏だ
  言葉を踊らせることが必要なら僕は踊らせよう
  あなた方が誰だったのかをいつの日か子どもたちが知るために

Vous étiez vingt et cent, vous étiez des milliers
Nus et maigres, tremblants, dans ces wagons plombés
Qui déchiriez la nuit de vos ongles battants
Vous étiez des milliers, vous étiez vingt et cent

  彼らは20人そして100人だった、彼らは千人ほどだった
  裸で痩せて、震えていた、
  はためく爪(鉤十字)で夜を引き裂くこの鉛の貨車の中で、
  彼らは彼らは千人ほどだった、20人そして100人だった

Nuit et brouillard1


[注]
1 ongles battants「はためく爪」とは、ナチスの党章である「鉤十字(ハーケンクロイツHakenkreuz)」の旗を意味している。ギリシャ文字のガンマの大文字の《Γ》の形だということでフランス語ではcroix gamméeと呼ばれるが、Hakenkreuzは鉤十字croix en crochetsの意味であり、鉤crochetを爪ongleと表現している。
2 「賽は投げられた」(古典ラテン語:alea iacta est)」は、ガイウス・ユリウス・カエサルGaius Iulius Caesarが北イタリアのルビコン川を通過する際に言ったとして知られる言葉で、「もう帰還不能限界点を越してしまい、もう戻れない」という意味。
3 Jéhovah 「エホバ(ヤハウェ)」 は旧約聖書およびユダヤ教の神。Vishnou「ヴィシュヌ」はヒンドゥー教の神。
4 avoir cours「通用している、用いられている」
5 être de taille à+1nf.「…する力がある」
6 twister「ツイストを踊る」英語のtwiste「ツイスト」をフランス語の動詞としている。




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2017
02.24

色づけるColore

Les Innocents Post-partum


今回は変わったところで、レ・ジノサンLes Innocentsというグループの「色づけるColore」という曲です。1995年のアルバム:Post-partumに収録されています。
ヴォーカルとギターで演奏するレ・ジノサンはジャン=フィリップ・ナタフJean-Philippe Nataf (通称:ジペJipé)が1982年にひとりで始め、1988年以降ジャン=クリストフ・ウルバンJean-Christophe Urbain(通称:ジャン・クリJean-Chri)が加わって2000年まで活動し、以後中断の後、2013年に再結成し、現在も活動中です。
この曲は1996年にFM放送でもっともよく流された曲で、ジャン・クリが歌っています。

歌詞内容は分かりにくいのですが、この動画を見るとなにかしら伝わってきます。




Colore      色づける
Les Innocents  レ・ジノサン


Colore le monde 注1
Sans feutre, sans épreuves ni bombes 注2
Indolore les murs 注3
Et coule dans le fleuve la facture
En monnaie de singe 注4
Fraîche blanche comme le linge
À jamais, répands
Du fard sur les hommes

  世界を色づける
  フエルトペンもなしに、版画(試練)もスプレー(爆弾)もなしに
  壁をソフトにし
  そして布のように真っ白な
  おもちゃのコインで払って
  勘定書きを水に流し
  人々に化粧の粉を
  いつまでも撒き散らす

Car le temps colore la foule, colore mes veines
Chaque jour il me révèle
En chair de poule, en bleu de ciel 注5
Et la foule sort de mes veines
Oui comme le temps est un ami
Il colore mon pays

  なぜなら時は人々を色づけ、僕の血管を色づけるから
  まいにち僕に見せてくれる
  鳥肌立つ色に、空の青にして
  そして人々は僕の血管から生まれる
  そうさだって時は友達だから
  それは僕の国を色づける

Colore2.jpg


Des dieux, mes sœurs
J'en vois de toutes les couleurs
Pour des cieux, mes frères
S'engagent sur des routes à l'envers
Mais là-haut, décide 注6
Fais le ménage, fais le vide
Sur la peau, répands
Du fard sur les hommes

  神々や僕の姉妹たちに
  僕はあらゆる色を見る
  天をめざし、僕の兄弟たちは
  裏側のルートからもやってくる
  だが天上では、審判を下し
  清掃し、肌をむき出しにさせ
  人々に化粧の粉を撒き散らす

Comme le temps colore la foule, colore mes veines
Chaque jour il me révèle
En chair de poule, en bleu de ciel
Et la foule sort de mes veines
Oui comme le temps est un ami
Il colore mon pays

  なぜなら時は人々を色づけ、僕の血管を色づけるから
  まいにち僕に見せてくれる
  鳥肌立つ色に、空の青にして
  そして人々は僕の血管から生まれる
  そうさだって時は友達だから
  それは僕の国を色づける

Colore1.jpg


Colore la foule, colore mes veines
Chaque jour il me révèle
En chair de poule, en bleu de ciel
Et la foule sort de mes veines

  人々を色づけ、僕の血管を色づける
  まいにち僕に見せてくれる
  鳥肌立つ色に、空の青にして
  そして人々は僕の血管から生まれる

Colore la foule, colore mes veines
Chaque jour il me révèle
En chair de poule, en bleu de ciel
Et la foule sort de mes veines
Oui comme le temps est un ami
Il colore
Il colore
Il colore mon pays

  人々を色づけ、僕の血管を色づける
  まいにち僕に見せてくれる
  鳥肌立つ色に、空の青にして
  そして人々は僕の血管から生まれる
  そうさだって時は友達だから
  それは色づける
  それは色づける
  それは僕の国を色づける

Colore3.jpg


Colore la foule
Colore mes veines
Chaque jour sort de mes veines
Colore, colore (me révèle, en chair de poule, en bleu de ciel)
Colore, colore
Colore, colore (ciel)
Colore, colore
Colore, colore
Colore, colore
Colore, colore
En bleu de ciel

  人々を色づける
  僕の血管を色づける
  まいにち僕の血管から生まれる
  色づける、色づける(僕に見せてくれる、鳥肌立つ色に、空の青にして)
  色づける、色づける
  色づける、色づける(空を)
  色づける、色づける
  色づける、色づける
  色づける、色づける
  色づける、色づける
  空の青にして

[注]
1 coloreはcolorerの3人称単数形。le tempsが主語の箇所もある。1小節目のcolore, indolore, coule, répandはすべて主語なしの3人称単数形。
2 épreuveは「版画やプリント」、bombeには「スプレー」の意味もあり、feutre「フエルトペン」とともに着色の道具という意味が裏にある。
3 les mursはパレスチナ自治区にヨルダン川西岸地域を分断する形で建設されているアパルトヘイト・ウォールを指すのかもしれない。indoloreは「無痛の」という意味の形容詞を動詞的に用いている。
4 payer en monnaie de singe「口先でうまいことを言って金を払わない(返さない)」という成句があり、monnaie de singeは「贋金」といった意味。次行のfraîche blancheはmonnaieを修飾。
5 avoir la chair de poule「鳥肌が立つ」という表現があり、関連した意味合いか。
6 décide, faitも注1と同様3人称単数形で、主語は表されていないがDieu「神」。




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2017
02.23

ケセラセラQue sera, sera

Georges Guétary Que sera sera


「ケセラセラQue Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)」は、1956年のヒッチコックAlfred Hitchcock監督映画「知りすぎていた男The Man Who Knew Too Much」の主題歌で、主演女優で歌手でもあるドリス・デイDoris Dayが歌いました。作曲:ジェイ・リヴィングストンJay Livingston、作詞:レイ・エヴァンズRay Evans。
Que sera, seraは正しいスペイン語ではなく、英語圏で一種の擬似外国語として使われたフレーズのようです。
この曲をジョルジュ・ブランGeorges Blanes(歌手のようです)がフランス語に翻案し、何人かの歌手が歌っています。

ジョルジュ・ゲタリーGeorges Guétary



ルイス・マリアーノLuis Mariano



リーヌ・ヌノーLine Renaudジャクリーヌ・フランソワJacqueline Françoisは最後まで歌っていません。

Que sera, sera   ケセラセラ
Georges Guétary  ジョルジュ・ゲタリー


Dans le berceau d'un vieux château
Une promesse vient d'arriver
Une princesse toute étonnée
A qui l'on vient chanter

  古いお城の揺りかごのなかに
  ある約束が届いた
  とっても驚いた王女さまのために
  ひとは歌った

{Refrain :}
Que sera, sera
Demain n'est jamais bien loin
Laissons l'avenir venir
Que sera, sera
Qui vivra verra

  ケセラセラ
  明日のことは分からない
  未来は来るに任せましょう
  ケセラセラ
  なるようになる

On vit grandir et puis rêver
La jeune fille qui demandait
Dis-moi ma mie si j'aimerai 
Et sa maman disait

  若い娘が成長しそして夢見るのをひとは見た
  その娘は尋ねた
  ねえママ 私は恋をするかしらと
  そして彼女の母親は言った

{Refrain}

Que sera sera1


Quand vint l'amant, de ses amours
La demoiselle lui demanda
M'es-tu fidèle jusqu'à toujours
Et le garçon chanta

  恋人がやって来たとき、自分たちの恋について
  娘は彼に尋ねた
  あなたはずっと私を愛してくださるかしらと
  すると男は歌った

{Refrain}

Quand elle chanta à son enfant
Dans un sourire, cet air charmant
C'est pour lui dire que dans la vie
Rien n'est jamais fini

  彼女が微笑みながら、このすてきな曲を
  自分の子どもに歌ったとき
  人生では何も終わることはないのだと
  その子に言うためだ

Que sera sera2


{Refrain}

[注] ma mieはサルヴァトーレ・アダモSalvatore Adamoの「サン・トワ・マ・ミーSans toi ma mie」では「愛しい女性」つまり恋人のことだったが、広く親しい女性(ここでは母親)に対する呼びかけ。


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2017
02.22

時々ねQuelquefois



1976年に、クロード・フランソワClaude Françoisとマルティーヌ・クレマンソーMartine Clémenceau が「時々ねQuelquefois」という曲を歌っています。なかなか面白い歌詞です。「君は結婚してるの?」「君はしあわせなの?」「彼を愛してるの?」などという問いに対して「時々ね」という答え、そして最後の落ちがまた洒落ています。



Quelquefois           時々ね
Claude François& Martine Clémenceau クロード・フランソワ&マルティーヌ・クレマンソー


Bonjour, es-tu mariée?
Quelquefois.
Dis-moi, es-tu heureuse?
Oui, quelquefois.
Mais quelquefois, j´ai un besoin irrésistible de fuir de chez moi.
Oh n´as-tu jamais ressenti cela?

Oui, quelquefois.

  こんにちは、君は結婚してるの?
  時々ね。
  ねぇ、君は幸せかい?
  でも時々、私はどうしようもなく家から逃げ出したくなるの。
  おおあなたは今までそう感じたことなかったの?

  ああ、時々はね。

Quelquefois1.jpg


Oui, quelquefois, quelquefois, on a envie d´oublier sa vie,
De croire que tout n´est pas fini,
D´essayer de rêver comme avant.
Oui, quelquefois, quelquefois, on a envie seulement d´être heureux,
De croire qu´on peut être amoureux,
D´essayer d´être un autre un instant.

  そう、時々は、時々は、ひとは自分の人生を忘れたい、
  すべては終わっていないと信じたい、
  以前のように夢を抱いてみたいんだ。
  そう、時々は、時々は、ひとはただ幸せでいたい、
  恋をすることができるんだと信じたい
  ひととき別の人間になってみたい。

Tu es marié, tu ne l´aime pas.
Quelquefois.
Mais tu la trompe.
Oui, quelquefois.
Quelquefois, j´ai un besoin irrésistible de chercher ailleurs.
Oh n´as-tu jamais ressenti cela?

Oui, quelquefois.

  あなたは結婚していて、あなたは彼女を愛していない。
  時々はね。
  でもあなたは彼女をあざむいている。
  ああ、時々はね。
  でも時々、僕はどうしようもなく他を求めたくなるんだ。
  おお君は今までそう感じたことなかったの?

  ええ、時々は。

Quelquefois, quelquefois, on a envie d´oublier sa vie,
De croire que tout n´est pas fini,
D´essayer de rêver comme avant.
Oui, quelquefois, quelquefois, on a envie seulement d´être heureux,
De croire qu´on peut être amoureux,
D´essayer d´être un autre un instant.

  そう、時々は、時々は、ひとは自分の人生を忘れたい、
  すべては終わっていないと信じたい、
  以前のように夢を抱いてみたいと望む。
  そう、時々は、時々は、ひとはただしあわせでいたい、
  恋をすることができるんだと信じたい
  ひととき別の人間になりたいんだ。

Quelquefois3.jpg


Tout est tellement confus en moi,
Je n´arrive pas à t´expliquer.
Oh n´as-tu jamais ressenti cela?

Oui, quelquefois.

  僕のなかではすべてがこんなに混乱していて、
  君に説明できない。
  おお君は今までそう感じたことなかったの?

  いいえ、時々は。

Quelquefois, quelquefois, il arrive qu´on en ait assez,
Qu´on veuille tout abandonner,
... tout laisser derrière soi.
Quelquefois, mais nous deux, non nous deux nous n´avons pas le droit,
Il ne faudra plus se revoir, adieu.
Je penserai à toi, quelquefois.

  そう、時々は、時々は、ひとはもううんざりして、
  すべて投げ出したい、
  …すべてを置き去りにしたい
  時々、だが僕たちふたりは、いや僕たちふたりはそんな権利持っていない、
  もう会わないようにしなきゃ、さようなら。
  僕は、君のことを思うだろう、時々は。



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2017
02.21

赤いポスターL'affiche rouge

Léo Ferré chante Aragon


今回は、レオ・フェレLéo Ferréの「赤いポスターL'affiche rouge」(1961年)です。
1944年の春、ナチ寄りのヴィシー政権の警察は、フランス共産党の下部組織FTP-MOI(Francs-Tireurs et Partisans Main-d'œuvre Immigrée)の23人のメンバーが犯罪的な武装手段であるという内容の赤いポスターをパリのいたるところに貼りました。彼らは2月21日にパリ西部のヴァレリアン山Mont-Valérienで銃殺刑に処せられました。この事件は、その貼紙のため、「赤いポスターL'affiche rouge」と呼ばれます。処刑から11年経った1955年、パリ20区の通りの一つが「マヌシアン・グループ通りRue du Groupe Manouchian」と命名され、その機会に、ルイ・アラゴンLouis Aragon が、グループのリーダーであったミサク・マヌシアンMissak Manouchianの、妻への最後の手紙の内容を織り交ぜながら「マヌシアン・グループGroupe Manouchian」という詩を発表しました(詩集:L'Humanitéに収録)。1年後にこの詩は「Strophes pour se souvenir」という題で書き直され、それをレオ・フェレLéo Ferréが「赤いポスターL'affiche rouge」という曲にしました(1961年のアルバム:Léo Ferré chante Aragonに収録)。
1976年にフランク・キャサンティFrank Cassentiが製作した映画「赤いポスターL'affiche rouge」は、日本ではアンスティテュ・フランセやアテネ・フランセで上映されたようです。

この事件の日本語の解説と、ミサク・マヌシアンMissak Manouchianの妻への最後の手紙の和訳が こちらのブログに紹介されています。

レオ・フェレ



モニック・モレリMonique Morelli



カトリーヌ・リベイロCatherine Ribeiro



L'affiche rouge  赤いポスター
Léo Ferré    レオ・フェレ


Vous n'avez réclamé la gloire ni les larmes
Ni l'orgue, ni la prière aux agonisants
Onze ans déjà, que cela passe vite onze ans
Vous vous étiez servi simplement de vos armes
La mort n'éblouit pas les yeux des partisans.

  君たちは栄光も涙も
  オルガン演奏も、最後の祈りも求めなかった
  すでに11年だ、11年はなんと速く過ぎたことか
  君たちは武器を使ったにすぎない
  死はパルティザンたちの目を眩ませはしなかった。

Vous aviez vos portraits sur les murs de nos villes
Noirs de barbe et de nuit, hirsutes, menaçants
L'affiche qui semblait une tache de sang
Parce qu'à prononcer vos noms sont difficiles
Y cherchait un effet de peur sur les passants.

  僕たちの街のいくつもの壁に君たちの写真が貼られた
  黒い髭のせいで夜のせいで、粗野に、険悪に見える
  まるで血痕のように見えるポスター
  君たちの名前が発音しにくいことも、
  通行人に怖れを抱かせる効果を招いていた。

Laffiche rouge1

Laffiche rouge4


Nul ne semblait vous voir Français de préférence 注1
Les gens allaient sans yeux pour vous le jour durant
Mais à l'heure du couvre-feu des doigts errants 注2
Avaient écrit sous vos photos " Morts pour la France"
Et les mornes matins en étaient différents.

  誰も君たちを特にフランス人とは見なさなかった
  人々は昼のあいだは、君たちに目を向けずに通り過ぎる
  だが、夜間外出禁止令の時間になると、おぼつかない指が
  君たちの写真の下に「フランスのために死す」と書いた
  そして陰鬱な朝にはそしらぬ風を装う。

Tout avait la couleur uniforme du givre
À la fin février pour vos derniers moments
Et c'est alors que l'un de vous dit calmement:
"Bonheur à tous, bonheur à ceux qui vont survivre
Je meurs sans haine en moi pour le peuple allemand."

  すべてが霜の色の衣をまとっていた
  2月の末、君たちの最後の時のために
  すると、君たちのうちの一人が静かに言った
  「人みなに幸いあれ、生き残る人々に喜びあれ
  僕はドイツの人々への憎しみを心に抱くことなく死ぬ。」

Laffiche rouge2


"Adieu la peine et le plaisir. Adieu les roses
Adieu la vie. Adieu la lumière et le vent
Marie-toi, sois heureuse et pense à moi souvent
Toi qui vas demeurer dans la beauté des choses
Quand tout sera fini plus tard en Erevan." 注3

  「さらば苦しみと喜びよ。さらばバラたちよ
  さらば人生よ。さらば光と風よ
  君は結婚しろ、しあわせになって、時々僕のことを思ってくれ
  君は美しきもののなかに住まうことになる
  すべてが終わったあとにエレバンで。」

"Un grand soleil d'hiver éclaire la colline
Que la nature est belle et que le cœur me fend
La justice viendra sur nos pas triomphants
Ma Mélinée, ô mon amour, mon orpheline
Et je te dis de vivre et d'avoir un enfant."

  「冬の大きな太陽が丘を照らす
  自然はなんと美しいのか、僕の胸は張り裂けそうだ
  正義は僕たちの勝ち誇る歩みのあとにおとずれるだろう
  僕のメリネよ、おお愛する人よ、僕の孤児よ
  君に言う、生きて子どもを生むんだ。」

Ils étaient vingt et trois quand les fusils fleurirent
Vingt et trois qui donnaient le cœur avant le temps
Vingt et trois étrangers et nos frères pourtant
Vingt et trois amoureux de vivre à en mourir
Vingt et trois qui criaient "la France!" en s'abattant.

  銃口が火花を咲かせたとき彼らは23人だった
  時至る前に心臓を捧げた23人
  外国人でありながら僕たちの兄弟でもある23人
  死に至るほどに生を愛した23人
  斃れつつ「フランス!」と叫んだ23人。

Laffiche rouge3


[注]
1 de préférence「特に、どちらかというと、むしろ」23人のメンバーは、スペイン人1名、ルーマニア人1名、ハンガリー人3名、フランス人3名、イタリア人5名、ポーランド人8名、アルメニア人で、ほとんどが外国人。
2 couvre-feu修道院などの「消灯(時刻)」、戒厳令下の「夜間外出禁止」
3 Erevan「エレバン」アルメニア共和国の首都。現存する世界最古の都市の一つとされており、また創世記に語られる「エデンの園」が存在していたとされる地。ミサク・マヌシアンはアルメニア人であり、ここでは、故郷の意味と楽園の意味とを兼ねて、未来に実現されるべき平和な世界をあらわしているのであろう。




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2017
02.20

想い出のロックンローラーEx-fan des sixties

Jane Birkin


ジェーン・バーキンJane Birkinの「想い出のロックンローラーEx-fan des sixties」は60年代の英米のロック・スターの名をずらりと連ねた曲。夫セルジュ・ゲンズブールSerge Gainsbourgの作品で、1978年の同名のアルバムに収録されています。



Ex-fan des sixties  想い出のロックンローラー
Jane Birkin      ジェーン・バーキン


Ex-fan des sixties 注1
Petite Baby Doll
Comme tu dansais bien
Le Rock 'n 'Roll.
Ex-fan des sixties
Où sont tes années folles ?
Que sont devenues
Toutes tes idoles ?

  60年代の元ファンの
  かわいい赤ちゃん人形
  あなたはなんて上手に踊っていたの
  ロックン・ロールを。
  60年代の元ファン
  あなたの狂った時代はどこへ行ったの?
  アイドルたちはみんな
  どうなったの?

The Shadows


Où est l'ombre des Shadows 注2
Des Byrds, des Doors
Des Animals
Des Moody Blues ?

  シャドーズの影はどこ
  バーズの、ドアーズの
  アニマルズの
  ムーディ・ブルーズの影は?

The Byrds


Séparés Mac Cartney  注3
Georges Harrison
Et Ringo Starr
Et John Lennon.

  分散したマッカートニー
  ジョージ・ハリソン
  リンゴ・スター
  ジョン・レノンは。

The Doors


Ex-fan des sixties
Petite Baby Doll
Comme tu dansais bien
Le Rock 'n 'Roll.
Ex-fan des sixties
Où sont tes années folles ?
Que sont devenues
Toutes tes idoles ?

  60年代の元ファンの
  かわいい赤ちゃん人形
  あなたはなんて上手に踊っていたの
  ロックン・ロールを。
  60年代の元ファン
  あなたの狂った時代はどこへ行ったの?
  アイドルたちはみんな
  どうなったの?

The Animals


Disparus Brian Jones
Jim Morrison
Eddy Cochran
Buddy Holly.

  姿を消したブライアン・ジョーンズ
  ジム・モリソン
  エディー・コクラン
  バディ・ホリー。

The Moody Blues


Idem Jimi Hendrix  注4
Otis Redding
Janis Joplin
T.Rex, Elvis.

  ジミ・ヘンドリックス
  オーティス・レディング
  ジャニス・ジョプリン
  T・レックス、エルヴィス。

The Beatles


Disparus Brian Jones
Jim Morrison
Eddy Cochran
Buddy Holly.

  姿を消したブライアン・ジョーンズ
  ジム・モリソン
  エディー・コクラン
  バディ・ホリー。

TheRollingStones2.jpg


Idem Jimi Hendrix
Otis Redding
Janis Joplin
T.Rex, Elvis.

  ジミ・ヘンドリックス
  オーティス・レディング
  ジャニス・ジョプリン
  T・レックス、エルヴィス。

TRex.jpg


[注]
1 ex「前、元、旧」の複合語を作る第1要素。fanは英語の「ファン、愛好者」
2 グループ名をまず解説する。The Shadows「シャドウズ」イギリス(1958年–1968年, 1973–1990, 2004–2005, 2008–2010)。The Byrds「バーズ」アメリカ(1964-1973)。The Doors「ドアーズ」アメリカ(1965-1972, 1978)。The Animals「アニマルズ」イギリス(1962-1969,1977,1983-1984)。The Moody Blues「ムーディ・ブルーズ」イギリス(1964-)。T.Rex「T・レックス」イギリスのグラムロックバンド(1967–1977)。
3 Idem「同じく、同上」
4 歌手名 Mac Cartney=James Paul McCartney「ポール・マッカートニー」(1942-)・Georges Harrison「ジョージ・ハリソン」(1943 – 2001)・Ringo Starr「リンゴ・スター」(1940-)・John Lennon「ジョン・レノン」(1940 -1980) 以上の4人はイギリスのロックバンド「ビートルズThe Beatles」(1960-1970)のメンバー。Brian Jones「ブライアン・ジョーンズ」イギリスのロックバンド「ローリング・ストーンズThe Rolling Stones」の元ギタリスト兼リーダー(1942 -1969)。Jim Morrison「ジム・モリソン」上記「ドアーズThe Doors」のボーカリスト(1943年-1971)。Eddy Cochran「エディー・コクラン」アメリカ(1938 -1960)。Buddy Holly「バディ・ホリー」アメリカ(1936-1959)。Jimi Hendrix「ジミ・ヘンドリックス」アメリカ(1942 -1970)。Otis Redding「オーティス・レディング」アメリカ(1941 -1967)。Janis Joplin「ジャニス・ジョプリン」アメリカ(1943 -1970)。Elvis=Elvis Aron Presley「エルヴィス・アーロン・プレスリー」アメリカ(1935 -1977)。




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2017
02.19

一本指のシンフォニーMa petite symphonie

Marcel Amont Ma petite symphonie


1960年にEdward Lee Alperson Jr.とJerry Winnがイギリスで作詞・作曲した「一本指のシンフォニーThe One Finger Symphony」をジャン・ドレジャックJean DréjacがMa petite symphonieというタイトルでフランス語に翻案し、マルセル・アモンMarcel Amontが歌っています。直訳すれば「僕の小さなシンフォニー」ですが、邦題は英語の原曲のタイトルの意味の「一本指のシンフォニー」が一般的です。マルセル・アモンの曲は「僕は道化師Moi le clown」「失われた時のワルツValse du temps perdu」をすでにご紹介しています。ともにたいへんすてきな曲です。

イギリスの歌手:マイケル・ホリデーMichael Hollidayが歌った原曲



アメリカの俳優:ロッド・ローレンRod Lauren One Finger Symphony も歌っています。



マルセル・アモン



Ma petite symphonie  一本指のシンフォニー
Marcel Amont      マルセル・アモン


Je peux sur un doigt jouer rien que pour toi
Ma petite symphonie
Je veux que ton cœur chante rien que pour moi
Les harmonies
De ma p'tite symphonie

  君のためだけに一本の指で
  僕の小さなシンフォニーを弾いてあげられるよ
  君の心が僕のためだけに
  僕の小さなシンフォニーの
  ハーモニーを歌ってくれるといいいな

Ma petite symphonie1


Je n'ai pas besoin de mille violons
Car tu es si jolie
Que tu fais vibrer dans l'air de ma chanson
Tout le génie
De ma p'tite symphonie

  たくさんのヴァイオリンなんていらないよ
  君は僕の小さなシンフォニーの
  特性をすべて
  僕の曲の旋律のなかで響かせるほど
  君は美しいもの

Je ne suis pas Debussy
Mais je fais ce que je peux
Et surtout je t'aime
Le concert est réussi
Quand j'ai fait briller tes yeux
Avec ce système

  僕はドビュッシーじゃない
  でも自分にできることをする
  それになんてったって君を愛しているんだもの
  こんなやり方で
  君の瞳を輝かすことができたなら
  コンサートは大成功さ

Jouer sur un doigt la chanson du bonheur
Ma petite symphonie
Tu viens chaque fois te blottir sur mon cœur
Dans l'harmonie
De ma p'tite symphonie

  一本の指でしあわせの歌を弾くこと
  ささやかな僕のシンフォニーを
  君はいつも
  僕の小さなシンフォニーの
  ハーモニーのなかの僕の心に
  寄り添って来る

Ma petite symphonie3


Je veux sur un doigt jouer rien que pour toi
Toute la vie
Ma petite symphonie

  君のためだけに一本の指で
  ずっと一生
  僕の小さなシンフォニーを弾きたい


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2017
02.18

地中海にてEn Méditerranée

Georges Moustaki 1971


前回に続きジョルジュ・ムスタキGeorges Moustakiの曲を。「地中海にてEn Méditerranée」(1971年)です。「内海にて」という邦題でも呼ばれています。アルバム:Georges Moustaki に収録。
プロテスト・シンガーであるムスタキはこの曲を、独裁政治に抗するスペイン、ギリシャの民主化運動に捧げて、1971年の発売前にスペインのバルセロナ公演で発表しました。



「日曜はダメよ Never on Sunday」 (1960年) でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞した、ギリシャ・アテネ出身の女優:メリナ・メルクーリMélina Mercouriも歌っています。彼女は社会運動家・政治家でもあり、祖国ギリシャに軍事政権が誕生すると反政府運動に加わり、その後1981年から1989年にかけて、全ギリシャ社会主義運動のアンドレアス・パパンドレウ内閣において文化大臣を務めました。



En Méditerranée   地中海にて
Georges Moustaki  ジョルジュ・ムスタキ


Dans ce bassin où jouent
Des enfants aux yeux noirs,
Il y a trois continents
Et des siècles d'histoire,
Des prophètes des dieux,
Le Messie en personne. 注1
Il y a un bel été
Qui ne craint pas l'automne,
En Méditerranée.

  黒い瞳の子どもたちが
  遊ぶこの池のなかには、
  三つの大陸が
  そして何世紀もの歴史があり
  預言者たちや神たちが、
  救世主キリストそのものがいた。
  秋を恐れぬ
  美しい夏がある、
  地中海には。

En Méditerranée1


Il y a l'odeur du sang
Qui flotte sur ses rives
Et des pays meurtris
Comme autant de plaies vives,
Des îles barbelées,
Des murs qui emprisonnent.
Il y a un bel été
Qui ne craint pas l'automne,
En Méditerranée.

  川面にただよう
  血の匂いがあり
  生傷のように
  傷ついた国々が、
  鉄条網のめぐらされた島々が、
  自由を奪う壁々がある。
  秋を恐れぬ
  美しい夏がある
  地中海には。

En Méditerranée2


Il y a des oliviers
Qui meurent sous les bombes
Là où est apparue
La première colombe, 注2
Des peuples oubliés
Que la guerre moissonne.
Il y a un bel été
Qui ne craint pas l'automne,
En Méditerranée.

  最初のハトが現れた
  その地に
  爆弾の下で斃れる
  オリーブの木々があり、
  戦争で命を奪われ
  忘れ去られた人々がいる。
  秋を恐れぬ
  美しい夏がある
  地中海には。

Dans ce bassin, je jouais
Lorsque j'étais enfant.
J'avais les pieds dans l'eau.
Je respirais le vent.
Mes compagnons de jeux
Sont devenus des hommes,
Les frères de ceux-là
Que le monde abandonne,
En Méditerranée.

  この池で、僕は遊んでいた
  子どもの頃から。
  足を水に浸していた。
  風を呼吸していた。
  僕の遊び仲間たちは
  おとなになり、
  その兄弟たちを
  世界は捨て去った、
  地中海に。

En Méditerranée3


Le ciel est endeuillé,
Par-dessus l'Acropole 注3
Et liberté ne se dit plus
En espagnol.  注4
On peut toujours rêver,
D'Athènes et Barcelone.
Il reste un bel été
Qui ne craint pas l'automne,
En Méditerranée.

  アクロポリスの丘の上の
  空はかげりを帯び、
  スペインではもはや
  自由は語られない。
  ひとはつねに夢見ることができる、
  アテネとバルセロナを。
  秋を恐れぬ
  美しい夏が残っている
  地中海には。

En Méditerranée4


[注]
1 messie「救世主」。(le) Messieキリスト教では「キリスト」。en personne「自ら」、抽象名詞に先立たれて「…の化身」。
2 la première colombe「最初のハト」とは、、旧約聖書の「創世記」に登場する大洪水にまつわる「ノアの方舟」の物語にある、放った鳩がオリーブの葉をくわえて船に戻ってきたことから洪水の水が引いたことを知ったという逸話から。
3 l'Acropole「アクロポリスの丘」古代ギリシアのポリスのシンボルとなった小高い丘。ギリシャには多数あるが、ここでは「アテナイのアクロポリス」のことで、パルテノン宮殿など多くの遺跡があり2007年に世界遺産に登録された。Le ciel est endeuillé「空はかげりを帯び」ているというのは、1967年以来、軍事独裁政権がギリシャを牛耳っていた。この曲が発表された後の1974年に終了。
4 スペインでは1938年以来フランシスコ・フランコFrancisco Francoによる独裁政治が続いていた。独裁政治はこの曲が発表された後の1973年に終了。


Méditerranée


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2017
02.17

17歳17 ans

Georges Moustaki 17 ans


「17歳17 ans」は、1934年生まれのジョルジュ・ムスタキGeorges Moustakiが38歳の時1972年の作品です。アルバム:Danseに収録。若い恋人を描いたのではなく、1954年に生まれた娘Piaのことです。1969年の「もう遅すぎるIl est trop tard」には、Pour l'enfant que j'ai fait「僕の子供のために」という1行があります。



17 ans        17歳
Georges Moustaki   ジョルジュ・ムスタキ


17 ans, une femme, une enfant
Qui ne sait rien encore et découvre son corps
Que le soleil enivre et que la nuit délivre.

  17歳、ひとりの女であり、ひとりの子ども
  まだ何も知らず、その身体を
  太陽が酔わせ夜が解き放つのに気づく。

17 ans2


17 ans, un sourire innocent,
Et le regard docile sous un rideau de cils,
Mais une faim de loup et une soif de tout.
17 ans, des seins de satin blanc
Semblent narguer le vent de leur charme insolent.

  17歳、無邪気な微笑み、
  そして睫毛の下の素直なまなざし、
  だがオオカミのごとき飢えとすべてに対する渇きと。
  17歳、白いサテンの乳房は
  その不遜な魅力で風に立ち向かうかのようだ。

17 ans, et prendre encore le temps,
Le temps de refuser le monde organisé
Et faire à l'heure présente un aujourd'hui qui chante.
17 ans, et vivre à chaque instant
Ses caprices d'enfant, ses désirs exigeants.

  17歳、そしてさらに時を、
  組織された世界を拒絶する時を経て、
  現在という時間に輝く「今」を作るんだ。
  17歳、そして一瞬一瞬
  その子どもじみた気まぐれを、気難しい欲求を生きるんだ。

17ans3.jpg


17 ans, j'étais adolescent
Et je le suis encore en découvrant ton corps
Comme un fruit éclaté, comme un cri révolté.
17 ans, déjà, 17 ans, tu n'as

  17歳、僕はかつて青年だった
  そしていまだ青年のままだ 君の身体を
  はじける果実のように、反抗的な叫びのように見ながら
  17歳、もうすでに、17歳、でしか

[注] chanter「明るい印象をもたらす」



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2017
02.16

芸術家の人生La vie d'artiste

Léo Ferré La chanson du scaphandrier


今回は、レオ・フェレLéo Ferréの曲のなかでも古典ともいえる「芸術家の人生La vie d'artiste」です。1950年に最初の妻オデットOdetteと離婚し、その余韻のなかでフランシス・クロードFrancis Claude(ミシェル・アルノーMichèle Arnaudの夫)の協力を得て作られた曲(1952年にフェレが作った同名のオペラとは無関係)です。まずはピアノの弾き語りで1954年のアルバム:Chansons de Léo Ferréに収録されました(朗唱版)。フェレは50年に知り合ったマドレーヌMadeleineと52年に結婚しましたが68年に離婚。翌69年にこの曲をJean-Michel Defayeのオーケストラをバックに、早いテンポで歌っています(アルバム:Les Douze Premières Chansons de Léo Ferré)。そして1972年のヴァージョンでは、ピアノを弾きながら歌わずに語っています。まさに弾き語り(アルバム:Les chansons d'amour de Léo Ferré)。そして1974年にフェレはマリー=クリスチーヌMarie-Christineと3度目の結婚。この曲は芸術家フェレの人生と重なる曲です。

レオ・フェレ(朗唱版)後半は別の曲です。



レオ・フェレ(語り版)



この曲は、多くの歌手が歌っています。ミシェル・アルノーMichèle Arnaudコラ・ヴォケールCora VaucaireバルバラBarbaraルネ・クロードRenée Claudeアニック・シザルクAnnick Cisaruk などです。

ミシェル・アルノーMichèle Arnaud



La vie d'artiste  芸術家の人生
Léo Ferré     レオ・フェレ


Je t'ai rencontrée par hasard,
Ici, ailleurs ou autre part,
Il se peut que tu t'en souviennes.
Sans se connaître on s'est aimés,
Et même si ce n'est pas vrai,
Il faut croire à l'histoire ancienne.
Je t'ai donné ce que j'avais
De quoi chanter, de quoi rêver.
Et tu croyais en ma bohème,
Mais si tu pensais à vingt ans
Qu'on peut vivre de l'air du temps, 注1
Ton point de vue n'est plus le même.

  僕は君に偶然出会った
  ここかあそこかあるいはまた別のところか、
  君は覚えているかもしれない。
  お互いを知りもしないで僕たちは愛し合い、
  本当ではないにせよ、
  古い物語を信じなきゃならない。
  僕は君に自分の持てるものを捧げた
  歌うものを、夢見るものを。
  そして君は僕の自由な生き方を信頼した、
  だが二十歳の時に君がもし
  無一文で暮らしていけると考えていたのなら
  君の見方はもう変わっただろう。

La vie dartiste1


Cette fameuse fin du mois 注2
Qui depuis qu'on est toi et moi,
Nous revient sept fois par semaine
Et nos soirées sans cinéma,
Et mon succès qui ne vient pas,
Et notre pitance incertaine.
Tu vois je n'ai rien oublié
Dans ce bilan triste à pleurer 注3
Qui constate notre faillite.
" Il te reste encore de beaux jours
Profites-en mon pauvre amour,
Les belles années passent vite."

  この例の月末の金欠ってやつは
  君と僕が連れ合ってこのかた、
  週に7回もやって来た
  そして僕たちの映画なしの夜、
  そしてやってこない僕の成功、
  そして僕たちの得体の知れないエサ。
  そうさ僕は何も忘れちゃいない
  僕たちの破産を証明する
  この泣けるような惨めな決算書には
  「君にはまだ晴天の日々が残っている
  僕のかわいそうな恋人よそれを大事にしろ、
  美しい年月は早く過ぎてしまう。」とある。

Et maintenant tu vas partir,
Tous les deux nous allons vieillir
Chacun pour soi, comme c'est triste. 注4
Tu peux remporter le phono,
Moi je conserve le piano,
Je continue ma vie d'artiste.
Plus tard sans trop savoir pourquoi
Un étranger, un maladroit,
Lisant mon nom sur une affiche
Te parlera de mes succès,
Mais un peu triste toi qui sais
" Tu lui diras que je m'en fiche... 注5
que je m'en fiche..."

  そして今君は出て行くところだ、
  僕たちは二人とも年老いていく
  おのれ大事ってのは、なんと悲しいことか。
  プレーヤーは持って行っていい、
  僕にはピアノがある、
  芸術家の生き方を続けるよ。
  もっと後にどういうわけか
  あるよそ者が、船乗りが、
  僕の名前をビラで読んで
  君に僕が成功したことを話すだろう、
  だがちょっと悲しい気もしながら君には分かっているから
  君は彼に言うだろう、あの人にとっちゃどうでもいいこと…
  どうでもいいこと…と

La vie dartiste3


[注]
1 vivre de l'air du temps「無一文である、かすみを食って生きる」
2 fin du mois「月末、給料前」
3 bilan「貸借対称表」は二人の関係(結婚)の総括を経理的な用語で表現している。 Il te reste 以下がその内容で、フェレが妻に言う言葉であり、この辺のつながりは意訳した。faillite「破産」も二人の関係がご破算になること、すなわち離婚。
4 chacun pour soi「得手勝手主義、エゴイズム」。Chacun pour soi, Dieu pour tout「各人は自分のために、神は万人のために」というキリスト教のことわざから。
5 最後の2行は引用符で括られているが、そのなかに間接話法が組み込まれ、que je m'en ficheのjeはフェレであり、「あの人」と訳した。



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2017
02.15

マイ・ハート・ウィル・ゴー・オンMon cœur survivra pour toi

Titanic.jpg


1997年のジェームズ・キャメロン監督の映画「タイタニックTitanic」の主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オンMy Heart Will Go On」(作曲:ジェームズ・ホーナーJames Horrner、作詞:ウィル・ジェニングスWill Jennings)を、セリーヌ・ディオンCeline Dionはフランス語の歌詞でも歌っています。



Mon cœur survivra pour toi   マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン
Celine Dion            セリーヌ・ディオン


Toutes les nuits, dans mes rêves,
Je te vois dans mes bras.
Donc je sais que tu continues. 注1
Et malgré la distance
Qui encore nous sépare,
Tu me prouves que tu continues.

  毎夜、夢の中で、
  私の腕のなかにいるあなたを見る。
  だからあなたが生きていることがわかる。
  そしていまだ私たちを隔てている
  距離にもかかわらず、
  あなたは自分が変わっていないことを私に示してくれる。

Titanic1.jpg


Je crois,
N'importe où tu sois,
Que mon cœur survit fièrement pour toi. 注2
Encore,
Tu ouvres la porte.
Je te garde dans mon cœur, et
Mon cœur survivra pour toi.

  私は信じる、
  あなたがどこにいようが、
  私の心が誇りを持ってあなたのために生き続けると。
  まだ、
  あなたはドアを開いている。
  私はあなたを心のなかに懐き、そして
  私の心はあなたのために生き続けるでしょう。

L'amour en nous touchant
Une seule fois, un moment,
Reste à jamais le seul amour.
Et ce beau sentiment,
Je le tiens si ardemment.
Dans mon cœur tu vivras toujours.

  愛はたった一度、一瞬
  私たちを感動させて、
  永遠に唯一の愛であり続ける。
  そしてこの美しい感情を、
  私は一心不乱に擁く。
  私の心のなかにあなたはつねに生き続けるでしょう。

Titanic2.jpg


Je crois,
N'importe où tu sois,
Que mon cœur survit fièrement pour toi.
Encore,
Tu ouvres la porte.
Je te garde dans mon coeur, et
Mon cœur survivra pour toi.

  私は信じる、
  あなたがどこにいようが、
  私の心が誇りを持ってあなたのために生き続けることを。
  まだ、
  あなたはドアを開いている。
  私はあなたを心のなかに懐き、そして
  私の心はあなたのために生き続けるでしょう。

Sans peur,
Je sais que mon cœur
Survit toujours avec toi ici.
Comme ça,
L'amour durera.
Je te garde dans mon cœur, et
Mon cœur survivra pour toi

  恐れることなく、
  私の心が
  つねにここにあなたとともに生き続けることを私は知っている
  こんな風に、
  愛は続くでしょう。
  私はあなたを心のなかに懐き、そして
  私の心はあなたのために生き続けるでしょう。

Titanic3.jpg


[注]
1 tu continues「あなたが続く」すなわち「あなたが存続し続けている」というのは、男性が死ぬという映画のストーリーに関連する。
2 mon cœur survit「私の心が生き延びる」とは、「私の心は変わらず、あなたを愛し続ける」ということだが、注1同様、男性が死に女性がその後も生き続けるという映画のストーリーに関連する。Mon cœur survivra=My Heart Will Go On




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2017
02.14

グラン・ブルヴァールGrands boulevards

Yves Montand Grands boulevards


イヴ・モンタンYves Montandの「グラン・ブルヴァールGrands boulevards」は、前回の「ルナ・パークLuna parc」より10年以上のちの曲ですが、同様に労働者の生活観を表現しています。1952年。作詞:ジャック・プラントJacques Plante、作曲: ノルベルト・グランツベルク(ノルベール・グランズベール)Norbert Glanzberg。1956年のアルバム:Concert à Moscouに収録されています。

Les Grands Boulevards


グラン・ブルヴァール大通りLes Grands Boulevardsは、パリ右岸の9区・10区を中心に円弧を描く形に連なる一群の広い通りのことで、バスティーユ広場place de la Bastilleから始まり、レピュブリック広場la place de la républiqueとオペラ広場 la place de l'Opéraを通りマドレーヌ広場place de la Madeleineに終わります。いわばパリの大動脈です。
これはシャルル5世 Charles Vとルイ13世Louis XIIIの時代に城壁であった場所で、ルイ14世がLouis XIVが城壁を取り払い堀を埋め、1668年から1705年のあいだにそこに「新しい大通りle Nouveau Cours」を作り、西側には高級ホテルなどが、そして東側には劇場やダンスホールやレストランなどの庶民の娯楽施設が建造されました。城壁の門であったサン・ドニ門la porte Saint Denisとサン・アルタン門la porte Saint Martinは凱旋門として残されました。
グラン・ブルヴァール大通りのほぼ中央にある地下鉄(8号線、9号線)の駅は、もともとは「モンマルトル Montmartre 」という名称で、次に「モンマルトル通り rue Montmartre 」 とされましたが、1998年に 「グランブールヴァールGrands Boulevards」と改められました。



ランベール・ウィルソンLambert Wilsonが2016年に歌っています。



Grands boulevards  グラン・ブルヴァール
Yves Montand    イヴ・モンタン


J'aime flâner sur les grands boulevards
Y a tant de choses, tant de choses
Tant de choses à voir
On n'a qu'à choisir au hasard
On s'fait des ampoules
A zigzaguer parmi la foule
J'aime les baraques et les bazars
Les étalages, les loteries
Et leurs camelots bavards
Qui vous débitent leurs bobards
Ça fait passer l'temps
Et l'on oublie son cafard

  僕はグラン・ブルヴァールをぶらつくのが好きだ
  たくさんの物、たくさんの物が
  見るべきたくさんの物があって
  行き当たりばったりに選ぶだけさ
  人々のあいだを縫って歩いて
  足に豆をこさえる
  僕は屋台や市場、
  露店、福引場が
  そしてあんたがたに嘘八百まくし立てる
  口達者なテキ屋が好きだ
  時間がつぶせて
  憂さ晴らしになるんだ

Grands boulevards1


Je ne suis pas riche à million
Je suis tourneur chez Citroën 
J'peux pas me payer des distractions
Tous les jours de la semaine
Aussi moi, j'ai mes petites manies
Qui me font plaisir et ne coûtent rien
Ainsi, dès le travail fini
Je file entre la porte Saint-Denis
Et le boulevard des Italiens

  僕は大富豪じゃない
  シトロエン社の旋盤工さ
  だから週日ずっと
  娯楽に興じるなんてできやしない
  でも僕にだって、ちょっとした楽しみがある
  楽しませてくれるけど、一銭もかからない
  ってわけで、仕事が済みゃ
  僕はすっ飛んで行く、サン・ドニ門と
  イタリアン通りのあいだに

J'aime flâner sur les grands boulevards
Y a tant de choses, tant de choses
Tant de choses à voir
On y voit des grands jours d'espoir
Des jours de colère
Qui font sortir le populaire
Là vibre le cœur de Paris
Toujours ardent, parfois frondeur
Avec ses chants, ses cris
Et de jolis moments d'histoire
Sont écrits partout le long
De nos grands boulevards

  僕はグラン・ブルヴァールをぶらつくのが好きだ
  たくさんの物、たくさんの物が
  見るべきたくさんの物がある
  そこには大いなる希望の日々があり
  民衆を駆り出す
  怒りの日々もある
  そこではパリの心臓が脈打つ
  つねに熱く、時には抗議的に
  歌で、叫び声で
  そしてすばらしい歴史の瞬間が
  僕たちのグラン・ブルヴァールの
  いたることろに刻まれたんだ

Grands boulevards2


J'aime flâner sur les grands boulevards
Les soirs d'été quand tout le monde
Aime bien se coucher tard
On a des chances d'apercevoir
Deux yeux angéliques
Que l'on suit jusqu'à République
Puis je retrouve mon petit hôtel
Ma chambre où la fenêtre donne
Sur un coin de ciel
D'où me parviennent comme un appel
Toutes les rumeurs, toutes les lueurs
Du monde enchanteur
Des grands boulevards

  僕はグラン・ブルヴァールをぶらつくのが好きだ
  みんなが夜更かしする
  夏の夕べには
  天使のような二つぶのまなこを
  見つけることもある
  レピュブリックまで彼女の後について行き
  それからちっぽけな僕の宿に戻る
  僕の部屋は窓が
  空の隅っこに面していて
  そこから誘いのように僕に届いてくる
  グラン・ブルヴァールの
  うっとりするような世界の
  あらゆるつぶやきやあらゆる光が

Grands boulevards3


[注] Citroën 「シトロエン社」フランスの大手自動車メーカー。創業期の工場はパリ左岸の15区ジャベルJavel地区にあった。


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2017
02.14

スブリーム《ヴァレンタイン・コンサート》

去年に引き続き、スブリーム《ヴァレンタイン・コンサート》を開催します。今年はスブリームさんの、レジョン・ドヌール勲章受賞を記念してのコンサートとなります。
満席となりました。当日券はありません。

70214valentins.jpg





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2017
02.13

ルナ・パークLuna Park

Yves Montand Luna Park


Luna Park0イヴ・モンタンYves Montandの「ルナ・パークLuna Park」は、チャーリー・チャップリンCharlie Chaplinの「モダン・タイムスModern Times」(1936年)に描かれていたような、ベルトコンベアが走る流れ作業に従事する一労働者が主人公で、労働者階級の生活を表現するこの曲は、かなり共産主義寄りの思想を持っていた当時のモンタンにたいへんふさわしい曲だったようです。1945年。作詞:ジャン・ギゴJean Guigo、作曲:ルールー・ガステLoulou Gasté。

ルナ・パークLuna Parkは1909年から1948年まで、パリの16区のポルト・マイヨla porte Maillotの近く、現在のパレ・デ・コングレPalais des congrès de Parisのあたりにあった遊園地です。午後1時から真夜中の12時まで開園。ウオーターシュートやローラーコースター(ジェットコースター)、そしてダンス・ホールなどがあり、パリおよび周辺に住む人々の娯楽の場として大いに賑わっていました。



オランピアのステージ



Luna Park    ルナ・パーク
Yves Montand  イヴ・モンタン


Dans mon usine de Puteaux 注1
On peut dire qu' j' ai le fin boulot
Ça f' sait bien trois cent soixante cinq jours de long
Que j' vissais toujours le même sacré petit boulon
Mais celà ne m' empêche pas de chanter
Hidlele hidlele hideledele 注2
Dès que j' ai ma petite heure de liberté
Hidlele hidlele hideledele

  ピュトーの工場で
  言ってみりゃぁ僕は上等な仕事をしてる
  のべつ365日間
  おんなじいまいましいちっちゃなボルトを締めるのさ
  だけどそれは歌うことの妨げにはならない
  ヒドゥレレ ヒドゥレレ ヒドゥレドゥレ
  ちょっとした自由な時間がありさえすりゃ
  ヒドゥレレ ヒドゥレレ ヒドゥレドゥレ

Luna Park1


Je vais tout droit à Luna Park
Dans le jour cru des lampes à arcs
Sur la chenille 注3
Je vois des filles
Je vois les filles et leurs dessous
En soie en fil ou en pilou
Et le pick-up chante comme moi
Hidlele hidlele hideledele hey !
Hidlele hidlele hideledele

  僕はルナ・パークに直行する
  真昼のようにどぎついアーク灯のもと
  キャタピラーの上に
  女の子たちが見える
  女の子たちと
  彼女たちのシルクやリネンやネルの下着が見える
  ヒドゥレレ ヒドゥレレ ヒドゥレドゥレ ヘイ!
  ヒドゥレレ ヒドゥレレ ヒドゥレドゥレ

Luna Park3


Le travail c' est ahurissant
Pour le corps c' est bien salissant
Quand je touche ma paye vers la fin du mois
Je sais qu' à Puteaux y' a des gars plus riches que moi
Mais celà ne m' empêche pas de chanter
Hidlele hidlele hideledele
Luna-Park est ma réserve de gaité
Hidlele hidlele hideledele

  仕事はとてつもないもんで
  体はといえば汚れっぱなし
  月末に給料をもらう時には
  ピュトーには僕よりもリッチなやつらがいるんだと思い知る
  だがそれは歌うことの妨げにはならない
  ヒドゥレレ ヒドゥレレ ヒドゥレドゥレ
  ルナ・パークは僕の喜びの源さ
  ヒドゥレレ ヒドゥレレ ヒドゥレドゥレ

À tous les stands je suis salué
Des patrons et des habitués
Garçons et filles
C' est ma famille
Partout ailleurs je n' suis rien
À Luna Park je suis quelqu' un
Vive Luna Park et vive la joie 注4
Feledlele delele delele fleptogo

  どの店でも僕は
  店主や常連から挨拶されるし
  男の子たちや女の子たちは
  僕の家族さ
  他所じゃ僕は無価値な男だが
  でもルナ・パークじゃ僕は大物さ
  ルナ・パーク万歳、喜び万歳
  フェルドゥレレ ドゥレレ ドゥレレ フレプトゴー

Luna Park2


[注]
1 Puteaux「ピュトー」イル・ド・フランスÎle-de-France地域圏オー=ド=セーヌ(Hauts-de-Seine県の都市で、都市再開発地区のラ・デファンスLa Défenseがある。1961年のアンリ・コルピHenri Colpi監督の「かくも長き不在Une aussi longue absence」の舞台。
2 Hidlele hidlele hideledeleはスイスのヨーデルの発声を表している。
3 chenille「キャタピラー」は、戦車のキャタピラーや自転車のチェーンのようにエンドレスにつながったローラーコースターのレールのことを言っているようだ。
4 viveは間投詞で、Vive la France!「フランス万歳!」やVive les Mariés!「新郎新婦万歳!」と同様。




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2017
02.12

もはや何も失うもののない男たち(悲しみの兵士)Les hommes qui n'ont plus rien à perdre

Les hommes qui nont plus rien à perdre


シルヴィー・ヴァルタンSylvie Vartanの「もはや何も失うもののない男たち(悲しみの兵士)Les hommes qui n'ont plus rien à perdre」は、フランス革命を背景として戦争を題材にした曲。1969年。作詞:フランク・ジェラールFrank Gérald、作曲:ジャン・ルナールJean Renard。語りは当時の夫のジョニー・アリディJohnny Hallyday。原題の訳語をタイトルとし既存の邦題を副題としました。

Les hommes qui n'ont plus rien à perdre  
          もはや何も失うもののない男たち(悲しみの兵士)
Sylvie Vartan  シルヴィー・ヴァルタン


Tu vois cette affiche
Sur le mur de ma chambre
C'était un homme
Un de ces hommes
Qui n'avait plus rien à perdre

  僕の部屋の壁に貼ってある
  このビラをごらん
  これはもはや何も失うもののない
  男たちのうちの
  ひとりの男だった

Ils avaient cru semer du pain
Mais il n'a poussé que des pierres
Ils ont prié le ciel en vain
Alors ils ont serré les poings

  彼らはパンの種を撒いたと信じていたが
  だが石ころしか生えてはこなかった
  天に祈るも空しく
  彼らはこぶしを握りしめた

Ils ont pris leurs chevaux et leurs fusils
Au lever du soleil, ils sont partis
Les hommes qui n'ont plus rien à perdre
Descendent vers la ville
Pour tout détruire et tout brûler
Les hommes dont le cœur en colère
Appellent un chant de guerre
Un chant de liberté

  彼らは馬に乗り銃を携え
  夜明けに出発した
  もはや何も失うもののない男たちは
  すべてを破壊しすべてを焼き払おうと
  街へと降りていく
  怒りを抱いた男たちは
  戦いの歌を
  自由の歌を呼び起こす


Les hommes qui nont plus rien à perdre1


Il dort maintenant
Sous quelques pierres de son pays
Mais je sais que son nom et son visage
Sont connus de tous les hommes

  故郷の石の下に
  今、彼は眠る
  だが僕は知っている、彼の名前と彼の姿が
  すべての人々に知れ渡っていることを

Ceux qui n'iront jamais plus loin
Les bras en croix dans la poussière 注1
Oh ! Ceux dont c'est le dernier matin 注2
Ne seront pas tombés en vain

  埃のなかで両腕を広げ
  けっしてそれより先に進むことのない者たち
  おお!最後の朝を迎えた者たちは
  無駄に倒れたことにならないだろう

Leurs noms seront plus forts que leurs fusils
Ils voleront de pays en pays
Les hommes qui n'ont plus rien à perdre
Descendront vers les villes
Pour tout détruire et tout brûler
Les hommes dont le cœur en colère
Fera d'un chant de guerre
Un chant de liberté

  彼らの名前は銃よりも強く
  国から国へと伝わって行くだろう
  もはや何も失うもののない男たちは
  すべてを破壊しすべてを焼き払おうと
  街へと降りていくだろう
  怒りを抱いた男たちは
  戦いの歌を
  自由の歌を歌うだろう


Les hommes qui nont plus rien à perdre2


Tu vois, aujourd'hui comme hier
Demain comme aujourd'hui
Les hommes qui n'ont plus rien à perdre
Descendront vers les villes
Pour tout détruire et tout brûler
Et quand les hommes sont poussés par la colère
Ils font d'un chant de guerre, un chant de liberté
Aujourd'hui comme hier
Demain comme aujourd'hui

  ごらん、昨日のように今日も
  今日のように明日も
  もはや何も失うもののない男たちは
  すべてを破壊しすべてを焼き払おうと
  街へと降りていくだろう
  男たちが怒りに突き動かされたなら
  彼らは戦いの歌を、自由の歌を歌う
  昨日のように今日も
  今日のように明日も

[注]
1 (avoir) les bras en croix「両腕を真横に上げる」身体が十字架の形になることから。
2 Ceux dont c'est le dernier matin ne seront pas tombés en vainは直訳すると、「それが彼らにとって最後の朝になるところの者たちはけっして無駄に斃れないだろう」。




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2017
02.11

古いピアノたちLes vieux pianos

Claude Léveillée Les vieux pianos


前回のエディット・ピアフÉdith Piafの「古いピアノLe vieux piano」は、クロード・レヴェイエClaude Léveilléeが作った曲でしたが、レヴェイエはのちにその曲を「古いピアノたちLes vieux pianos」と複数形にしたタイトルのあらたな歌詞で自分で歌っています。



Les vieux pianos  古いピアノたち
Claude Léveillée  クロード・レヴェイエ


{Parlé:}
Y'a pas tellement longtemps enfin
Vous vous rappelez au temps du guignol, de la dentelle?
On se saoulait le dedans de pathétique
C'était la belle époque
{Chanté:}
du piano nostalgique

  そんな古い昔じゃない つまりは
  あんた方は指人形の、レース布の時代を思い出すだろう?
  僕たちは悲壮感のなかで酩酊していた
  いい時代だった
  郷愁に満ちたピアノの

Adieu rengaines qui nous suivaient la semaine
Et savaient nous réjouir quand nous vivions le pire
Mais déjà depuis longtemps, on vous a oubliées
Vous n'êtes plus de notre temps, restez dans vos musées

  古い歌たちよさようなら それは週日僕たちについてきて
  そして僕たちが最悪の生活をしているときに僕たちを楽しませてくれた
  だがもう長いこと、お前たちを忘れてしまっている
  お前たちはもう僕たちの時代のものじゃない、博物館にいればいい

Ce sont vos pianos mécaniques 注1
Que vous avez remplacés par des boîtes à musique 注2
Qui pour trente sous vous tirent deux disques coup sur coup 注3
Pourvu que ça joue, nous on s'en fout

  自分たちの自動ピアノを
  あんた方はジューク・ボックスに取り替えた
  それは30スーであんた方に2枚のディスクを次々と引き出す
  演奏さえしてくれりゃ、僕たちはなんでもいいんだ

Les vieux pianos3


Ce sont vos pianos tout usés qui se sont tus paralysés
Et qui ne sont plus qu'objets d'antiquité
Qui autrefois faisaient la joie des salons
Et ils étaient les grands rois de la chanson

  くたびれはてたあんた方のピアノは麻痺して黙ってしまった
  そしてもはや骨董品にすぎない
  かつてはサロンの楽しみの種で
  シャンソンの王だったが

Mais malgré tout, on se souvient de vous
Et c'est avec regret que l'on vous sait parfois muets
Mais ce soir, moi je vous aime
Et je veux que l'on vous chante
Vous que la vie retranche
De même que vos frères les poèmes

  だがそれでも、僕たちはお前たちのことを覚えている
  そして僕たちはお前たちが唖になったことを知って残念だ
  だが今夜、僕はお前たちを愛す
  そして僕たちがお前たちを歌わせるべく望んでいる
  生はお前たちを追い出した
  お前たちの兄弟である詩と同様に

Ce sont vos pianos mécaniques
Que vous avez remplacés par des boîtes à musique
Qui pour trente sous vous tirent deux disques coup sur coup
Pourvu que ça joue, nous on s'en fout

  自分たちの自動ピアノを
  あんた方はミュージック・ボックスに置き換えた
  それは30スーであんた方に2枚のディスクを次々と引き出す
  演奏さえしてくれりゃ、僕たちはなんでもいいんだ

Ce sont vos pianos tout usés
Qui se sont tus paralysés, et qui sont plus qu'objets d'antiquité
Qui autrefois faisaient la joie des salons
Et ils étaient les grands rois de la chanson

  くたびれはてたあんた方のピアノは麻痺して黙ってしまった
  そしてもはや骨董品にすぎない
  かつてはサロンの楽しみの種であり
  シャンソンの王だったもんだが

Les vieux pianos1


Mais malgré tout, on se souvient de vous
Et c'est avec regret que l'on vous sait parfois muets
{Parlé:}
Mais ce soir, moi je vous aime
Et je veux que l'on vous chante

  だがそれでも、僕たちはお前たちのことを覚えている
  そして僕たちはお前たちが唖になったことを知って残念だ
  だが今夜、僕はお前たちを愛す
  そして僕たちがお前たちを歌わせるべく望んでいる

Pourtant, y'a pas tellement longtemps
Vous vous rappelez au temps du guignol, de la dentelle?
On se saoulait le dedans de pathétique
C'était la belle époque du piano nostalgique

  だけど、そんな古い昔じゃない
  あんた方は指人形の、レース布の時代を思い出すだろう?
  悲壮感のなかで酩酊していた
  郷愁に満ちたピアノのいい時代だった

[注] ネット上で得られた歌詞をレヴェイエの歌を聴いて何箇所か修正した。vousが指す対象が場所ごとに変わり、文脈で判断しつつ訳した。
1 piano mécanique「自動ピアノ」
2 boîte à musiqueは本来「オルゴール」のことだが、ここでは文脈から「ジューク・ボックス」とした。
3 sou「スー」フランス革命以後、新フラン以前の貨幣単位で、1スーは5サンチーム。coup sur coup「次々と、続けざまに」
se saouler=se soûler「酔っ払う」「陶酔する」



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2017
02.10

古いピアノLe vieux piano

Édith Piaf Le vieux piano


1960年にケベックのシンガー・ソングライターのクロード・レヴェイエClaude Léveillée がパリにやってきて、エディット・ピアフÉdith Piafに自作の曲を4曲提供しました。「古いピアノLe vieux piano」はそのうちの1曲です。



Le vieux piano  古いピアノ
Édith Piaf    エディット・ピアフ


{Parlé:}
Un piano est mort et celle-là l'aimait
quand elle était jeune
et quand elle venait se saoûler l' dedans de pathétique 注1
{Chanté:}
en se frottant au piano nostalgique.

  ピアノは死んだ その女はそれを愛していた
  彼女が若かったころに
  そして彼女がたまたま悲壮な気持ちのなかで酩酊するようなときに
  憂愁に満ちたピアノに身をすり寄せながら。

Le vieux piano3


Qu'il était beau, le piano, bon piano,
vieux piano des copains a l'époque des copains, 注2
Chez Bianco l'Argentin, vers trois heures du matin 注3
quand elle buvait son demi d'oubli.

  なんて美しかったことか、ピアノ、ステキなピアノ、
  仲間たちの時代の仲間たちの古いピアノは、
  ビアンコ・アルゼンチンの店で、朝の3時ごろ
  彼女がなかば茫然自失に浸っているとき。

Et seule maintenant, elle pense au vivant
De ce vieux piano mort.
Elle voit, elle entend les messes de ses vingt ans
Tomber d'un accord.
Au bar, quand elle boit, c'est vrai qu'elle revoit
des mains sur l'ivoire blanc,
Les mains de Bianco, des mains qui lui font
cadeau d'un peu du vieux temps.

  そして今はひとり、彼女は思う
  この死んだ古いピアノが生きていた頃のことを。
  自分の20年のミサが和音となって突然始まるのを
  彼女は目にし耳にする。
  バーで、彼女が飲んでいる時、本当にまた見えた
  白い象牙の上に手が、
  ビアンコの手が、ちょっと昔に彼女に
  贈り物をしてくれた手が。

Le vieux piano20


Mais dans son jean, un fantôme en blue jean,
Un deuxième et puis vingt qui discutent en copains 注2
d'un bistrot démodé, d'un piano démodé.
Elle a crié: "Moi je sais! Je sais!"

  だがジーンズ姿で、ブルージンを着た幽霊が、
  2人目がそして20人が仲間うちで話し合っている
  時代遅れのビストロのことを時代遅れのピアノのことを
  彼女は叫んだ「私は知っているわ!知っているわ!」

Elle va raconter l'histoire enfermée
dans le vieux piano mort,
et c'est l'aventure qui bat la mesure
de plus en plus fort.
Au clair de la vie, les mains des amis,
Les yeux des lendemains,
La vie devant nous, l'amour, et puis tout
Et tout, et plus rien.

  死んだ古いピアノに
  封じ込められた物語を彼女は語り始める、
  そしてそれは次第に強い
  調子になる事柄だ
  いのちの輝き、友の手、
  未来へのまなざし、
  私たちのこれからの人生、愛、そしてすべて
  そしてすべて、そしてもう何もない。

Le vieux piano1


Ils sont tous morts au milieu d'un accord.
Ils sont morts dans Ravel, dans un drôle d'arc-en-ciel. 注3
Un soldat est entré, un soldat est entré.

  彼らはみんな死んだ和音のさなかで。
  彼らは死んだ ラヴェルのなかで、妙な虹のなかで。
  ひとりの兵士が入ってきた、ひとりの兵士が入ってきた。

{Parlé:}
Un piano est mort, et celle-là l'aimait
Quand elle était jeune
et quand elle venait se saoûler l' dedans de pathétique
{Chanté:}
en se frottant au piano nostalgique.

  ピアノは死んだ その女はそれを愛していた
  彼女が若かったころに
  そして彼女がたまたま悲壮な気持ちのなかで酩酊するようなときに
  憂愁に満ちたピアノに身をすり寄せながら。

[注]
1 se saoûler= se soûler「酔う」
2 en copains「仲間うちで」
3 Chez Bianco l'Argentin
4 Ravel=Joseph-Maurice Ravel 「ジョゼフ=モーリス・ラヴェル」フランスの作曲家。この歌詞では、特にバレエ音楽「ボレロBoléro」を念頭に入れているようだ。




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2017
02.09

真珠の言葉Que le mot soit perle

UNISIDA.jpg


「真珠の言葉Que le mot soit perle」は、1月28日に「思い出の扉Les portes du souvenir」をご紹介したレ・ヌビアンのエレーヌHélèneが作詞・作曲し、2003年のアルバム:One Step Forwardに収録された曲ですが、アンリ・サルヴァドールHenri Salvadorといっしょに歌ったヴァージョンが、2005年のアルバム:UNISIDA(エイズによって孤児になったセネガルSénégalの子どもたちを救済するために作られたアルバム)に再収録されています。




Que le mot soit perle       真珠の言葉
Henri Salvador & Les Nubians  アンリ・サルヴァドール&レ・ヌビアン


Vous
Je vous remercie pour tout, Que le mot soit perle
Que le mot soit perle, qu'il claire votre chemin
Et qu'il brille dans le creux de vos mains

  あなたたちに
  私はあなたたちにすべてのことで感謝します、言葉が真珠となりますよう
  言葉が真珠となりますよう、あなたたちの道を照らしますよう
  そしてあなたたちの手のひらで輝きますよう

Que le mot soit perle2


Que le mot soit perle
Une parure pour votre cou
Que le mot soit perles de parfums pour vos joues
Que le mot soit perle et qu'il tombe comme la pluie
Que le mot soit perle

  言葉が真珠となり
  あなたたちの首飾りとなりますよう
  言葉があなたの頬につける香りの真珠となりますよう
  言葉が真珠となり雨のように降りますよう
  言葉が真珠となりますよう

Que le mot soit perle4


Vous
Je me souviendrai de vous
Que le mot soit perle
Que le mot soit fort, qu'il nous protège de tous les sorts
Et qu'il chante ces paroles à nos morts

  あなたたちを
  私はあなたたちを思い出すでしょう
  言葉が真珠となりますよう
  言葉が強いものでありますよう、私たちをすべての
  そしてこの歌詞を私たちの今わの際に歌ってくれますように

Que le mot soit perle1


Que le mot soit perle
Chaud comme quand le feu est doux
Comme l'encens que je brûle quand je pense à vous
Que le mot soit perle
Qu'il vous porte nos prières
Que le mot soit perle

  言葉が真珠となりますよう
  火が優しい時のように
  私があなたたちのことを思う時に焚く香のように暖かいよう
  言葉が真珠となりますよう
  あなたたちに祈りをもたらしますよう
  言葉が真珠となりますように

Que le mot soit perle3



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2017
02.08

クライ・ミー・ア・リヴァーPleurer des rivieres

Viktor Lazlo Pleurer des rivières


アーサー・ハミルトンArthur Hamiltonが作詞・作曲し、ジュリー・ロンドンJulie Londonの歌で知られる「クライ・ミー・ア・リヴァーCry Me A River」をボリス・ベルクマンBoris Bergmanがフランス語に翻案したPleurer des rivieresをヴィクター・ラズロViktor Lazloが歌っています。この名前はフランス語読みならヴィクトールとなるはずですが、映画「カサブランカ Casablanca」の登場人物に由来するのでヴィクターと読まれるようです。フランス生まれのベルギー人で、もとはモデルで俳優としても活動していて、歌は「お洒落なジャズ」のジャンルに分類されます。この曲は1987年のアルバム:Canoë roseに収録されています。
英語の原曲は、よりを戻したいと言ってきた不実な男に、「私はあなたのためにもうさんざん泣いたんだから、私のために川のように泣いてみせてよ」という内容。フランス語の歌詞もほぼ同様です。



ジュリー・ロンドンの歌う原曲



Pleurer des rivieres  クライ・ミー・ア・リヴァー
Viktor Lazlo      ヴィクトール・ラズロ


Adieu, gueule d'amour ! 注1
Viens pas boire dans mon verre
Tu peux même pleurer des rivières
Pleurer des rivières
J'en ai pleuré pour toi naguère 注2

  さよなら、女たらし!
  私のグラスから飲まなくなって
  あんたも川のように泣いていいのよ
  川のように泣いても
  私はあんたのためにさっきまで泣いていたわ

Viktor Lazlo


Et salut, gueule d'amour !
Tu m'as joué tu perds
Alors vas pleurer des rivières
Pleurer des rivières
J'en ai pleuré pour toi naguère

  バイバイ、女たらし!
  あんたは私をもてあそんで損したわね
  さぁ川のようにお泣きなさい
  川のように泣くのよ
  私はあんたのためにさっきまで泣いていたわ

Tu m'as cassé
Presque cassé
Le cœur en deux
Il s'en est fallut de peu 注3
Tu te rappelles
Je me rappelle
Quand tu disais :
"L'amour c'est imbécile"
L'amour cétait pas pour toi et

  あんたは私を壊した
  私の心をほとんど
  真っ二つに壊したと
  同然よ
  あんたは覚えているし
  私も覚えている
  あんたがこう言ったときのこと
  「恋はおろかなもの」と
  恋はあなたのためのものじゃなかったのよだから

Adieu gueule d'amour !
J'ai besoin d'changer d'air
Alors vas Pleurer des rivières
Pleurer des rivières
J'en ai pleuré, à quoi ça sert ?(×2)

  さよなら、女たらし!
  私は気分を変えなきゃならないわ
  さぁ川のようにお泣きなさい
  川のように泣くの
  私は泣いたわ、それが何になるの!

Viktor Lazlo2


Pleurer des rivières, à quoi ça sert ?
Pleurer des rivières, à quoi ça sert ?
Pleurer des rivières, à quoi ça sert ?
Pleurer des rivières, à quoi ça sert ?

  川のように泣いて、それが何になるの?
  川のように泣いて、それが何になるの?
  川のように泣いて、それが何になるの?
  川のように泣いて、それが何になるの?

[注]
1 gueule d'amour「(美男の)女たらし」
2 naguère「さっきまで」
3 Il s’enfaut de peu「もう少しのところである、ほとんど同然である」




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2017
02.07

パリParis

Souad Massi Raoui


「パリParis」と題した曲はすでに3曲取り上げました。エディット・ピアフÉdith Piafエロディー・フレジェElodie Frégéオリヴィア・ルイズOlivia Ruiz です。タイトルはごくシンプルながら、それぞれステキな曲です。今回は4曲目の「パリParis」。1月26日に「時は過ぎゆくPasse le temps」をご紹介したスーアド・マッシSaoud Massiがマルク・ラヴォワンヌMarc Lavoineとデュオで歌っている、これまたステキな曲です。スーアド・マッシの2001年のアルバム:Raouiに収録されています。ラヴォワンヌは「彼女の瞳はリボルバーElle a les yeux revolver」と「たとえ Même si」をすでにご紹介しています。




Paris                 パリ
Marc Lavoine & Saoud Massi  マルク・ラヴォワンヌ&スーアド・マッシ


Je marche dans tes rues
Qui me marchent sur les pieds 注1
Je bois dans tes cafés

  私はあなたの通りを歩く
  私のことを軽く見ているあなたの通りを
  あなたのカフェで飲む

Je traîne dans tes métros
Tes trottoirs m'aiment un peu trop
Je rêve dans tes bistrots

  私はうろつく、あなたの地下鉄を
  あなたの歩道はちょっと私を愛しすぎる
  私はあなたのビストロで夢を見る

Je m'assois sur tes bancs
Je regarde tes monuments
Je trinque à la santé de tes amants

  私はあなたのベンチに座り
  あなたのモニュメントを眺め
  あなたの恋人たちの健康のために乾杯する

Paris11.jpg


Je laisse couler ta Seine 注2
Sous tes ponts ta rengaine
Toujours après la peine

  私は流れるに任せる、あなたのセーヌ川を
  橋の下に、あなたの繰言は
  辛いことのあとにつきもの


Je pleure dans tes taxis
Quand tu brilles sous la pluie
C'que t'es belle en pleine nuit 注3

  あんたのタクシーのなかで僕は泣く
  あんたが雨のもとで輝くとき
  あんたは真夜中になんて美しいんだ

Je pisse dans tes caniveaux
C'est d'la faute à Hugo 注4
Et j'picole en argot

  僕はあんたのドブで小便をする
  それはユーゴーのせいだ
  そして僕はやくざな言い方すりゃ酒かっくらう

Je dors dans tes hôtels
J'adore ta tour Eiffel
Au moins elle, elle est fidèle

  僕はあんたのホテルで眠る
  あんたのエッフェル塔が大好きだParis12.jpg
  少なくとも彼女は、塔は貞淑だ

Quand j'te quitte un peu loin
Tu ressembles au chagrin
Ça m'fait un mal de chien 注5

  僕があんたからちょっと遠く離れると
  あんたは悲しそうだ
  それは僕をとても辛い気持ちにさせる


{Refrain:}
Paris Paris combien
Paris tout c'que tu veux
Boul'vard des bouleversés
Paris tu m'as renversé
Paris tu m'as laissé

  パリ パリ どれほどなのか
  パリ あなたが望むものすべては
  混乱だらけの大通りは
  パリ、あなたは私を仰天させた
  パリ、あなたは私を放り出した

Paris Paris combien
Paris tout c'que tu veux
Paris Paris tenu
Paris Paris perdu
Paris tu m'as laissé
Sur ton pavé

  パリ パリ どれほどなのか
  パリ あなたが望むものすべては
  パリ 手入れの行き届いたパリ
  パリ 堕落したパリ
  パリ あなたは私を放り出した
  あんたの舗道の上に

J'me réveille dans tes bras
Sur tes quais y a d'la joie
Et des loups dans tes bois

  私はあなたの腕のなかで目覚める
  あなたの河岸には喜びがある
  そしてあなたの森にはオオカミがいる

J'me glisse dans tes cinés
J'me perds dans ton quartier
Je m'y retrouverai jamais

  私はあなたの映画館に入る
  私はあなたの街なかで道に迷い
  自分がどこにいるのかまるで分からない


Paris15.jpg


Je nage au fil de tes gares
Et mon regard s'égare
J'vois passer les cafards

Sur tes bars

  僕はあんたの駅の人波を泳ぐ
  僕の視線は戸惑う
  憂鬱が通り過ぎるのが見える

  あなたのバーの上を

J'm'accroche au réverbères
Tes pigeons manquent pas d'air 注6
Et moi de quoi j'ai l'air? 注7

  僕は街灯にしがみつく
  あんたのハトはふてぶてしい
  そして僕はいったい何に見える?


Paris13.jpg


{Refrain}

Je marche dans tes rues
Qui me marchent sur les pieds
Je bois dans tes cafés

  私はあなたの通りを歩く
  私のことを軽く見ているあなたの通りを
  あなたのカフェで飲む

{en arabe}
Nemchi ma rdit ourani 注8
Kama law nass nsawni
Sammawni barani.

  (アラビア語)

[注] スーアド・マッシマルク・ラヴォワンヌとデュオの部分は色分けした。歌詞中のtoi「あなた、あんた」はParis「パリ」。
1 marcher sur les pieds de qn.「…を軽々しく扱う、…を侮辱する」。quiの先行詞はtes ruesではなく、表わされていないがtoi.
2 この節は、マルク・ラヴォワンヌMarc Lavoineも歌っている「ミラボー橋Le pont Mirabeau」の歌詞をもじっている。
3 Parisは男性名詞だが女性形belleを用いている。
4 (Victor) Hugo文豪「ヴィクトル・ユーゴー」。代表作「レ・ミゼラブルles misérables」には、悲惨な境遇が犯罪や生活態度の悪さの要因になるという状況が描かれている。
5 mal de chien「非常な苦痛」
6 ne pas manquer d'air「ずうずうしい、厚かましい」
7 avoir l’air de+n.「…のようである」。注7のairは「空気」だが、このairは「様子」。
8 アラビア語の歌詞はグーグル翻訳にかけてみたがうまくいかなかった。一応、上のフランス語のルフランの3行とほぼ同じ意味だとは判断できた。



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2017
02.06

ローラ、あるいは鳥の国の伝説Lola, ou La légende du pays aux oiseaux

Jacqueline François Lola, ou La légende du pays aux oiseaux


1952年に、盲目のジャズ・ピアニスト、ジョージ・シアリングGeorge Shearingが作曲、ジョージ・デイヴィッド・ヴァイスGeorge David Weissが作詞した「バードランドの子守唄Lullaby of Birdland」は、エラ・フィッツジェラルドElla Fitzgerald、サラ・ヴォーンSarah Vaughanをはじめ多くの歌手に歌われてきました。バードランドBirdlandは、ニューヨーク・マンハッタンにあった往年のジャズクラブで、その名はアルトサックス奏者、チャーリー・パーカーCharles Parkerのニックネーム「バードBird」に因んでいます。

サラ・ヴォーンとクリフォード・ブラウンSarah Vaughan &Clifford Brownの名盤



それをジャン・コンスタンチンJean Constantinが「ローラ、あるいは鳥の国の伝説Lola, ou La légende du pays aux oiseaux」という題名でフランス語に翻案し、Les Blue Star(ブロッサム・ディアリーBlossom Dearieの在籍していたグループ)が1954年に歌い、翌55年にジャクリーヌ・フランソワJacqueline Françoisが歌いました。ジャン・コンスタンチン自身も歌っています。



この歌詞は、以前ご紹介した、フランソワーズ・アルディーFrançoise Hardyの「友情L'amitié」を思い出させるものですが、それ以上に不思議な内容で、一応は訳しましたが趣旨がよくつかめません。なにせ伝説légendeですから不思議なのは当然でしょうか…。

Lola, ou la légende du pays aux oiseaux  ローラ、あるいは鳥の国の伝説
Jacqueline François              ジャクリーヌ・フランソワ


Quand elle s'ennuie dans sa mansarde
Lola vient écouter
Le murmure des fontaines qui bavardent
A travers les prés et les rosées

  屋根裏部屋で退屈していたとき
  ローラはたまたま耳にする
  しゃべっている泉たちのささやき声を
  原っぱと朝露の向こうに

Lola1.jpg


Elles lui racontent la légende
Du pays aux oiseaux
Et pour mieux l'entendre
Lola se penche à l'ombre des roseaux

  泉たちは彼女に語る
  鳥の国の伝説を
  そしてもっとよく聞こうと
  ローラは葦の葉陰に身をかがめる

C'est l'histoire fabuleuse
Où des oiseaux par milliers
D'une île miraculeuse
S'envolent éparpillés
Dispersés

  それは途方もない物語で
  不思議の島の
  何千もの鳥たちが
  ちりちりばらばらに
  飛び立ち

Lola2.jpg


Et promènent au vent dans le sillage 
De leurs ailes voyageuses
Des millions de plumes dans un nuage
De caresses… de caresses amoureuses

  風に乗って
  彼らの旅する翼の範にしたがい
  愛情をこめて…優しく触れてくれる
  雲のなかを
  無数の羽を運び行く

Lola Lola

  ローラ ローラ

Au pied d'un rocher Lola se couche
Eblouie près de l'eau
Pour entendre encore dans le chant des sources
Le murmure des ruisseaux

  岩山の下でローラは身を横たえる
  水辺で驚嘆しつつ
  なおも泉の歌のなかに
  小川のつぶやきを聞くために

Et sur sa robe éclatante
Dans ce jardin enchanté
Lola s'endort frissonnante
A la fraîcheur d'une allée
Parfumée

  そして色鮮やかなドレスの上で
  この魅惑的な庭で
  ローラは眠る
  かぐわしい小道の
  涼しさに身を震わせながら

Lola3.jpg


Et grisée de l'odeur des fougères
Elle rêve à celui
Qui transformera pour elle les volières
En baisers
En baisers pour la vie

  そして羊歯の香りにうっとりしつつ
  彼女は夢想する
  彼女のために鳥小屋を
  口づけに
  口づけに生涯変えてくれるはずの人を

[注] marcher dans le sillage de qn「…の例にならう、を範とする」と同様の意味。


もとの英語の歌詞は明解です。訳してみました。

バードランドの子守唄

おお、バードランドの子守唄、それは私が
あなたがため息をつくときにいつも聴いた唄、
わたしがどんな風に感じているか
持ち合わせの言葉では言い表わすすべがないわ

2羽のコキジバトが愛し合っているときの
ささやき声を聴いたことがある?
柳の老木があって
泣き方をよく心得ている、
それは私が枕に顔をうずめて泣くのと同じなのよ
もしもあなたが私に さらば、さようならって告げたならね

バードランドの子守唄 そっとささやいてよ
やさしくキスしてよ、そうすれば私たちは行けるわ
バードランドの上を、空高く飛んで
だって 私たちは愛し合っているんだから



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2017
02.05

ボンジュール・ヴェトナムBonjour Vietnam

Quynh Anh


「ボンジュール・ヴェトナムBonjour Vietnam」は、ベルギー生まれのベトナム人の女性歌手ファム・クイン・アインPham Quynh Anhのためにマルク・ラヴォワーヌMarc Lavoineがイヴァン・コリアYvan Coriatとの共作で書いた曲です。その後、「ハロー・ベトナムHello Vietnam」として英語でも歌っています。

ベトナム戦争が1975年に終了した後、1987年にベルギーで生まれたクイン・アインの歌うこの歌は、ベトナムに郷愁を持ち、ベトナムを訪れることを心待ちにするという内容で、さまざまな理由で亡命せざるを得ず、欧米で自己のアイデンティティに苦悩する在外ベトナム人の心情に訴えかけ、世界的なヒット曲になりました。



Hello Vietnam



Bonjour Vietnam  ボンジュール・ヴェトナム
Pham Quynh Anh  ファム・クイン・アイン


Raconte-moi ce nom étrange et difficile à prononcer
Que je porte depuis que je suis née
Raconte-moi le vieil empire et le trait de mes yeux bridés
Qui disent mieux que moi ce que tu n'oses dire
Je ne sais de toi que des images de la guerre
Un film de Coppola, des hélicoptères en colère 注1

  私が生まれた時から持っている
  この奇妙で発音しにくい名前について語ってよ
  いにしえの帝国とあなたが言おうとしないことを私よりもうまく言える
  私の切れ長の目の特徴について語ってよ
  私はあなたのことを戦争の映像でしか知らない
  コッポラの映画や猛り狂うヘリコプターでしか

Pham Quynh Anh


{Refrain :}
Un jour, j'irai là-bas
Un jour, dire bonjour à ton âme
Un jour, j'irai là-bas
Te dire bonjour, Vietnam

  いつの日か、あそこに行って
  いつの日か、あなたの魂に挨拶するわ
  いつの日か、あそこに行って
  こんにちはヴェトナムとあなたに言うわ

Raconte-moi ma couleur, mes cheveux et mes petits pieds
Qui me portent depuis que je suis née
Raconte-moi ta maison, ta rue, raconte-moi cet inconnu
Les marchés flottants et les sampans de bois 注2
Je ne connais de mon pays que des photos de la guerre
Un film de Coppola, des hélicoptères en colère

  私の肌の色と髪と
  私が生まれた時から私を運んでいる小さな足について語ってよ
  あなたのところの家や通りのことを語って、私の知らない
  水上の市場と木造のサンパン舟のことを語って
  私はあなたのことを戦争の写真でしか知らない
  コッポラの映画や猛り狂うヘリコプターでしか

Bonjour Vietnam2


{Refrain}

Les temples et les Bouddhas de pierre pour mes pères
Les femmes courbées dans les rizières pour mes mères
Dans la prière, dans la lumière, revoir mes frères
Toucher mon arbre, mes racines, ma terre

  寺院や仏像は私の父たち
  水田で腰を曲げた女たちは私の母たち
  祈りのなかで、光のなかで、私の兄弟たちに再会する
  私の木に、私のルートに、私の土地に触れるわ

{Refrain}
Te dire bonjour, Vietnam

  こんにちはヴェトナムとあなたに言うわ

[注] 
1 un film de Coppola「コッポラの映画」とは、フランシス・フォード・コッポラFrancis Ford Coppola監督の「地獄の黙示録Apocalypse Now」(1979年。アメリカ)のことで、イギリスの小説家ジョゼフ・コンラッドJoseph Conradの、アフリカを舞台に西洋植民地主義の暗い側面を描写した小説「闇の奥Heart Of Darkness」(1902年)を原作に、物語の舞台をベトナム戦争に移して翻案された。
2 marché flottant「水上マーケット」メコンデルタ地方の随所に点在する、舟で物品の売買が行われる市場。sampan「サンパン舟」中国南部や東南アジアで使用される、平底の木造船の一種。


Bonjour Vietnam1




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2017
02.04

花はどうなったの?Que sont devenues les fleurs?

Dalida Que sont devenues les fleurs


前回、「花はどこへ行った?Where Have All the Flowers Gone?」のフランス語翻案曲「花はどこへ行った?Où vont les fleurs?」をご紹介しましたが、ダリダDalidaは1962年に、「花はどうなったの?Que sont devenues les fleurs?」というタイトルのもっとシンプルな別の歌詞で歌っています。こちらのフランス語歌詞は、「あとには何もないIl n'y a plus d'après」を作ったシンガー・ソングライターのギイ・ベアールGuy Béartによるものです。



Que sont devenues les fleurs?  花はどうなったの?
Dalida                 ダリダ


Que sont devenues les fleurs du temps qui passe
Que sont devenues les fleurs du temps passé
Les filles les ont coupé elles en ont fait des bouquets
Apprendrons-nous un jour apprendrons-nous jamais

  過ぎし日の花たちはどうなったのか
  過去の花たちはどうなったのか
  少女たちはそれを切り取って花束を作った
  私たちはある日分かるだろうか 私たちはけっして分からないだろうか

Que sont devenues les fleurs1


Que sont devenues les filles du temps qui passe
Que sont devenues les filles du temps passé
Elles ont donné leur bouquet aux gars qu'elles
rencontraient
Apprendrons-nous un jour apprendrons-nous jamais

  過ぎし日の少女たちはどうなったのか
  過去の少女たちはどうなったのか
  彼女たちは出会った少年たちに自分の花束をあげた
  私たちはある日分かるだろうか 私たちはけっして分からないだろうか

Que sont devenus les gars du temps qui passe
Que sont devenus les gars du temps passé
A la guerre ils sont allés à la guerre ils sont tombés
Apprendrons-nous un jour apprendrons-nous jamais

  過ぎし日の少年たちはどうなったのか
  過去の少年たちはどうなったのか
  戦争に彼らは戦争に行き彼らは斃れた
  私たちはある日分かるだろうか 私たちはけっして分からないだろうか

Que sont devenues les fleurs du temps qui passe
Que sont devenues les fleurs du temps passé
Sur les tombes elles ont poussé d'autres filles les vont
les couper
Apprendrons-nous un jour apprendrons-nous jamais

  過ぎし日の花たちはどうなったのか
  過去の花たちはどうなったのか
  墓の上に花たちは芽吹き、ほかの少女たちがそれを切り取る
  私たちはある日分かるだろうか 私たちはけっして分からないだろうか

Que sont devenues les fleurs5




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2017
02.03

あと90曲、あと100日ちょっと

今日で910曲となりました。あと90曲、このまま1日1曲続けていけば、5月4日に1000曲に達します。

5月27日のコンサートの曲目がほぼ決まり、少しずつ練習にエンジンがかかり始めました。
今月中に、会場の「ブレーメンハウス」で写真をとって来るつもりです。そしてフライヤーができてしまえばもう逃げられない!
ずっと先のような気がしていましたが、あと100日ちょっとです。
ブログの曲数が1曲ずつ増えると同時に1日ずつ近づいてくるわけです。

去年の5月から月に1度は3泊4日ほど伊豆高原に行って、掃除婦兼土方みたいなことをやっています。宇藤カザンが今、古い家と庭を改造してギャラリーとロック・ガーデンを自作していて、その手伝いなんです。こちらのカザンのブログをご覧ください。→《サロン・デ・フォンテーヌ&ギャラリー・カザン》

ここは東京より寒い高原地で、屋根や壁は工事中で、ガスも引いていなくて、小さな石油ストーブが1つあるだけで、家の中はほとんど外と同じ。日が暮れると寝るしかなくて夜明け前に目が覚めてしまいます。でも、パソコンがないのでプログもできない(ま、ここにいる日の分は予約投稿しておくのですが)。家の中を片付けながら明るくなるのを待って仕事を始めます。もとの壁のベニヤ板やタイルを剥がしたり、シャベルで土を掘ったり、石や木材を運んだり、雑草を抜いたりなどなど。ヨガで鍛えてきたので背筋力や脚力は男並みと自慢していましたが、正直言って相当こたえます。東京に帰った翌日はもうボロボロ…。

下の写真は、庭に穴を掘っているところ。地面の下は火山岩だらけで、それでカザンがロック・ガーデンを作るのですが、この場所を掘っていると下から水蒸気が出てきたのです。ちょっと匂いがあって暖かくて、早朝にははっきりと湯気が見えます。温泉が出てきたら一攫千金。でもそれには1キロも掘らなきゃ無理らしいから、この湯気をなにかに利用できるだけで満足するしかないでしょう。

nonnie3.jpg


このように、シャンソンを歌うこととは程遠い生活をしていますが、それがかえって私のエネルギーになって、今の目標にとってプラスになっていると感じます。がんばります!



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2017
02.03

花はどこへ行った?Où vont les fleurs?

Où vont les fleurs


反戦歌の代表のひとつとされる「花はどこへ行った?Where Have All the Flowers Gone?」は、1955年にピート・シーガーPete Seegerが作りました。ちょうど、ジュネーヴ協定(1954年)によってヴェトナムが南北に分断され、米国の軍事介入が本格的に始まった時期でした。そして1960年にジョー・ヒッカーソンJoe Hickersonが加筆し反戦歌としての色彩が鮮明になり、ヴェトナムへの派兵拡大政策をとるケネディ政権が発足した1961年にキングストン・トリオThe Kingston Trioが歌い、翌1962年にはピーター・ポール&マリーPeter, Paul and Maryが歌い、ヴェトナム戦争への反戦歌として広く知られるようになりました。日本語でも何人もの歌手に歌われています。
以前、「兵隊が戦争に行くときQuand un soldat」を取り上げたフランシス・ルマルクFrancis Lemarqueがルネ・ルゾーRené Rouzaudとともにがフランス語に翻案したOù vont les fleurs?をご紹介しましょう。1962年にジャクリーヌ・フランソワJacqueline Françoisが創唱。ルマルク本人やマレーネ・ディートリッヒMarlene Dietrich も歌っています。

原曲は、花はどこへ行った→少女たちが摘んだ→少女たちはどこへ行った→若い男たちのところへ行った→若い男たちはどこへ行った→兵士になって行った→兵士はどこへ行った→墓場に行ってしまった→墓場には花が咲いている→花を少女たちが摘む、という内容で、各段落の最後にOh, when will they ever learn?「ああ、いつになったら気づくのか?」とあります。つまり「繰り返される戦争、その愚かさにいつになったら人々は気づくのだろう?」ということです。フランス語の歌詞もほぼ同じ内容です。

ピーター・ポール&マリー



マレーネ・ディートリッヒ



フランシス・ルマルク



エヴァEvaという歌手の歌も人気があります。

Où vont les fleurs?  花はどこへ行った?
Francis Lemarque  フランシス・ルマルク


Qui peut dire où vont les fleurs 注1
Du temps qui passe
Qui peut dire où sont les fleurs
Du temps passé
Quand va la saison jolie
Les jeunes filles les ont cueillies
Qu'en saurons-nous un jour ? 注2
Quand saurons-nous ? Un jour…

  過ぎし日の
  花たちがどこへ行ったのか誰が教えてくれるの
  かつての
  花たちがどこへ行ったのか誰が教えてくれるの
  美しい季節が過ぎ行くとき、
  少女たちはそれを摘んだ
  それについていつの日か私たちは何が分かるの?
  私たちはいつ分かるの?いつの日か…

Où vont les fleurs1


Qui peut dire où vont les filles
Du temps qui passe
Qui peut dire où sont les filles
Du temps passé
Quand va le temps des chansons
Se sont données aux garçons
Qu'en saurons-nous un jour ?
Quand saurons-nous ? Un jour…

  過ぎし日の
  少女たちがどこへ行ったのか誰が教えてくれるの
  かつての
  少女たちがどこへ行ったのか誰が教えてくれるの
  ときは過ぎゆき、
  歌は少年たちに捧げられた
  それについていつの日か私たちに何が分かるの?
  私たちはいつ分かるの?いつの日か…

Mais où vont tous les garçons
Du temps qui passe
Mais où sont tous les garçons
Du temps passé
Lorsque le tambour roula
Se sont faits petits soldats
Qu'en saurons-nous un jour ?
Quand saurons-nous ? Un jour…

  だけど過ぎし日の
  少年たちはみんなどこへ行ったのか
  だけどかつての
  少年たちはみんなどこへ行ったのか
  太鼓が鳴り響いたとき
  小さな兵隊たちが生まれた
  それについていつの日か私たちに何が分かるの?
  私たちはいつ分かるの?いつの日か…

Où vont les fleurs2


Mais où vont tous les soldats
Du temps qui passe
Mais où sont tous les soldats
Du temps passé
Sont tombés dans les combats
Et couchés dessous leurs croix
Qu'en saurons-nous un jour ?
Quand saurons-nous ? Un jour…

  だけど過ぎし日の
  兵隊たちはみんなどこへ行ったのか
  だけどかつての
  兵隊たちはみんなどこへ行ったのか
  戦いに斃れて
  十字架の下に横たわった
  それについていつの日か私たちに何が分かるの?
  私たちはいつ分かるの?いつの日か…

Il est fait de tant de croix
Le temps qui passe
Il est fait de tant de croix
Le temps passé
Pauvres tombes de l'oubli
Les fleurs les ont envahis
Qu'en saurons-nous un jour ?
Quand saurons-nous ? Un jour…

  過ぎし日に
  たくさんの十字架が建てられた
  かつて
  たくさんの十字架が建てられた
  忘れられた哀れな墓たち
  花々がそれを満たす
  それについていつの日か私たちに何が分かるの?
  私たちはいつ分かるの?いつの日か…

Où vont les fleurs3


Qui peut dire où vont les fleurs
Du temps qui passe
Qui peut dire où sont les fleurs
Du temps passé
Sur les tombes du mois de mai
Les filles en font des bouquets
Qu'en saurons-nous un jour ?
Quand saurons-nous ? Jamais… 注3

  過ぎし日の
  花たちがどこへ行ったのか誰が教えてくれるの
  かつての
  花たちがどこへ行ったのか誰が教えてくれるの
  5月の墓の上で
  少女たちはそれで花束を作る
  それについていつの日か私たちに何が分かるの?
  私たちはいつ分かるの?いいえけっして…

[注]
1 pouvoir direは直訳すると「言うことができる」だが、「分かっていて、ひとに伝えることができる」という意味であり、「教えてくれる」と訳した。
2 en=de celà「それについて」。Qu'en pensez-vous ?「あなたはそれについてどう思いますか?」と同様。un jour「(未来の)いつか」。
3 これまではun jourとしていたが、最後はjamais「けっして」という強い否定語で終わる。すなわち、「分かることはけっしてない」。そして、おろかな戦争は今後も繰り返される。



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2017
02.02

飛行機はどこへ?Où s'en vont les avions?

Julien Clerc Où sen vont les avions


2008年にリリースされたジュリアン・クレールJulien Clercの21枚目のアルバム:Où s'en vont les avions ?は、バンジャマン・ビオレBenjamin Biolayとベネデイクト・シュミットBénédicte Schmittのプロデュースで、作曲は全曲クレール自身、歌詞はジェラール・デュゲ=グラセールGérard Duguet-Grasser、ジェラール・マンセGérard Manset、マキシム・ル・フォレステイエMaxime Le Forestier、David McNeil、Jean-Loup Dabadieジャン=ルー・ダバデイ、バンジャマン・ビオレBenjamin Biolay、カルラ・ブルーニCarla Bruniが提供。年齢を重ねたクレールの持ち味を出したユニークなアルバムです。収録された曲のうち、「石を散らしてDéranger les pièrres」は作詞したカルラ・ブルーニの曲としてすでに取り上げています。今回はアルバムのタイトルでもある「飛行機はどこへ?Où s'en vont les avions?」(ジェラール・デュゲ=グラセール作詩)をご紹介しましょう。子ども向けの詩のような歌詞でありながら、思うように行かない恋の行方を歌っているようです。



Où s'en vont les avions ?  飛行機はどこへ?
Julien Clerc          ジュリアン・クレール


{Refrain:}
Où s'en vont les avions
Quand ils s'en vont ?
Parfois, je crois qu'ils vont chez moi

  飛行機はどこへ行っちゃうんだろう
  飛んで行ったのち?
  時々、僕の家に来るのかなと思う

Où s'en vont les avions
Quand ils s'en vont
Et les amours quand elles reviennent ? 
Où va le vent quand tu t'en vas ?
Où va la pluie quand tu t'ennuies ?
Où s'en vont nos mains dans la nuit ?

  飛行機はどこへ行っちゃうんだろう
  飛んで行ったのち
  そして愛は、それが戻って来る時には?
  風はどこへ行くんだろう、君が行っちゃったら?
  雨はどこへ行くんだろう、君がうんざりしたら?
  夜、僕たちの手はどこへ行っちゃうんだろう?

{au Refrain}

avion2.jpg


Où s'en vont les avions
Quand ils s'en vont
Et les amours quand elles reviennent ?
Où va l'océan Pacifique ?
Où s'en va mon cœur si tu pleures ?
Où vont tous ces gens dans Paris ?

  飛行機はどこへ行っちゃうんだろう
  飛んで行ったのち
  そして愛は、それが戻って来る時には?
  太平洋はどこへ行くんだろう?
  僕の心はどこへ行っちゃうんだろう、君が泣いたら?
  この人々はみなパリのどこへ行くんだろう?

Où t'en vas-tu matelot
Quand les bateaux
S'en vont sur l'eau ?
Où vont tes rires ?
Où vont tes yeux perdus de bleu ?
Où va l'oiseau du paradis
Sans une ombre, sans un souci ?
Où va la vie si tu me quittes ?
Où va ton reflet dans la vitre
Qui me donne le mal du pays ?


  水夫の君はどこへ行っちゃうんだろう
  船が
  水の上を去って行ったのち?
  君の笑みはどこへ行くんだろう?
  君の輝きを失った眼はどこへ行くんだろう?
  楽園の小鳥はどこへ行くんだろう
  影をもたず、心配ごとももたず?
  もし君が僕から去ったら、人生はどこへ行くのだろう?
  僕に郷愁を呼び起こす
  ガラスに映る君の影はどこへ行くのだろう?

{au Refrain}

avion1.jpg


Où s'en vont les avions
Quand ils s'en vont
Et les amours quand elles reviennent ?

  飛行機はどこへ行っちゃうんだろう
  飛んで行ったのち?
  そして愛は、それが戻って来る時には?

[注] amourは単数形では男性名詞だが複数形では女性名詞として扱われることがあり、ellesはles amoursを指す。この行はOù s'en vontが省略されていると考えられる。



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2017
02.01

狂おしく愛すAimer à perdre la raison

Jean Ferrat Aimer à perdre la raison


今回は老年の恋あるいは生涯の恋。ジャン・フェラJean Ferratの「狂おしく愛すAimer à perdre la raison」です。以前ご紹介した「エルザの瞳Les yeux d'Elsa」と同様、詩人ルイ・アラゴンLouis Aragonの詩にフェラが曲をつけて歌っています。この詩は1963年の詩集「エルザに狂うLe Fou d'Elsa」の1篇で、この曲は1971年に同名のアルバムに収録。生涯の恋人エルザへの愛を歌ったもので、一途な愛がなにものにも打ち勝つ力を持っているという強いメッセージが込められています。



Aimer à perdre la raison  狂おしく愛す
Jean Ferrat          ジャン・フェラ
   

Aimer à perdre la raison 注1
Aimer à n'en savoir que dire
A n'avoir que toi d'horizon
Et ne connaître de saisons
Que par la douleur du partir
Aimer à perdre la raison

  正気をうしなうほどに愛す
  言葉をうしなうほどに愛す
  君しか目に入らないほどに
  そして去ることの苦しみによってしか
  季節が分からぬほどに
  正気をうしなうほどに愛す

Aimer à perdre la raison2


Ah c'est toujours toi que l'on blesse
C'est toujours ton miroir brisé
Mon pauvre bonheur, ma faiblesse
Toi qu'on insulte et qu'on délaisse
Dans toute chair martyrisée

  ああ、ひとが傷つけるのはいつも君だ
  いつも君の鏡は割れている
  僕のみじめな幸福、僕の弱さ
  君を、ひとは侮辱しなおざりにする
  全身を痛めつけて

Aimer à perdre la raison
Aimer à n'en savoir que dire
A n'avoir que toi d'horizon
Et ne connaître de saisons
Que par la douleur du partir
Aimer à perdre la raison

  正気をうしなうほどに愛す
  言葉をうしなうほどに愛す
  君しか目に入らないほどに
  そして去ることの苦しみによってしか
  季節が分からぬほどに
  正気をうしなうほどに愛す

Aimer à perdre la raison3


La faim, la fatigue et le froid
Toutes les misères du monde
C'est par mon amour que j'y crois
En elle je porte ma croix
Et de leurs nuits ma nuit se fonde 注2

  飢え、疲れ、そして寒さ
  世の中のすべての困苦
  愛ゆえに僕は信じる
  彼女のうちに僕はみずからの十字架を背負い
  それらの困苦の夜とぼくの夜とが溶け合う

Aimer à perdre la raison
Aimer à n'en savoir que dire
A n'avoir que toi d'horizon
Et ne connaître de saisons
Que par la douleur du partir
Aimer à perdre la raison

  正気をうしなうほどに愛す
  言葉をうしなうほどに愛す
  君しか目に入らないほどに
  そして去ることの苦しみによってしか
  季節が分からぬほどに
  正気をうしなうほど愛す

Aimer à perdre la raison1


[注]
1主語を欠いた不定詞のみの文は、不特定多数に対する命令、料理書などで手順を示すなどの場合があり、訳語は「…すること」といった名詞的表現か終止形で間に合う。タイトルを含め、この歌詞では隠された主語はJe(私)であり、感嘆の意味が含まれていると考えられるが、訳語は終止形にとどめた。
2 leursは、それに該当する複数形の名詞はles misèresしかない。




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