2017
05.05

孤独の島Une île

Serge Lama Et puis on saperçoit


1000曲で終わるわけではありません。1001曲目です。ペースはガクッと落ちますが今後も訳し続けます。

5月5日は、ナポレオン1世Napoléon Bonaparteの命日。ナポレオン1世は、ワーテルローの戦いでイギリス・プロイセンの連合軍に敗れ、イギリスの軍艦に投降し、イギリス政府は、1815年に彼を南大西洋の孤島セントヘレナ島Sainte-Hélèneに幽閉しました。そしてナポレオンは1821年に死亡するまで島中央のロングウッド・ハウスに暮らしました。
セルジュ・ラマSerge Lamaの「孤独の島Une île」(作詞:セルジュ・ラマ、作曲:イヴ・ジルベールYves Gilbert)は、この島のことを歌っている曲。いえ、ナポレオンに感情移入しつつ自分の心情を歌っている曲です。「孤独の島」という邦題が付けられていますが、孤独なのは島ではなく、孤島で自らの運命と向き合う自分。最後には女性名詞のîle(島)が、別れた女性と重なります。「ひとつの島」という意味の原題のUne îleはその単純さゆえに奥深いものです。

この曲は1969年のユーロヴィジョン・コンクールのフランス代表の候補となりましたが、選ばれず、フリーダ・ボッカーラFrida Boccaraの「リラの季節Un jour, un enfant」が代表となりました。この曲は1970年のアルバム:Et puis on s'aperçoitに収録されました。



Une île   孤独の島
Serge Lama セルジュ・ラマ


Une île, entre le ciel et l'eau
Une île sans hommes ni bateaux
Inculte, un peu comme une insulte
Sauvage, sans espoir de voyage
Une île, une île, entre le ciel et l'eau

 ひとつの島、空と海のあいだの
 人もいない船も無いひとつの島
 無骨で、ちょっと人を侮辱するかのような
 荒涼として、訪れる望みも叶わない
 ひとつの島、ひとつの島、空と海のあいだの

Ce serait là, face à la mer immense 注1
Là, sans espoir d'espérance
Tout seul face à ma destinée
Plus seul qu'au cœur d'une forêt
Ce serait là, dans ma propre défaite
Tout seul sans espoir de conquête
Que je saurais enfin pourquoi
Je t'ai quittée, moi qui n'aime que toi

 それはそこでのことだろう、広大な海に面したところ
 そこで、何の希望も叶わず
 まったく孤独にわが定めと向き合って
 森のまんなかにいるよりもっと孤独に
 それはそこでのことだろう、私自身の敗北のなかで
 征服の望みもなくまったく孤独に
 僕が、君しか愛さないこの僕が、君のもとを去ったのは
 なぜなのか知るのは

Une île1


Une île, comme une cible d'or
Tranquille, comme un enfant qui dort
Fidèle, à en mourir pour elle
Cruelle, à force d'être belle 注2
Une île, une île, comme un enfant qui dort

 ひとつの島、黄金のマトのような
 眠る子どものように静かな
 そのために死にたいほど貞淑な
 美しすぎるがゆえに、冷酷な
 ひとつの島、ひとつの島、眠る子どものような

Ce serait là, face à la mer immense
Là, pour venger mes vengeances
Tout seul avec mes souvenirs
Plus seul qu'au moment de mourir
Ce serait là, au cœur de Sainte-Hélène
Sans joie, sans amour et sans haine
Que je saurais enfin pourquoi
Je t'ai quittée, moi qui n'aime que toi

 それはそこでのことだろう、広大な海に面したところ
 そこで、私の恨みを晴らすために
 まったく孤独に想い出を抱いて
 いまわの際もっと孤独に
 それはそこでのことだろう、セント=ヘレナ島のなか
 喜びも無く、愛も無く、憎悪も無く
 僕が、君しか愛さないこの僕が、君のもとを去ったのは
 なぜなのか知るのは

Une île2


Une île, entre le ciel et l'eau
Une île sans hommes ni bateaux
Inculte, un peu comme une insulte
Sauvage, sans espoir de voyage
Une île, cette île, mon île, c'est toi

 ひとつの島、空と海のあいだの
 人もいない船も無いひとつの島
 無骨で、ちょっと人を侮辱するかのような
 荒涼として、訪れる望みも叶わない
 ひとつの島、この島、僕の島、それは君だ

[注]
1 Ce serait làが2回繰り返され、そのceはQue je saurais…につながる。
2 à force de「…過ぎて」




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2017
05.04

金色の麦の穂の歌La chanson des blés d'or

Jack Lantier La chanson des blés dor


1000曲目はシャンソンの古典ともいえるこの曲、「金色の麦の穂の歌La chanson des blés d'or」です。作詞:カミーユ・スービズCamille Soubise とL・ル=メトルL. Le Maître、作曲:フレデリック・ドリアFrédéric Doria。1882年にMarius Richardが創唱しました。そしてその後、多くの歌手が歌いましたが、比較的新しいところでは、ジャック・ランティエJack Lantier(Jacques Lantier)が歌い、1973年のアルバム:Femmes, que vous êtes joliesに収録されています。また、1982年には、ケベックのシンガー・ソングライター、ファビエンヌ・チボーFabienne Thibeaultが歌っています。

ジャック・ランティエ

 

ファビエンヌ・チボー



La chanson des bles d'or  金色の麦の穂の歌
Jack Lantier          ジャック・ランティエ


Mignonne, quand la lune éclaire 注1
La plaine aux bruits mélodieux,
Lorsque l'étoile du mystère
Revient sourire aux amoureux,
As-tu parfois sur la colline,
Parmi les souffles caressants,
Entendu la chanson divine
Que chantent les blés frémissants ?

 可愛い人よ、月が輝くとき
 野原には美しい音色が聞こえ、
 神秘的な星が
 恋人たちにまた微笑み始めたとき、
 君は時おり丘の上で、
 甘い吐息の合間に、
 震える麦たちの歌う
 神々しい歌を聞いただろう?

La chanson des bles dor2


Mignonne, quand le soir descendra sur la terre,
Et que le rossignol viendra chanter encore,
Quand le vent soufflera sur la verte bruyère,
Nous irons écouter la chanson des blés d'or !
Nous irons écouter la chanson des blés d'or !

 可愛い人よ、宵闇が地上に降りるとき、
 ナイチンゲールが来て再び歌うとき、
 風が緑のヒースの上に吹くとき、
 金色の麦の歌を聞きに行こうよ!
 金色の麦の歌を聞きに行こうよ!

As-tu parfois sous la ramure,
A l'heure où chantent les épis,
Ecouté leur joyeux murmure
Au bord des vallons assoupis ?
Connais-tu cette voix profonde,
Qui revient, au déclin du jour,
Chanter parmi la moisson blonde
Des refrains palpitants d'amour ?

 君は時おり聞いただろう、枝の下で、
 穂たちが歌をうたうとき、
 まどろむ谷の縁での
 彼らの楽しげな呟きを?
 君は知っていたかい、
 陽が沈むときに
 金色の収穫物のあいだで
 恋にときめく歌をまた
 歌い始めるこの深い声を?

La chanson des bles dor3


Mignonne, quand le soir descendra sur la terre,
Et que le rossignol viendra chanter encore,
Quand le vent soufflera sur la verte bruyère,
Nous irons écouter la chanson des blés d'or !
Nous irons écouter la chanson des blés d'or !

 可愛い人よ、宵闇が地上に降りて来たら、
 ナイチンゲールがまた歌い始めたら、
 風が緑のヒースの上に吹いたら、
 金色の麦の歌を聞きに行こうよ!
 金色の麦の歌を聞きに行こうよ!

Mignonne, allons à la nuit close 注2
Rêver aux chansons du printemps
Pendant que des parfums de rose
Viendront embaumer nos vingt ans !
Aimons sous les rameaux superbes, 注3
Car la nature aura toujours
Du soleil pour dorer les gerbes
Et des roses pour nos amours !

 可愛い人よ、すっかり夜になったら
 春の歌を夢見に行こうよ
 バラの香りが
 僕たちの青春を芳しくしてくれるあいだ!
 みごとな枝の下で愛し合おう、
 だって自然にはいつでも
 麦の束を金色に染める太陽と
 僕たちの愛のためのバラがあるだろうから!

[注]
1 mignonneはmignonの女性形で、女の子や女性に対する愛情語。これにより男性の立場の歌詞と特定される。
2 à la nuit close「すっかり夜になって」
3 aimerは他動詞だが目的語がなく、「愛を営む」といった意味だが、代名動詞s’aimerと同様に「愛し合う」と訳した。




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2017
05.03

ブルージーンと革ジャンパーEn blues jeans et blouson de cuir

Adamo En blues Jeans et blouson de cuir


この曲を忘れていました。999曲目として取り上げましょう。サルヴァトーレ・アダモ Salvatore Adamoの「ブルージーンと革ジャンパーEn blues jeans et blouson de cuir」(1963年)です。



En blues jeans et blouson de cuir ブル-ジーンと革ジャンパー
Adamo                  アダモ


En blue jeans et blouson d'cuir
Tu vas rejoindre les copains
Si tu n'vas pas qu'est c'qu'ils vont dire
Quand tu les verras demain

 ブルージーンと革ジャンで
 君は仲間たちと落ち合おうとしいる
 もし行かなかったら彼らはなんと言うだろうか
 明日会ったときに

En blue jeans et blouson d'cuir
Tu te crois en liberté
On ne pourrait te contredire
Ça blesserait ta dignité

 ブルージーンと革ジャンで
 君は自分が自由だと信じているが
 ひとはそうは思わないかもしれないよ
 それって君の自尊心を傷つけるだろうが

En blues Jeans et blouson de cuir4


En blue jeans et blouson d'cuir
Tu taquines les jupons
Vise-moi donc ça quelle allure ! 注1
T'as une affiche au pantalon ! 注2

 ブルージーンと革ジャンで
 女の子たちをからかおうとしているけど
 まぁ見ろよ、なんて格好なんだ!
 君はズボンに広告をくっつけてるよ!

Tu n'es pas mauvais garçon
Un p'tit rien te fait rougir
Vas profites de la leçon
T'es pas fait pour jouer les durs 注3

 君は悪いやつじゃない
 なんでもないことで顔を赤らめる
 まぁ教訓を活かすことだね
 君は硬派を気取るのには向いてないよ

Tes blue jeans, ton blouson d'cuir
Tu les prends pour bouclier
Contre une vie qu'tu voudrais fuir
Parce qu'elle t'oblige à t'humilier

 君のブルージーン、君の革ジャン
 君はそれを盾にしてるのさ
 逃げたいと願っている人生に対して
 その人生は君をへりくだらせるよう強いるからね

En blues Jeans et blouson de cuir6


En blue jeans et blouson d'cuir
Tu taquines les jupons
Vise-moi donc ça quelle allure !
T'as une affiche au pantalon !

 ブルージーンと革ジャンで
 女の子たちをからかおうとしているけど
 こっち見ろよ、なぁ、なんて格好なんだ!
 君はズボンに広告をくっつけてるよ!

Tu n'es pas mauvais garçon
Un p'tit rien te fait rougir
Vas profites de la leçon
T'es pas fait pour jouer les durs
T'es pas fait pour jouer les durs
T'es pas fait pour jouer les durs

 君は悪いやつじゃない
 なんでもないことで顔を赤らめる
 まぁ教訓を活かすことだね
 君は硬派を気取るのには向いてないよ
 君は硬派を気取るのには向いてないよ
 君は硬派を気取るのには向いてないよ

[注]
1 viser「ねらう」は俗語ではただ「見る」の意味。Vise-moiは「こっちを見ろ」と注意を喚起しているのだろう。
2 avoir une affiche au pantalon「ズボンに広告を付けている」というのは、リーバイスLevi’sなどのブランド名がジーンズに付いていることをいうのだろう。なお、「ズボン」の意味でpantalonを複数形にするのは昔のこと。
3 les durs「硬派、タカ派」。「軟派、ハト派」はles mous。




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2017
05.02

なつかしいレストランLe doux caboulot

Francis Carco Le doux caboulot


詩人フランシス・カルコFrancis Carco(1886-1958。別名:ジャン・エギュイエールJean d'Aiguières)の詩を歌詞とした「なつかしいレストランLe doux caboulot」(1931 年。作曲:ジャック・ラルマンジャJacques Larmanjat)は、たいへん多くの歌手に歌われている、シャンソンの古典のひとつです。

フランシス・カルコ自身が1952年に「ラパン・アジールAu Lapin agile」で歌っています。



マリー・デュバMarie Dubasモニック・モレリMonique Morelliリュシエンヌ・ボワイエLucienne Boyer は、クリックして開いてください。

イヴ・モンタンYves Montand



ジュリエット・グレコJuliette Greco



Le doux caboulot なつかしいレストラン
Francis Carco   フランシス・カルコ


Le doux caboulot
Fleuri sous les branches
Est tous les dimanches
Plein de populo.

 枝々の下で花盛りの
 居心地いい居酒屋は
 日曜日はいつも
 人でいっぱい。

Le doux caboulot2


La servante est brune,
Que de gens heureux
Chacun sa chacune,
L'une et l'un font deux.

 酌取りむすめは栗色の髪、
 みんななんとしあわせなんだ
 それぞれが自分の恋人と、
 彼女と彼氏はカップルだ。

Amoureux épris du culte d'eux-mêmes.
Ah sûr que l'on s'aime,
Et que l'on est gris.

 恋する男は自分たちの恋に夢中。
 ああ、本当に僕たちは愛し合ってるよ、
 そして本当に僕たちはメロメロだよ。

Le doux caboulot1


Ça durera bien le temps nécessaire
Pour que Jeanne et Pierre
Ne regrettent rien.

 ジャンヌとピエールが
 なんにも悔やんだりしないために
 しかるべき間、これは続くのさ。



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2017
05.01

サ・イラ!Ah, ça ira !

Édith Piaf Ah, ça ira


「サ・イラ!Ah, ça ira !」はフランス革命を象徴する革命歌のひとつです。最初に歌われたとされる1790年5月から革命後期に至るまで、いくつかの変化を経て、今日知られるものとなりました。
原曲は「ル・カリヨン・ナショナルLe carillon national」という、人気のあったコントルダンス舞曲で、テアトル・ボージョレーthéâtre des Beaujolaisのバイオリン奏者のベクールBécourtが作曲。王妃マリー・アントワネットMarie-Antoinetteも、しばしばクラブサンで演奏したと言われています。これに兵士出身の辻歌手ラドレLadréが自作の歌詞をつけました。
大陸会議の代表としてフランスで大変人気のあったベンジャミン・フランクリンBenjamin Franklinは、アメリカ独立戦争について尋ねられるといつも、いささか怪しいフランス語でÇa ira, ça ira「うまく行くよ」と答えたそうで、この曲の題名と反復句は、それから生まれたとか。
この歌は、革命1周年の祭典「全国連盟祭Fête de la Fédération」の前に、祭典のためにこぞって手押し車を押して会場設営に励んだという「手押し車の日Journée des brouettes」の期間に大いに広まりました。
フランス革命の後期には、サン・キュロットles Sans-culottes(フランス革命の推進力となった社会階層)によって歌詞がより過激なものに変化しました。オリジナル版は、貴族や聖職者の支配を排除し民衆の正義を実現する内容でしたが、サン・キュロット版においては、貴族や聖職者の処刑をはっきりと求め叫ぶ内容となったのです。
その後、この歌は恐怖政治の時代ののちも生き残り、総裁政府(1795年-1799年)にはショーの前に歌うことが義務づけられましたが、執政政府(1799年-1804年)には逆に禁じられました。



そして20世紀に、サッシャ・ギトリーSacha Guitryの1954年の映画:Si Versailles m'était conté(もしもヴェルサイユが私に語ったなら)の主題歌として、サン・キュロット版に近い内容の歌詞でエディット・ピアフÉdith Piafが歌いました。ルフランの部分は私には八百屋さんか魚屋さんが「らっしゃい、らっしゃい」と言っているみたいに聞こえます…。

映画のシーン。ピアフはヴェルサイユ宮殿の門によじ登って歌っています。



Ah, ça ira !  サ・イラ!
Édith Piaf  エディット・ピアフ


{Refrain:}
Ah! Ça ira! Ça ira! Ça ira!
Les aristocrates à la lanterne
Ah! Ça ira! Ça ira! Ça ira!
Les aristocrates, on les pendra!

 ああ!うまく行く!うまく行く!うまく行くよ!
 貴族たちを街灯に吊るせ!
 ああ!うまく行く!うまく行く!うまく行くよ!
 貴族たち、俺たちはやつらを縛り首にするぞ!

Trois cents ans qu'ils nous promettent
Qu'on va nous accorder du pain.
Voilà trois cents ans qu'ils donnent des fêtes
Et qu'ils entretiennent des catins!
Voilà trois cents ans qu'on nous écrase
Assez de mensonges et de phrases!
On ne veut plus mourir de faim!!!

 300年のあいだ、やつらは俺たちに約束した
 俺たちにパンをくれると
 じっさい300年のあいだ、やつらは浮かれ騒ぎ
 妾たちを囲っていたんだ!
 じっさい300年のあいだやつらは俺たちを苦しめた
 ウソやごたくはたくさんだ!
 もう飢えで死にたくない!!!

{Refrain}

Ah, ça ira2


Voilà trois cents ans qu'ils font la guerre
Au son des fifres et des tambours
En nous laissant crever de misère.
Ça ne pouvait pas durer toujours...
Voilà trois cent ans qu'ils prennent nos hommes
Qu'ils nous traitent comme des bêtes de somme. 注1
Ça ne pouvait pas durer toujours!

 じっさい300年のあいだ、やつらは戦争をした
 笛や太鼓を鳴らして
 俺たちを貧困で瀕死の状態にしたまま。
 そんなことがずっと続くわけがない…
 じっさい300年のあいだやつらは俺たちの仲間を従属させ
 俺たちを馬車馬のように酷使した
 そんなことがずっと続くわけがない!

{Refrain}

Ah, ça ira1


Le châtiment pour vous s'apprête
Car le peuple reprend ses droits.
Vous vous êtes bien payé nos têtes, 注2
C'en est fini, messieurs les rois!
Il faut plus compter sur les nôtres: 注3
On va s'offrir maintenant les vôtres,
Car c'est nous qui faisons la loi!...

 お前たちの懲罰が準備された
 人々が自分たちの権利を取り戻すのさ
 お前たちはよくも俺たちをバカにしてくれたな、
 そんなことはおしまいさ、王様たちよ!
 俺たちの持ち物をもう当てにしちゃダメさ
 お前たちの持ち物を

{Refrain plusieurs fois}

[注]
1 bêtes de somme「駄獣、荷物運搬用動物」
2 se payer la tête de qn.「…を公然とばかにする」
3 les nôtresは2行前のnos têtes。têteは「人間」「」



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2017
04.30

男L'homme

Léo Ferré Le piano du pauvre


今回はレオ・フェレLéo Ferréの「男L'homme」。「野郎」というタイトルでも呼ばれています。1954年のアルバム:Le Piano du pauvreに収録されています。「貧乏人のピアノLe piano du pauvre」は先にご紹介しています。カトリーヌ・ソヴァージュCatherine Sauvageが同年歌い、ACCディスク大賞を受賞。

レオ・フェレ


カトリーヌ・ソヴァージュCatherine Sauvage


L'homme  男
Léo Ferré  レオ・フェレ


Veste à carreaux ou bien smoking 注1
Un portefeuille dans la tête
Chemise en soie pour les meetings
Déjà voûté par les courbettes
La pag' des sports pour les poumons
Les faits divers que l'on mâchonne 注2
Le poker d'as pour l'émotion 注3
Le jeu de dame avec la bonne 注4
C'est l'homme

 チェック柄の上着かタキシード
 頭んなかに財布
 ミーティングのためのシルクのシャツ
 ペコペコするせいですでに猫背
 肺機能のためのスポーツ欄
 みんながモゴモゴと話題にする三面記事
 興奮のためのエース・ポーカー
 メードとのチェッカー・ゲーム
 それが男というものさ

Lhomme1.jpg


Le poil sérieux l'âge de raison 注5
Le cœur mangé par la cervelle
Du talent pour les additions
L'œil agrippé sur les pucelles
La chasse à courre chez Bertrand 注6
Le dada au Bois de Boulogne 注7
Deux ou trois coups pour le faisan
Et le reste pour l'amazone 注8
C'est l'homme

 しかめっつらしい髭 分別ある年齢さ
 脳に冒された心
 勘定の才
 生娘たちに貼り付く目
 ベルトランの店でハントして
 ブーローニュの森で馬に乗り
 キジに向かって2,3発
 残りは馬上のご婦人に
 それが男というものさ

Les cinq à sept " pas vu pas pris " 注9
La romance qui tourne à vide 注10
Le sens du devoir accompli
Et le cœur en celluloïde 注11
Les alcôves de chez Barbès 注12
Aux secrets de Polichinelle 注13
L'amour qu'on prend comme un express
Alors qu'ell' veut fair' la vaisselle
C'est l'homme

 5時から7時までは「バレなきゃ捕まらない」
 恋唄はから回り
 務めを果たし終えた気分で
 心はセルロイド製
 バルベの店の小部屋
 バレバレの秘密の場所で
 急行列車に乗るがごとき情事
 そのあと女は皿洗いを要求
 それが男というものさ

Le héros qui part le matin
A l'autobus de l'aventure
Et qui revient après l'turbin
Avec de vagues courbatures
La triste cloche de l'ennui
Qui sonne comme un téléphone
Le chien qu'on prend comme un ami
Quand il ne reste plus personne
C'est l'homme

 アヴァンチュールのバスに乗り
 ヒーロー氏は朝にお出かけ
 そしてひと仕事を終えてお帰り
 ちょっとしただるさとともに
 倦怠の物悲しい鐘の音が
 電話のベルのように響く
 もう誰もいなくなったとき
 犬を友とする
 それが男というものさ

Lhomme2.jpg


Les tempes grises vers la fin
Les souvenirs qu'on raccommode
Avec de vieux bouts de satin
Et des photos sur la commode
Les mots d'amour rafistolés
La main chercheuse qui voyage
Pour descendre au prochain arrêt
Le jardinier d'la fleur de l'âge 注14
C'est l'homme

 終末に向かいこめかみは白髪混じり
 古いサテンの切れ端で
 繕った想い出
 箪笥の上の写真
 繕った愛の言葉
 次なる停泊地で下りようと
 さまよう探険家の手
 人生花盛りの庭師
 それが男というものさ

Le va-t-en-guerre, y faut y aller 注15
Qui bouff' de la géographie
Avec des cocardes en papier
Et des tonnes de mélancolie 注16
Du goût pour la démocratie
Du sentiment à la pochette
Le complexe de panoplie
Que l'on guérit à la buvette
C'est l'homme

 かけ声だけ勇ましい奴、それ行けと
 地理にパクつく
 紙の帽章をつけて
 山ほどの憂鬱と
 デモクラシー嗜好と
 感情をポシェットに
 鎧兜へのコンプレックスは
 飲み屋で癒される
 それが男というものさ

L'inconnu qui salue bien bas
Les lents et douloureux cortèges
Et qui ne se rappelle pas
Qu'il a soixante-quinze berges 注17
L'individu morne et glacé
Qui gît bien loin des mandolines
Et qui se dépêche à bouffer
Les pissenlits par la racine
C'est l'homme

 ゆっくりと進む陰鬱な行列に
 深くお辞儀をする誰かさん
 そいつは思い出さない
 自分が75歳だということを
 陰気で冷淡な人間
 マンドリンの音色からは遠く離れ
 急いで向かうは
 草葉の陰
 それが男というものさ

Lhomme3.jpg


[注]
1 smoking「タキシード(の上着)」英語のsmoking jacket(もともとはくつろぐために「喫煙服」)由来。
2 faits divers「(新聞の)三面記事」
3 poker d'as「エースのフォーカード」
4 jeu de dame(s)「ボードゲームのチェッカー、西洋碁」
5 l'âge de raisonは本来「物心のつく年頃」すなわち7歳ごろを言うが、ここでは、大人。
6 chasse à courre「猟犬を使い騎馬でおこなう狩猟」で、ナンパすることを示す。chez Bertrand「ベルトランの店」は不特定のバーかなにか。
7 dada幼児語で「お馬」
8 amazoneギリシャ神話のAmazones「アマゾネス」から「乗馬夫人」の意味。「自動車で客引きする売春婦」もいう。
9 pas vu, pas pris「悪いことをしても、人に見られなければ捕えられない。」「私の兵隊さんMon légionnaire」http://chantefable2.blog.fc2.com/blog-entry-144.htmlに出てくる。
10 romanceいわゆる「ロマンス」ではなく、「恋の歌」のこと。「ロマンス(恋歌)Romance」http://chantefable2.blog.fc2.com/blog-entry-275.html参照。tourne à vide「から回りする」。
11 en celluloïde「セルロイド製の」心をそう表現しているのは、燃えやすいというセルロイドの特性を言うのであろう。
12 alcôveもとは「寝台を納めるための凹所」で「閨房、房事」また「17世紀の才女の寝室サロン」をもいう。
13 secrets de Polichinelle「公然の秘密」
14 la fleur de l'âge「人生の(若い)盛り」
15 va-t-en-guerre「かけ声だけ勇ましい、好戦的な」
16 des tonnes de「莫大な量の、すごくたくさんの」
17 berge「…歳」
18 bouffer les pissenlits par la racine=manger des pissenlits par la racine「タンポポの根をかじる」は「草葉の陰に眠る」の意味。



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2017
04.29

初日の夜Soir de Première

Betty Mars Soir de Première


私のロシアンカフェMon café russe」をご紹介したベティ・マルスBetty Marsの曲をもう1曲。「初日の夜Soir de Première」です。1974年。作詞:パスカル・セヴランPascal Sevran、作曲:パスカル・オーリアPascal Auriat。



Soir de Première 初日の夜
Betty Mars     ベティー・マルス


C'était un grand soir de première
Y avait du monde plein à craquer 注1
Quand on a éteint la lumière
Et que le rideau s'est levé
Vous êtes apparu sur la scène
Monsieur, comme vous étiez beau !
C'est mon cœur qui a fait des siennes 注2
Quand j'ai entendu les bravos

 それは初日の夜だった
 照明が消され
 幕が上ったとき
 客席にはあふれるばかりに人がいた
 あなたはステージに現れた
 ムッシュ、なんとあなたは美しいの!
 ブラボーの歓声を聞いたとき
 私の心はあいかわらず浮ついた振る舞いをした

Soir de Première2


C'était un grand soir de première
Il y avait là tous vos amis
Vous avez tout fait pour leur plaire
Monsieur, vous avez réussi
Vous êtes une grande vedette
Debout, on vous a réclamé
Ce fut vraiment un soir de fête
Je ne suis pas près de l'oublier 注3

 それは初日の夜だった
 あなたの友だちは皆いた
 あなたは彼らが喜ぶようすべてを尽くした
 ムッシュ、あなたは成功したわ
 あなたは大スターだった
 立ち上がって、人々はあなたを呼び戻した
 まさしく祭りの夜だった
 私は忘れないわ

Moi, j'avais payé ma place
Vous ne m'aviez pas invitée
On n'est pas de la même race
Je vous aurais déshonoré
Pourtant, pourtant on s'est aimés
Pourtant, je vous ai tout donné
Oui, mais dans ce temps-là, Monsieur
Dans ce temps-là

 私は、自分のチケット代を払った
 あなたは私を招待しなかった
 私たちは家柄が違った
 私はあなたの体面を傷つけたことでしょう
 だけど、だけど私たちは愛し合っていた
 だけど、私はあなたにすべてを捧げた
 ええ、そうよあの頃は、ムッシュ
 あの頃は

Soir de Première3


C'était un grand soir de première
Dans votre loge y avait des fleurs
Y avait presque la salle entière
Pour partager votre bonheur
J'aurais voulu vous voir en face
Je n'ai pas osé approcher
Les télégrammes sur votre glace
M'ont beaucoup trop impressionnée

 それは初日の夜だった
 あなたの楽屋には花々があった
 ほとんど部屋いっぱいに
 あなたのしあわせをともに味わうために
 あなたをすぐ前で見たかったけど
 私は近づくことができなかった
 鏡の上のいくつもの電報が
 私にとってあまりにも印象的だった

C'était un grand soir de première
J'étais bien la seule à pleurer
Pour moi, c'était une dernière 注4
La veille, tu m'avais quittée 注5

 それは初日の夜だった
 泣いたのは私だけだった
 私にとって、それは楽日
 前夜、あなたは私を去っていた

[注] タイトルのpremièreは女性名詞で「(公演の)初演、初日」
1 monde集合的に「人、人々」。plein à craquer「いっぱいではちきれそうである」
2 siennes「(いつもの)愚行、ばかげた行為」
3 près de +inf.「…しようとしている」
4 dernièreはpremièreと逆で「(公演の)最後の日、千秋楽」
5 ここだけ、tuと呼んでいる。それまでvousとしていたのが別れたあとのことであることが浮き彫りにされる。




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2017
04.28

辻馬車Un fiacre

Yvette Guilbert Un fiacre


イヴェット・ギルベールYvette Guilbert(1865-1944)は、歌詞を語るように歌うディズーズdiseuseの創始者として知られる歌手で、こっけいなあるいはエロティックな内容を演劇的に表現しました。トゥルーズ・ロートレックのリトグラフに描かれている、黒の長手袋をはめた姿で知られていますが、デヴュー当時、長手袋を買うお金がなかったので腕を黒く染めたのが始まりだとか。
彼女の代表曲である「辻馬車Un fiacre」は、映画で用いられたとされますが詳細は不明です。1892年にレオン・グザンロフLéon Xanrofが作詞・作曲し、フェリシア・マレFélicia Malletが創唱し、そして、1904年にイヴェットが歌いました。



Un fiacre     辻馬車
Yvette Guilbert イヴェット・ギルベール


Un fiacre allait, trottinant,
Cahin, caha, 注1
Hu, dia, hop là ! 注2
Un fiacre allait, trottinant,
Jaune, avec un cocher blanc.

 辻馬車が走っていた、小走りに、
 ガタン、ゴトン、
 右だ、左だ、はいしっ!
 辻馬車が走っていた、小走りに、
 馬車は黄色で、御者は白服。

fiacre1.jpg


Derrièr' les stores baissés,
Cahin, caha,
Hu, dia, hop là !
Derrièr' les stores baissés
On entendait des baisers.

 下ろした日よけの奥で
 ガタン、ゴトン、
 右だ、左だ、はいしっ!
 下ろした日よけの奥で
 キスの音が聞こえたよ。

Puis un' voix disant : " Léon !
Cahin, caha,
Hu, dia, hop là !
Puis un' voix disant : " Léon !
Mais tu me fais mal, ôt' ton lorgnon !"

 それからこう言う声が :「レオン!
 ガタン、ゴトン、
 右だ、左だ、はいしっ!
 それからこう言う声が:「レオン!
 痛いわ、あなたの鼻メガネ外してよ!」

Un vieux monsieur qui passait,
Cahin, caha,
Hu, dia, hop là !
Un vieux monsieur qui passait,
S'écri' : "Mais on dirait qu'c'est

 通りがかった老紳士が
 ガタン、ゴトン、
 右だ、左だ、はいしっ!
 通りがかった老紳士が
 叫んだ :「おや、どうやらあれは

Ma femme dont j'entends la voix !"
Cahin, caha,
Hu, dia, hop là !
" Ma femme dont j'entends la voix !"
I' s'lanc' sur l'pavé en bois. 注3

 わしの妻だ、聞こえた声は!」
 ガタン、ゴトン、
 右だ、左だ、はいしっ!
 「わしの妻だ、聞こえた声は!」
 彼は木煉瓦の路上に飛び出した

Mais i' gliss' su' l' sol mouillé,
Cahin, caha,
Hu, dia, hop là !
Mais i' gliss' su' l' sol mouillé,
Crac ! il est écrabouillé.

 だけど濡れた地面に足を滑らせ
 ガタン、ゴトン、
 右だ、左だ、はいしっ!
 だが濡れた路面に足を滑らせ
 グチャ!老紳士は轢かれた。

Fiacre3.jpg


Du fiacre un' dam' sort et dit :
Cahin, caha,
Hu, dia, hop là !
Du fiacre un' dam' sort et dit :
"Chouett', Léon ! C'est mon mari !

 辻馬車から婦人が降りて来て言う:
 ガタン、ゴトン、
 右だ、左だ、はいしっ!
 辻馬車から婦人が降りて来て言う:
 「すてきよ!レオン!これ私のだんなだわ!

Y a plus besoin d' nous cacher,
Cahin, caha,
Hu, dia, hop là !
Y a plus besoin d' nous cacher.
Ah! donn' donc cent sous à ce cocher ! "

 私たちもう隠れなくていいのよ、
 ガタン、ゴトン、
 右だ、左だ、はいしっ!
 私たちもう隠れなくていいのよ、
 ああ!それじゃ御者に100スーあげてよ!」

[注]
1 cahin, cahaはcahot「(でこぼこ道を行く車の)揺れ」から派生したオノマトペ的表現。日本語では「ガタン、ゴトン」にあたるだろう。連語のcahin-cahaは「どうにかこうにか、やっとのことで」の意味。
2 hu=hue「右だ」、dia「左だ」、hop「それっ」すべて、日本語の「はいしっ!」にあたる、馬を御する掛け声。
3 pavé en bois昔、パリ市内の道路は木製の舗石すなわち木煉瓦で舗装されていた。


Yvette Guilbert



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2017
04.27

エレーヌの木靴Les sabots d'Hélène

Georges Brassens Les sabots dHélène


ジョルジュ・ブラッサンスGeorges Brassensの「エレーヌの木靴Les sabots d'Hélène」は、この曲名をタイトルとした1954年のアルバムに収録されています。このアルバムには代表作のひとつ「オーヴェルニュ人に捧ぐChanson pour l'auvergnat」も含まれています。

平凡なあるいはさえない外見の女性も、その内側には女王さまにも劣らぬ美しさと愛を秘めているということを、わらべ歌を思わせるような曲想のなかで伝えてくれます。ブラッサンス自身がそうした女性と恋に落ちたことが背景にあるようです。



Les sabots d’Hélène エレーヌの木靴
Georges Brassens  ジョルジュ・ブラッサンス


Les sabots d'Hélène
Etaient tout crottés,
Les trois capitaines
L'auraient appelé' vilaine,
Et la pauvre Hélène
Etait comme une âme en peine... 
Ne cherche plus longtemps de fontaine,
Toi qui as besoin d'eau,
Ne cherche plus: aux larmes d'Hélène
Va-t'en remplir ton seau.

 エレーヌの木靴は
 泥まみれ、
 3人の隊長らが
 百姓娘と呼びなしたよ、
 そんで、かわいそうなエレーヌったら
 途方にくれちゃった…
 当分は泉を探すことないさ、
 水が要るというあんた、
 もう探しなさんな、エレーヌの涙で
 桶を一杯にすりゃいいよ

Les sabots dHélène1


Moi j'ai pris la peine
De les déchausser,
Les sabots d'Hélène,
Moi qui ne suis pas capitaine,
Et j'ai vu ma peine
Bien récompensée...
Dans les sabots de la pauvre Hélène,
Dans ses sabots crottés,
Moi j'ai trouvé les pieds d'une reine
Et je les ai gardés.

 おいらちょいと手間かけて
 脱がせてやったよ
 エレーヌの木靴を、
 隊長じゃないおいらはね、
 そしたらその手間は
 ちゃんと報いられたんだ…
 かわいそうなエレーヌの木靴のなかに、
 泥にまみれた木靴のなかに、
 おいら女王さまのおみ足を見っけたよ
 おいらそれをいただきさ。

Son jupon de laine
Etait tout mité,
Les trois capitaines
L'auraient appelé' vilaine,
Et la pauvre Hélène
Etait comme une âme en peine...
Ne cherche plus longtemps de fontaine,
Toi qui as besoin d'eau,
Ne cherche plus: aux larmes d'Hélène,
Va-t'en remplir ton seau.

 あいつのウールのスカートは
 虫食いだらけ、
 3人の隊長らが
 百姓娘と呼びなしたよ、
 かわいそうなエレーヌったら
 途方にくれちゃった…
 当分は泉を探すことないさ、
 水が要るというあんた、
 もう探しなさんな、エレーヌの涙で、
 桶を一杯にすりゃいいよ。

Les sabots dHélène2


Moi j'ai pris la peine
De le retrousser,
Le jupon d'Hélène,
Moi qui ne suis pas capitaine,
Et j'ai vu ma peine
Bien récompensée...
Sous le jupon de la pauvre Hélène,
Sous son jupon mité,
Moi j'ai trouvé des jambes de reine
Et je les ai gardées.

 おいらちょいと手間かけて
 たくし上げてやったよ、
 エレーヌのスカートを、
 隊長じゃないおいらはね、
 そしたらその手間は
 ちゃんと報いられたんだ…
 かわいそうなエレーヌのスカートの下に、
 虫食いのスカートの下に、、
 おいら女王さまの腿を見っけたよ
 おいらそれをいただきさ。

Et le cœur d'Hélène
N'savait pas chanter,
Les trois capitaines
L'auraient appelé' vilaine,
Et la pauvre Hélène
Etait comme un âme en peine...
Ne cherche plus longtemps de fontaine,
Toi qui as besoin d'eau,
Ne cherche plus: aux larmes d'Hélène,
Va-t'en remplir ton seau.

 エレーヌの心ときたら
 歌うことなんか知らずにいた、
 3人の隊長らが
 百姓娘と呼びなしたよ、
 かわいそうなエレーヌったら
 途方にくれちゃった…
 当分は泉を探すことないさ、
 水が要るというあんた、
 もう探しなさんな、エレーヌの涙で
 桶を一杯にすりゃいいよ。

Moi j'ai pris la peine
De m'y arrêter,
Dans le cœur d'Hélène
Moi qui ne suis pas capitaine,
Et j'ai vu ma peine
Bien récompensée...
Et, dans le cœur de la pauvre Hélène,
Qui avait jamais chanté,
Moi j'ai trouvé l'amour d'une reine
Et moi je l'ai gardé.

 おいらちょいと手間かけて
 エレーヌの心んなかに
 おいらを居座らせた
 隊長じゃないおいらはね、
 そしたらその手間は
 ちゃんと報いられたんだ…
 そんで、歌ったこともない
 かわいそうなエレーヌの心んなかに
 おいら女王さまの愛を見っけたよ
 おいらそれをいただきさ。

[注]
âme en peine「三途の川のほとりを彷徨う魂」être comme une âme en peine「途方にくれる」


Les sabots dHélène3

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2017
04.26

武器を取れエトセテラ(祖国の子供たちへ)Aux armes et caetera

Aux armes et caetera


今日、4月26日はフランス国歌「ラ・マルセイエーズLa Marseillaise」の誕生日です。フランス革命政府がオーストリアへ宣戦布告したという知らせがストラスブールに届いた1792年4月25日から翌26日の夜にかけて、市長の要望で、当地に駐屯していた工兵大尉ルージェ・ド・リールClaude Joseph Rouget de Lisleが、出征する部隊を鼓舞するために、一夜にして作詞・作曲したとされます。それがフランス国歌とされるに至った経緯も含め、詳しくは、ウィキペディアの「ラ・マルセイエーズ」の記事をご覧下さい。歌詞全文とその邦訳も掲載されています。

ミレイユ・マチューMireille Mathieuの歌う「ラ・マルセイエーズ」



セルジュ・ゲンズブールSerge Gainsbourgは1979年に、エトセテラという表現を用いこの曲をはしょってレゲェ・ヴァージョンにした「武器を取れエトセテラAux armes et caetera」を作って歌い、たいへん物議をかもしました。右翼や軍部関係者の反発は相当なもので、フランス空軍パラシュート部隊の有志たちにより国歌誕生の地であるストラスブールでのコンサートは阻止され、ファンたちとパラシュート部隊とのにらみ合いのなかで、ゲンズブールは、無伴奏で国歌を斉唱。ファンたちは合唱に加わり、パラシュート部隊は敬礼して聞き入ったとか。
また後日談もあります。ゲンズブールは1981年に、世界に2枚しか残っていないルージェ・ド・リールの「ラ・マルセイエーズ」の手書きの原稿の1枚をヴェルサイユの競売場で135,000フラン(約20,580ユーロ)で落札したのです。その原稿には、ルージェ・ド・リール自身が、書き写しの手間を省くためにAux armes et caeteraと書いていたのでした。

この曲は、1979年の同名のアルバムに収録されています。バック・コーラスはLes I-Threes (The I Threes) という3人の女声のグループです。このブログでは、直訳の邦題にし、「祖国の子供たちへ」という既存の邦題を副題とします。



Aux armes et caetera 武器を取れエトセテラ(祖国の子供たちへ)
Serge Gainsbourg   セルジュ・ゲンズブール


(1番前半)
Allons enfant de la patrie
Le jour de gloire est arrivé
Contre nous de la tyrannie
L'étendard sanglant est levé

 いざ行かん 祖国の子らよ
 栄光の日は来たれり
 われらに向かい 暴君の
 血まみれの旗の掲げられし

Aux armes et caetera(×4)

 武器を取れ エトセテラ


(1番後半)
Entendez-vous dans les campagnes
Mugir ces féroces soldats
Ils viennent jusque dans nos bras
Egorger nos fils nos compagnes

 なんじ聞かんや 戦野に
 残忍なる兵どもの咆哮するを
 奴らはわれらの元に来たりて
 われらの子ら妻らの喉を切る!

Aux armes et caetera(×4)

 武器を取れ エトセテラ


Aux armes et caetera1


(6番前半)
Amour sacré de la patrie
Conduis soutiens nos bras vengeurs
Liberté liberté chérie
Combats avec tes défenseurs

 祖国への聖き愛よ
 われらの復讐のかいなを導き支えたまえ
 自由よ、いとしき自由よ
 なんじを護る者らとともに戦いたまえ!

Aux armes et caetera(×4)

 武器を取れ エトセテラ


(7番前半)
Nous entrerons dans la carrière 
Quand nos aînés n'y seront plus
Nous y trouverons leur poussière
Et la trace de leurs vertus

 われらいくさの舞台に上がらん
 先人なきあと
 われらそこに見い出さん 彼らのむくろと
 彼らの美徳の形見を

Aux armes et caetera...

 武器を取れ エトセテラ…


[注]
entrer dans la carrière「(人生の)活動の舞台に入る」


Aux armes et caetera2




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