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2016
01.02

妖精La fée

Zaz Moi aussi jai une fée chez moi


ザーズZAZが歌っている「妖精La fée」は、歌手のラファエルRaphaël(ラファエル・アローシュRaphaël Haroche)が作った曲で、2010年のファーストアルバム:ZAZに収録されています。歌詞の最初のフレーズから「うちにも妖精がいるMoi aussi j'ai une fée chez moi」とも呼ばれ、自分の家に妖精を飼っているといった内容です。その「妖精」が何のメタファーなのかと問えば、いろんな答えがあり得るでしょう。ある人はおばあちゃんじゃないかと、またある人は自分の分身かなと、いやメタファーじゃなくて本物だという人も…。皆さんも考えてみてください。

ラファエル



ザーズ



La fée  妖精
ZAZ   ザーズ


Moi aussi j'ai une fée chez moi
Sur les gouttières ruisselantes
Je l'ai trouvée sur un toit
Dans sa traîne brûlante
C'était un matin, ça sentait le café
Tout était recouvert de givre
Elle s'était cachée sous un livre
Et la Lune finissait ivre 注1

  うちにも妖精がいる
  水の流れる樋の上に
  わたしは彼女を屋根の上で見つけた
  燃える裳裾に包まれているのを
  ある朝のこと、コーヒーの香りが漂い
  すべてが霜で覆われていた
  彼女は本の下に隠れていた
  そして月は酔っぱらってしまっていた

Moi aussi jai une fée chez moi 1


Moi aussi j'ai une fée chez moi
Et sa traîne est brûlée
Elle doit bien savoir qu'elle ne peut pas
Ne pourra jamais plus voler
D'autres ont essayé avant elle
Avant toi, une autre était là
Je l'ai trouvée repliée sous ses ailes
Et j'ai cru qu'elle avait froid

  うちにも妖精がいる
  そして彼女の裳裾は燃えてしまった
  彼女はもうできないって分かっているはず
  けっしてもう飛ぶことができないって
  ほかの妖精たちも彼女よりも前に飛ぼうと試みた
  あなた以前に、ほかの妖精がいたのよ
  わたしはその彼女が翼の下に身を縮めているのを見つけた
  そしてわたしは彼女はきっと寒いのだと思った

Moi aussi j'ai une fée chez moi
Depuis mes étagères, elle regarde en l'air 注2
La télévision en pensant 注3
Que dehors c'est la guerre
Elle lit des périodiques divers
Et reste à la maison
A la fenêtre, comptant les heures
A la fenêtre, comptant les heures

  うちにも妖精がいる
  わたしの飾り棚から、彼女はぼーっとテレビを見ていた
  外では戦争が起こっているんだと
  考えながら
  彼女はいくつかの雑誌を読み
  そして家にとどまる
  窓辺で、時を数えながら
  窓辺で、時を数えながら

Moi aussi jai une fée chez moi 2


Moi aussi j'ai une fée chez moi
Et lorsque qu'elle prend son déjeuner
Elle fait un bruit avec ses ailes grillées
Et je sais bien qu'elle est déréglée
Mais je préfère l'embrasser 注4
Ou la tenir entre mes doigts

  うちにも妖精がいる
  そして彼女が朝食を食べるとき
  彼女は焼け焦げた羽で音を立てる
  そしてわたしはよくわかっている 彼女は具合が悪いって
  でもわたしはむしろ彼女にキスしたい
  あるいは指でつまみたい

Moi aussi j'ai une fée chez moi
Qui voudrait voler, mais ne le peut pas

  うちにも妖精がいる
  その妖精は飛びたい、だけど飛べない

[注]
1 finir「(…で)終わる、(…に)なる」の意味で、結果の状態を表す表現。
2 regarder en l'air本来は「(空を、空中を)見上げる」という表現だが、棚の上からなので、見下ろすという位置関係。「ぼーっと見る」という意味合いだろう。
3 テレビの映像を現在の実際の状況だと思っている。
4 embrasser:辞書には「キスする」と「抱きしめる」の選択肢が記載されているが、近年はもっぱら「キスする」の意味で用いられる。




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2016
01.01

ペペPépée

Léo Ferré Cest extra


レオ・フェレLéo Ferréは田舎に城を買って、マドレーヌ夫人とともに、いろんな種類の動物たちを飼って生活していました。1968年の5月革命前夜、ふたりの仲が悪くなってフェレが別の女性のところに行ってしまい、憤った夫人は飼っていたすべての動物を射殺させました。特に大事にしていたチンパンジーの死を悼んで書いた曲がこの「ペペPépée」。悲しい歌です。先にご紹介した「それは最高だC'est extra」と同様、アルバムL'Été 68に収録されています。



Pépée    ペペ
Léo Ferré  レオ・フェレ


T´avais les mains comm´ des raquettes
Pépée
Et quand j´te f´sais les ongles 注1
J´voyais des fleurs dans ta barbiche
T´avais les oreill´s de Gainsbourg 注2
Mais toi t´avais pas besoin d´scotch 注3
Pour les r´plier la nuit
Tandis que lui... ben oui!
Pépée Pépée Pépée

  君はラケットのような手をしていた
  ペペ
  そして僕が君の爪を切るとき
  君の顎髭のなかに花々が見えた
  君はゲンズブールのような耳をしていた
  だが君、君は夜にその耳を閉じるのに
  スコッチ・テープは必要なかった
  ゲンズブールのほうは(スコッチを飲む必要が)…そうさあったが!
  ペペ ペペ ペペ

Pépée3


T´avais les yeux comm´ des lucarnes
Pépée
Comme on en voit dans l´port d´Anvers
Quand les marins ont l´âme verte
Et qu´il leur faut des yeux d´rechange
Pour regarder la nuit des autres
Comme on r´gardait un chimpanzé
Chez les Ferré
Pépée Pépée Pépée
Pépée1
  アントワープの港で
  水夫たちがみずみずしい心を持っているときに
  見られるような
  天窓みたいな目を君はしていた
  ペペ
  そして彼らにはまた別の目が必要だ
  フェレの家で
  ひとが1匹のチンパンジーを見たように
  夜にほかの者たちを見るためには
  ペペ ペペ ペペ

T´avais le cœur comme un tambour
Pépée
De ceux qu´on voil´ le vendredi saint
Vers les trois heures après midi
Pour regarder Jésus-machin 注4
Souffler sur ses trent´-trois bougies
Tandis que toi t´en avais qu´huit
Le sept avril
De soixante-huit
Pépée Pépée

  君は太鼓のような胸をしていた
  ペペ
  聖なる金曜日に
  午後3時ごろに毎回
  某イエスが
  その齢の33のロウソクを吹き消すのを見るために
  人々が胸をふくらませる、そんな太鼓のような胸を
  君は8つしか歳をとっていないというのに
  68年の
  4月7日に
  ペペ ペペ

Pépée2


J´voudrais avoir les mains d´la mort
Pépée
Et puis les yeux et puis le cœur
Et m´en venir coucher chez toi
Ça chang´rait rien à mon décor 注5
On couch´ toujours avec des morts
Pépée Pépée

  僕は死んだ者の手を取りたい
  ペペ
  そして目をそれから胸を
  そして君のもとで横たわりたい
  このことは僕の生活をなんら変えやしないが
  ひとはつねに死んだものたちと褥をともにする
  ペペ ペペ

[注]
1 faire les ongles「爪を切る」
2 Serge Gainsbourg「セルジュ・ゲンズブール」
3 scotch「スコッチ・ウィスキー」と「スコッチ・テープ、セロハン・テープ」の両方をかけている。
4 machin「何とかいう人(物)」。人や物の名前を具体的にあげずに言うときに用いる。ここではイエスの名のあとに付けて、ぼやかした表現にしている。イエスがロウソクを吹き消すという想定の儀式で、実際は信者たちが吹き消すので、そのため、息を吸い込んで胸を太鼓のように膨らませるということかと思われる。イエスが享年33歳だったらしいが、ペペがまだ8歳だったということを対比させている。
4ペペの死は生活上の表立った変化はなんらもたらさない。しかしながら精神的にはたいへん重大な事件だったのである。
6 onを用いた一般化した表現のようだが、des mortsと複数になっているのは、ペペといっしょに殺されたほかの動物たちも含めているのだろう。




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