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2024
03.03

彼女のそばで

Le petit prince2


前回の「それは帽子だ!C'est un chapeau ! 」に続き、ミュージカル・コメディ「星の王子さま Le Petit Prince」の曲を取り上げましょう。「彼女のそばでPrès d'elle」です。彼女とは、王子様の星で咲いた一輪のバラの花のこと。彼女はとてもきれいだけれどちょっと気取り屋さんでした…。ま、詳しくは原作を読んでくださいね。(ネットでタダで読めます。このお話は17ページあたりです。)
歌っている王子役のジェフJeffすなわちJean-François Périer-Têtedoieは、1988年にサン=テグジュペリAntoine de Saint-Exupéryの家の向かいで生まれ、出演当時は14歳で彼の役柄と同じように金髪で青い目をしていました。今は35歳で、リオンLyonでカフェ・テロワールle Café Terroirというレストランを経営しているそうです。



Près d'elle 彼女のそばで
Jeff     ジェフ


Bien à l'abri de sa chambre verte 注1
Elle n'en finit pas dans cette cachette 注2
De choisir avec soin ses couleurs
De s'habiller lentement le cœur
Ses pétales ajustés un à un
Pour lui faire un corset de satin

 緑の部屋はとても安全
 彼女はこの隠れ家で時間をかけて
 慎重に色を選び続け
 自分のためにサテンのコルセットを作るべく
 一枚一枚合わせた花びらを
 ゆっくりと心を込めてまとい続ける

Le petit prince Rose0


Près d'elle
Je sens un miracle qui s’apprête
Un soleil
Qui vient pour éclairer ma planète

 彼女のそばで僕は
 起こりつつある奇跡と
 僕の星を照らしに来る
 太陽を感じる

Le petit prince Rose11


Je n'ai connu que des fleurs faciles
Jusqu'à ce qu'apparaisse cette brindille
Des fleurs qui ne tenaient pas de place
Et qui passaient sans laisser de traces

 僕は粗末な花々しか知らなかった
 この小枝が現れるまでは
 場所もとらず
 あとも残さずに消えていった花々しか

Avec ses manières si émouvantes
Celle-ci à l'air tellement différente

 とても感動的な流儀で
 この人はこんなにも違う様子をしている

Le petit prince Rose2


Près d'elle
Je sens un miracle qui s’apprête
Un soleil
Qui vient pour réchauffer ma planète

 彼女のそばで僕は
 起こりつつある奇跡と
 僕の星を照らしに来る
 太陽を感じる

Petite graine perdue dans l'Univers
Qui a trouvé sa place sur ma terre
Elle se prépare avec tant d'amour
À naître en étant belle comme le jour

 宇宙で迷った小さな種は
 僕の土地で自分の居場所を見つけた
 彼女は愛をいっぱい込めて準備する
 お日様のように美しく生まれるために

Le petit prince Rose3


Près d'elle
Je sens un miracle qui s’apprête
Un soleil
Qui vient pour éclairer ma planète

 彼女のそばで僕は
 起こりつつある奇跡と
 僕の星を照らしに来る
 太陽を感じる

Près d'elle...

 彼女のそばで…

Le petit prince Rose4


[注]
1 à l'abri de qc.「…を避けて」と「…に保護されて」の両義があるが、ここでは後者。
2 n'en finit pas inf.「いつまで経っても終わらない、ずっと…し続ける」



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2024
03.02

それは帽子だ!C'est un chapeau !

Le petit prince2


「星の王子さま Le Petit Prince」は、フランス人の飛行士・小説家であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリAntoine Marie Jean-Baptiste Roger, de Saint-Exupéryが書いた物語で、1943年にアメリカで出版され、535 の異なる言語と方言に翻訳されています。聖書に次いで2番目の翻訳数です。初版以来、作者自身による挿絵が用いられています。
前置きには、「この本を、あるおとなの人に捧げたい、その人は私の最良の友で、フランスに住んでいて飢えと寒さに苦しみ、慰めを必要としている。そのおとなの人が子供だったその子供に捧げたい。」と書かれています。その「おとなの人」とは、作者の友人のジャーナリスト、レオン・ヴェルトLéon Werthを指しています。当時は第二次世界大戦中で、ヴェルトは平和主義者で、ナチス・ドイツの弾圧対象となっていたユダヤ人でした。
物語のあらすじは、ウィキペディアの記事をご覧ください。

2002年にジャン=ルイ・マルティノティJean-Louis Martinoty監督が制作し、リチャード・コッシアンテRichard Coccianteが演出し、カジノ・ド・パリCasino de Parisで公演された、ミュージカル・コメディ「星の王子さま Le Petit Prince」のストーリーは、48曲で構成されており、そのほとんどはリチャード・コッシアンテが作曲し、エリザベート・アナイスÉlisabeth Anaïsが作詞しました。そのうちのひとつ、「それは帽子だ!C'est un chapeau ! 」をご紹介しましょう。飛行士を演じているのはダニエル・ラヴォワDaniel Lavoieです。

Le petit prince「星の王子さま」の、「それは帽子だ!C'est un chapeau ! 」に関する部分を簡単に解説しましょう。
まず、語り手である「僕」は、幼い頃に見た、原始林についての本のなかの「猛獣を飲み込んだ大蛇ボア」の挿絵について語ります。大蛇ボアは、獲物をまるごと飲み込み、動かずに眠って長い時間をかけて消化していくのです。「僕」は、象を飲み込んだボアの絵を色鉛筆で描いて大人に見せ、「これが怖いか」と尋ねますが、「帽子がどうして怖いの」と言われ、中身の象の姿も描きますが、大人たちは、そんなことより勉強をしなさいと言います。落胆した「僕」は、絵描きになることを諦め、操縦士を目指し、世界中を飛び回るようになります。
そして、サハラ砂漠に僕の飛行機が不時着した際、「 小さな王子さま」と出会います。
王子さまは、「羊を描いて。」と言いますが、「僕」は代わりにボアの絵を見せます。しかし王子さまは、「ちがう!ボアに飲まれた象なんていらない。羊の 絵を描いてよ。」と言います。王子さまには、それが帽子ではなく、ボアの絵だと分かったのでした。
「僕」は、何度も羊を描いて見せますが、王子さまは納得せず、「僕」は最後に、木箱を描いて、「ほら、きみが欲しがっている羊は、このなかにいるよ」と言うと、「これだよ、ぼくが欲しかったのは!」と喜びます。

このお話が示すのは、「大切なものは、目に見えないLe plus important est invisible」ということ。それは、人が生きていく上で重要な指針となります。そういえば、竹内マリアが作詞した「いのちの歌」の歌詞にも「本当にだいじなものは隠れてみえない」というフレーズがありますね。



C'est un chapeau !   それは帽子だ!
Daniel Lavoie      ダニエル・ラヴォワ


Est-ce que mon dessin vous a fait peur ?
Pourquoi un chapeau ferait-il peur ? 注1
Je ne comprends pas personne ne voit
L'éléphant au fond de ce boa

 あなたたちは僕の絵が怖い?
 なぜ帽子が怖いんだ?
 僕には分からない、誰にも見えないんだ
 このボアヘビのなかにいるゾウは

Cest un chapeau1


Alors j'ai rangé tous mes crayons
Mes drôles de dessins dans des cartons
J'ai trouvé enfin ma vocation
Je suis devenu pilote d'avion

 だから僕は箱にぜんぶしまった
 色鉛筆を私の変な絵を
 ついに天職を見つけたんだ
 僕は飛行機のパイロットになった

Les grandes personnes, c'est fatiguant
Elles ne comprennent plus tellement
Elles ont besoin d'explications
Toujours et toujours des explications

 大人たちってさ、うんざりだよ
 彼らはもう理解していなくて
 彼らには説明が必要なんだ
 いつもいつも説明が

Depuis j'ai croisé des tas de gens
Mon avis n'a pas changé vraiment
Je ne parle plus jamais d'étoiles
De serpents boas, de fleurs tropicales

 以来、僕はたくさんの人たちと出会った
 僕の考えは特に変わらなかった
 僕はもう二度と話さない、星のこと
 ボアヘビのこと、熱帯の花のことを

J'ai quand même voulu faire l'essai
De mon dessin à nouveau
Mais les grandes personnes répondaient
Toujours et toujours c'est un chapeau !

 だけど僕は試してみたかった
 あらたに僕の絵について
 でも大人たちは答えた
 いつもいつもそれは帽子だと!

Cest un chapeau2


Alors je parlais de politique
De cravates, de golf, de courses hippiques
Et les grandes personnes se rassuraient
De connaitre un homme aussi sensé

 それで僕は話したんだ、政治について
 ネクタイについて、ゴルフについて、競馬について
 すると大人たちは安心したんだ
 同様にまともな人間だと知って

Est-ce que mon dessin vous a fait peur ?
Pourquoi un chapeau ferait-il peur ?
Je ne comprends pas personne ne voit
Au delà des choses, au delà de soi

 あなたたちは僕の絵が怖い?
 なぜ帽子が怖いんだ?
 僕には分からない、誰にも見えないんだ
 物ごとの向こう側は、自分自身の向こう側は

C'est un chapeau !
C'est un chapeau !

 それは帽子だ!
 それは帽子だ!


[注] 青色は大人たちの答え。

Cest un chapeau3



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2024
03.01

帽子Les chapeaux

Hubert Hess les chapeaux


ユベール・エスHubert Hessはシンガー・ソングライターで、子供向けのテレビ番組などで自作の童謡を歌い、司会もしています。「帽子Les chapeaux」は彼の代表作のひとつで、1990年〜1992年に RFOチャンネル (Réunion1er)のMarmaillagesという番組に出演していた時から歌っている曲。2022年に、当時のほちびっこかの曲といっしょにアルバム:Marmaillages, Vol. 1. に収録されました。 Marmaillageは、「(さわがしい)子供たち、ちびっ子たち」といった意味のmarmailleに「集合、状態」をあらわす接尾語age がついた語。番組名はその複数形ですから、「ちびっ子全員集合」とでも訳しましょうか。



Les chapeaux   帽子
Hubert Hess  ユベール・エス


{Refrain:}
Des chapeaux j’en ai des tas,
Des tas d’jolis chapeaux,
Des p’tits, des gros,
Des bas, des hauts,
Des tas d’chapeaux.

 僕は帽子をたくさん持っている、
 たくさんのステキな帽子、
 低いのも、高いのも、
 たくさんの帽子を。

Quand je vais à la foire, Noir.jpg
Je mets mon chapeau noir,
À la foire, chapeau noir,
Chantez avec moi !

 お祭りに行くときは、
 黒い帽子をかぶるんだ、
 お祭りには、黒い帽子さ、
 僕と一緒に歌おうよ!

{Refrain}

Quand c’est le jour de l’An, Blanc.jpg
Je mets mon chapeau blanc,
Jour de l’An, chapeau blanc,
À la foire, chapeau noir,
Chantez avec moi !

 元旦には、
 白い帽子をかぶる、
 元旦は、白い帽子、
 お祭りは、黒い帽子、
 僕と一緒に歌おうよ!

{Refrain}

Quand tout va de travers,  注1Vert.jpg
Je mets mon chapeau vert,
De travers, chapeau vert,
Jour de l’An, chapeau blanc,
À la foire, chapeau noir,
Chantez avec moi !

 まったくご機嫌斜めなときは、
 緑の帽子をかぶる、
 ご機嫌斜めは、緑の帽子、
 元旦は、白い帽子、
 お祭りは、黒い帽子、
 僕と一緒に歌おうよ !

{Refrain}

Quand j’ai une dent qui bouge, Rouge.jpg
Je mets mon chapeau rouge,
Dent qui bouge, chapeau rouge,
De travers, chapeau vert,
Jour de l’An, chapeau blanc,
À la foire, chapeau noir,
Chantez avec moi !

 歯がぐらぐらするとき、
 赤い帽子をかぶる、
 歯のぐらぐらは、赤い帽子、
 ご機嫌斜めは、緑の帽子、
 元旦は、白い帽子、
 お祭りは、黒い帽子、
 僕と一緒に歌おうよ!

{Refrain}

Quand je vais à Paris,Gris.jpg
Je mets mon chapeau gris,
À Paris, chapeau gris,
Dent qui bouge, chapeau rouge,
De travers, chapeau vert,
Jour de l’An, chapeau blanc,
À la foire, chapeau noir,
Chantez avec moi !

 パリに行くとき、
 灰色の帽子をかぶる、
 パリでは、灰色の帽子、
 歯のぐらぐらは、赤い帽子、
 ご機嫌斜めは、緑の帽子、
 元旦は、白い帽子、
 お祭りは、黒い帽子、
 僕と一緒に歌おうよ !

{Refrain}

[注]
1 aller de travers は「物事がうまく行かない」の意味の熟語で、日本語の「家運が傾く」などに通じるが、de travers「斜めに、ゆがんで」は、「斜に構える」 「ご機嫌斜め」などに通じ、mettre son chapeau travers「帽子を斜めにかぶる」という表現もあるので、「斜め」を生かしたく「ご機嫌斜め」 と訳した。


Les chapeaux4



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2024
02.23

青い夢Ce rêve bleu

Aladdin.jpg


1992年のディズニーのアニメ映画「アラジンAladdin」のテーマソング「新しい世界A Whole New World」(作詞:Tim Rice 作曲:Alan Menken)は、主人公のアラジンAladdinと王女ジャスミンJasmineが歌う素敵な曲。翌1993年にフランス語版で「青い夢Ce rêve bleu」というタイトルで歌われました。ケベックでは同じくフランス語でUn nouveau mondeというタイトルの違う歌詞で。そして世界中でさまざまな言語で歌われています。もちろん日本語でも。

A Whole New World
Lea Salonga and Brad Kane



フランス語版 Ce rêve bleu
Paolo Domingo et Karine Costa パオロ・ドミンゴ&カリーヌ・コスタ



Ce rêve bleu             青い夢
Paolo Domingo et Karine Costa パオロ・ドミンゴ&カリーヌ・コスタ


Je vais t'offrir un monde
Aux mille et une splendeur
Dis-moi princesse
N'as-tu jamais laissé parler ton cœur ?

 君にひとつの世界をあげよう
 千と一の素晴らしさを持つ世界を
 ねぇ、プリンセス
 自分の心に語らせたことはないかい?

Je vais ouvrir tes yeux
Aux délices et aux merveilles
De ce voyage en plein ciel
Au pays du rêve bleu

 青い夢の国への
 この大空の旅の
 喜びと驚きに
 君の目を開いてあげよう

Ce rêve bleu
C'est un nouveau monde en couleurs
Où personne ne nous dit
C'est interdit
De croire encore au bonheur

 この青い夢
 それは誰も僕たちに教えてくれない
 新たな色彩の世界だ
 なおも幸せを信じること
 それは禁じられている


Aladdin4-1.jpg


Ce rêve bleu,
Je n'y crois pas c'est merveilleux
Pour moi c'est fabuleux
Quand dans les cieux
Nous partageons ce rêve bleu
À deux
Nous faisons ce rêve bleu à deux

 この青い夢、
 それは信じられないわ、それはステキだわ
 私にとってそれは素晴らしいわ
 空にいるあいだ
 私たちはこの青い夢を分かち合うのよ
 二人で

 僕たちはこの青い夢をともにする

Sous le ciel de cristal,
Je me sens si légère
Je vire dérive et chavire dans un océan d'étoiles


 クリスタルの空の下で、
 とても軽やかな気分になるわ
 星の海で回り漂いひっくり返るわ

Ce rêve bleu

Ne ferme pas les yeux
C'est un voyage fabuleux
Et contemple ces merveilles
Je suis montée trop haut
Allée trop loin
Je ne peux plus retourner d'où je viens

 この青い夢

 目を閉じないで
 これは素晴らしい旅だわ
 これらの驚異をよく見るんだ
 私は高く登りすぎた
 遠くへ行き過ぎた
 私はもう元の場所には戻れない


Aladdin2-1.jpg


Un rêve bleu
Sur les chevaux du vent
Vers les horizons du bonheur
Dans la poussière d'étoiles
Naviguons dans le temps
Infiniment
Et vivons ce rêve merveilleux


 青い夢
 風の馬に乗って
 幸せの地平へと
 星屑のなかで
 時を旅しよう
 永遠に
 そしてこの素晴らしい夢を生きよう

Ce rêve bleu
Ce rêve bleu
Au mille nuits
Au mille nuits
Qui durera
Pour toi et moi
Toute la vie

 千夜の
 千夜の
 この青い夢
 この青い夢は
 続くだろう
 あなたと私に
 一生ずっと

******************************************************


ケベックヴァージョン Un nouveau monde



Un nouveau monde           新しい世界
Joël Legendre et Martine Chévrier ジョエル・ルジャンドル&マルチーヌ・シェヴリエ


Je te ferai découvrir
Un monde merveilleux, splendide
Dis-moi Princesse, si parfois
C'est ton cœur qui seul décide

 君に見せよう
 素晴らしく素晴らしい世界を
 ねぇプリンセス、時々は
 君の心だけが決めるのならば

Tu verras défiler
Des merveilles devant tes yeux
Nous virevolterons sous tous les cieux
Sur mon tapis volant

 君は見るだろう
 目の前で驚異が広がるのを
 すべての空の下で僕らは紡ぐよ
 僕の空飛ぶ絨毯の上で

Un nouveau monde,
Une toute nouvelle lumière m'inonde
Personne pour nous dire "non"
Personne qui gronde
Personne pour nous blâmer

 新しい世界を、
 全く新しい光が僕に溢れてくる
 僕たちに「ダメだ」と言う人は誰もいない
 叱る人は誰もいない
 僕たちを責める人は誰もいない


Aladdin3.png


Un nouveau monde
Des horizons encore secrets
Quand je m'envole si haut
Ma plus grande joie
C'est partager ce monde qu'avec toi
J'adore ce tout nouveau monde
A nous...


 新しい世界
 地平線はまだ秘密
 とても高く飛んだとき
 私の最大の喜びは
 この世界をあなたとだけともにすることよ

 このまったく新しい世界が大好きだ
 僕たちの世界が...


Formidable vision
Quel incroyable frisson
D'être tous les deux
Planant librement dans le firmament
Un nouveau monde

 素晴らしいビジョンだわ
 なんという信じられないスリルかしら
 二人とも
 大空を自由に飛行する
 新しい世界


Si t'as peur ferme les yeux
Mille et une choses à admirer
Retiens ton souffle tout ira mieux
Comme une étoile filante
Le ciel est mien
Jamais je ne refuserai un tel destin


 怖いなら目を閉じて
 賞賛すべきことは千と一つあるわ
 息を止めて、すべてが良くなるよ
 流れ星になったみたい
 空は私のもの
 そんな運命を私は決して拒まない

Aladdin1.jpg


Un nouveau monde
Quelle vie étonnante
Avec l'infini comme frontières
C'est écrit en toutes lettres
Dans ce ciel merveilleux
Sur toutes les planètes
Que nous partagerons ce monde à deux


 新しい世界だ 
 なんて素晴らしい人生かしら
 無限を境界として
 それはすべての文字で書かれている
 この素晴らしい空のなかで
 すべての惑星の上で
 僕たちがこの世界を二人で共有することが


Un nouveau monde
Un nouveau monde
Où nous vivrons
Que nous partagerons
Comme la joie
Quel bel endroit
Pour toi et moi

 新しい世界だ
 新しい世界だわ
 そこに僕たちは住むんだ
 私たちは共にするわ
 喜びを
 なんて美しいところなの
 君と僕のための


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2024
02.10

首を吊った男Un homme s'est pendu

Alain Barrière Petit avé pour Ray


アラン・バリエールAlain Barrièreの「レイのための小さなアヴェ・マリア(街角のアヴェ・マリア)Petit avé pour Ray」を取り上げた際に、その曲が収録されたアルバム「首を吊った男Un homme s'est pendu」のタイトル曲「首を吊った男Un homme s'est pendu」を一緒に出しました。別の曲なので、切り離してあらためてご紹介いたします。
黒人差別を題材にしたビリー・ホリデイの「奇妙な果実Strange fruit」を思い出させますが、リンチされたのではなく自分で首を吊った男の話です。
戸川昌子が「首吊り男」というタイトルで歌っています。



Un homme s'est pendu 首を吊った男
Alain Barrière    アラン・バリエール


Un homme s'est pendu à la branche
Les oiseaux ont chanté au-dessus
Chanté les amours qui commencent
Chanté pour la vie qui continue

  ひとりの男が木の枝で首を吊った
  鳥達が上空で歌った
  始まった恋を歌った
  続いていく生を歌った

Un homme sest pendu1


Oh oh oh oh oh.....

  オ オ オ オ オ…

Sommes-nous vraiment rien oh ma mie
Ma mère sommes-nous si petits
N'est-ce donc vraiment rien une vie
Une vie n'est-ce donc qu'un refrain

  俺たちは本当にクズなのか おおいとしい人よ
  母さん 俺たちはこんなにちっぽけなのか
  いったい人生は本当に無価値なのか
  いったい人生は繰り返しに過ぎないのか

Oh oh oh oh oh....

  オ オ オ オ オ…

Est-ce ainsi qu'ici-bas tout s'oublie
Pour cela que l'on traîne son chemin
Qu'on se bat qu'on supporte sa vie
Est-ce ainsi qu'un matin cela fini

  ここじゃこんな風にしてすべてが忘れられてしまうのか
  そのために自らの道のりを辿り
  そのために戦い そのために生命を保ってきたすべてが
  こんな風にしてある朝それが終ってしまうのか

Oh oh oh oh oh.....

  オ オ オ オ オ…

Un homme s'est pendu à la branche
Les oiseaux ont chanté au-dessus
Chanté les amours qui commencent
Chanté pour la vie qui continue

  ひとりの男が木の枝で首を吊った
  鳥達が上空で歌った
  始まった恋を歌った
  続いていく生を歌った

Oh oh oh oh oh

  オ オ オ オ オ…





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2024
02.09

一歩ずつ一歩ずつÉtape par étape par étape

Joe Barbieri Étape par étape par étape


今回はイタリアのシンガー・ソングライター、ジョー・バルビエリJoe Barbieriの「一歩ずつ一歩ずつÉtape par étape par étape」です。フィーチャリング :Fabrizio Bossoファブリッツィオ・ボッソ(イタリアのジャズ・トランペット奏者)。2012年のアルバム:Respiroに収録されています。
タイトルのÉtape par étape par étapeは、英語で言えばStep by stepで、以前取り上げたパリス・コンボParis Comboの「一歩一歩Pas à pas」 と同様の意味ですが、エタッパレータッパレータップという音の響きが面白く、 「一歩一歩Pas à pas」より分かりやすい歌詞です。



Étape par étape par étape 一歩ずつ一歩ずつ
Joe Barbieri         ジョー・バルビエリ


C'est une habitude comme une autre
De vivre sans penser
Pas de solitude, pas besoin d'être
Un cliché

 他の習慣と同様の習慣さ
 考えないで生きることは
 孤独も顧みず、杓子定規に
 なる必要もなく

En marchant je vais tandis que siffle 注1
Le vent de la liberté
Pas d'engagement, pas de promesse
Ah, très bien!

 歩いて僕は行くんだ
 自由の風の吹くままに
 義務も約束も顧みず
 ああ、とってもいいね!

Joe Barbieri1


Chaque jour
J'attache mes lacets
Pour voir
Le monde tout entier

 毎日
 僕は靴紐を結ぶ
 世界をぜーんぶ
 見るために

Étape par étape par étape
Étape par étape par étape
Je vais
Étape par étape par étape
Étape par étape par étape

 一歩ずつ一歩ずつ
 一歩ずつ一歩ずつ
 僕は行く
 一歩ずつ一歩ずつ
 一歩ずつ一歩ずつ

Je connais seulement cet'aujourd'hui ci
C'est ma "petite semaine"
Je connais seulement ce sans-souci ci
Pas problème

 僕は今日一日しか知らない
 それは僕の「小さな一週間」だ
 僕はこの気楽さしか知らない
 問題ないさ

Joe Barbieri4


Et on va
Où le désir me mène
Là-bas
Où il n'y a pas de chaines

 そして行くのさ
 欲求が僕を導くところへ
 そこは
 くびきなどないところだ

Étape par étape par étape
Étape par étape par étape
En souriant je vais
Étape par étape par étape
Étape par étape parait

 一歩ずつ一歩ずつ
 一歩ずつ一歩ずつ
 微笑みながら僕は行く
 一歩ずつ一歩ずつ
 一歩ずつ一歩ずつ

Parait que tout le mondo
M'a oublié
Et maintenant c'est moi qui
Oublie ce monde

 世界中が
 僕を忘れたらしいが
 今やこの世界を忘れるのは
 僕なんだ

Joe Barbieri3


Étape par étape par étape
Étape par étape par étape
Je vais
Étape par étape par étape
Étape par étape par étape

 一歩ずつ一歩ずつ
 一歩ずつ一歩ずつ
 僕は行く
 一歩ずつ一歩ずつ
 一歩ずつ一歩ずつ


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2024
01.21

風が運ぶものLe vent nous portera

Noir Désir Le vent nous portera


ノワール・デジールNoir Désirは1980年代に結成され、2010年に解散したロックバンドで、メンバーは、ベルトラン・カンタBertrand Cantat (ボーカル、ギター、ハーモニカ)、ドゥニ・バルトDenis Barthe(ドラム)、セルジュ・テイソ=ゲイSerge Teyssot-Gay(ギター)、フレデリック・ヴィダレンクFrédéric Vidalenc(ベース→1996年からジャン=ポール・ロイJean-Paul Roy に代わった)。
彼らの曲は、リーダーでヴォーカルのベルトラン・カンタの文学嗜好が主なインスピレーションの源だとされます。彼は 12 歳か 13 歳の頃から、ランボーRimbaud とドアーズ、マラルメとクラッシュ 78 Mallarmé avec les Clash78を組み合わせるという夢を抱いていました。 ウラジーミル・ナボコフVladimir Nabokovの「ロリータ Lolita」、「不思議の国のアリス Les Aventures d'Alice」、マルキ・ド・サドmarquis de Sade、ウィリアム・シェイクスピアWilliam Shakespeare.の「ハムレットHamlet 」、 フォークナー Faulkner,、テネシー・ウィリアムズTennessee などに直接インスピレーションを得た曲があり、 ポール・ヴェルレーヌPaul Verlaine、ジェラール・ド・ネルヴァルGérard de Nerval、ジャック・プレヴェールJacques Prévert、ウラジミール・マヤコフスキーVladimir Maïakovsk、 ロートレアモンLautréamontなどを歌詞に引用しています。また、レオ・フェレLéo Ferréのテキストを完全カバーしています。このブログでは、「桜んぼの実る頃Le temps des cerises」 のページで、彼らの動画を出しています。

今回ご紹介する「風が運ぶものLe vent nous portera」は、2001年にシングルリリースされ、アルバム:Des visages des figuresに収録された曲で世界中で大ヒットしました。 ベルトラン・カンタBertrand Cantat が作詞し、当時のノワール・デジールNoir Désirの全メンバーで作曲。マヌ・チャオManu Chaoがギターで、アコシュ・シェレヴェニAkosh Szelevényiがバスクラリネットで加わっています。タイトルのLe vent nous porteraは、「風が私たちを運ぶだろう」でしょうか?あるいは、歌詞中のこのフレーズの次の節にある語が直接目的語だとすると「風が私たちに運ぶだろう」でしょうか?Le vent les portera「風がそれらを運ぶだろう」とLe vent l'emportera「風がそれを運び去るだろう」というフレーズもありますので、そのlesおよびleと同じく、nousは直接目的語だと判断し、私たちもそれらも運ぶということで、「風が運ぶもの」という邦題にいたしました。

あえて理解不能な表現を用いているような不思議な歌詞内容を映像化したこのクリップは、ロビン・アカードRobin Accardがプロデュースしたもので、2002 年のヴィクトワール・ドゥ・ラ・ミュージックで「ビデオクリップ・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。母親が風に攫われていくのは、「風が私たちを運ぶだろう」を表したものでしょう。




世界各国の数多くのグループや歌手がカヴァーしています。

ベルギーのScala & Kolacny Brothers



ケベックのLes Charbonniers de l'enfer



ケベックのMea culpa jazz



フランスのLes Chics Types


ドイツのElement of Crime


イタリアのCristiano De Andrè - Il vento soffierà


スイスのSophie Hunger


イタリアのMargherita Pirri



ECCOはピアノ弾き語り


まだまだありますので、YouTubeで探してみてください。


Le vent nous portera 風が運ぶもの
Noir Désir       ノワール・デジール


Je n'ai pas peur de la route
Faudra voir, faut qu'on y goûte
Des méandres au creux des reins
Et tout ira bien

Le vent nous portera

 僕は道を怖れはしない
 腰のくぼみのうねりを
 視なければ、味わってみなければならない
 すべてがうまくいくだろう

 風が僕たちを運ぶだろう

Ton message à la Grande Ourse
Et la trajectoire de la course
Un instantané de velours
Même s'il ne sert à rien

Le vent l'emportera
Tout disparaîtra a a a
Le vent nous portera

 おおくま座への君のメッセージを
 そして行程の軌道を
 なめらかなスナップショット
 それがなんにもならなくても

 風がそれを運び去るだろう

 何もかも消えてしまうだろう ーーー
 風が僕たちを運ぶだろう

Le vent3


La caresse et la mitraille
Et cette plaie qui nous tiraille
Le palais des autres jours
D'hier et demain

Le vent les portera

 愛撫と砲弾と
 そして僕たちを悩ますこの傷を
 昨日と明日
 別の日々の宮殿を

 風がそれらを運ぶだろう

Génétique en bandoulière 注1
Des chromosomes dans l'atmosphère
Des taxis pour les galaxies
Et mon tapis volant dis ?

Le vent l'emportera
Tout disparaîtra a a a
Le vent nous portera

 肩に担いだ遺伝学
 大気中の染色体
 銀河へのタクシー
 僕の魔法のじゅうたんは、ねぇ?

 風がそれを運び去るだろう
 何もかも消えてしまうだろう ーーー
 風が僕たちを運ぶだろう

{Ⅰnterlude間奏}

Le vent4


Ce parfum de nos années mortes
Ce qui peut frapper à ta porte
Infinité de destins
On en pose un et qu'est-ce qu'on en retient ? 注2

Le vent l'emportera

 僕たちの死に絶えた年月のこの香り
 君のドアをノックするもの
 無数の運命
 ひとはそのうちの一つを置き、何をまた取るのだろうか?
 風がそれを運び去るだろう

Pendant que la marée monte
Et que chacun refait ses comptes 注3
J'emmène au creux de mon ombre
Des poussières de toi

Le vent les portera
Tout disparaîtra a a a
Le vent nous portera

 満ち潮のあいだ
 そして各々がアカウントをリセットしているあいだに
 僕の影の奥深くへ
 君の粒子を取り込む

 風がそれらを運ぶだろう
 何もかも消えてしまうだろう ーーー
 風が僕たちを運ぶだろう

Le vent1


[注]
1 bandoulière 肩に斜めに担ぐショルダーバッグ
2 enは数詞・数量副詞の補語。ここでは=de destins。
3 compteは英語のcountおよびaccount「アカウント」にあたり、複数の意味がある。faire son comptesは話し言葉で「ヘまをする」という意味もあるが、refaire ses comptesは「アカウントをリセットする」と訳した。




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2024
01.08

お祭り騒ぎLa fête

Ressources Amir


アミールAmirはイスラエル系フランス人のシンガー・ソングライター。Amir Haddadとも呼ばれます。amirはアラビア語で「司令官」「総督」を意味する語で、転じてイスラム世界で王族、貴人の称号となったもの。英語の名前のEmir(エミール)に当たります。
2014年に、アメリカのテレビ番組「ザ・ヴォイスThe Voice」のフランス版、The Voice:la plus belle voix (「エ・バンEt bam」の記事参照)の第3シーズンの決勝に参加した後、2016年に、ユーロビジョン・ソングコンテスト Concours Eurovision de la chanson のフランス代表となり、J'ai rechercheという曲で6位になりました。その後は、テレビ、映画、劇場、レコーディングなどさまざまに活動を広げています。
「お祭り騒ぎLa fête」という楽しい曲をご紹介しましょう。この曲は、彼の4枚目のアルバム:Resourcesからの最初のシングルとして2020年6月10日にリリースされました。 Amirとナジム・カレドNazim Khaledの共作。



La fête お祭り騒ぎ
Amir   アミール


Levons nos verres sans raison
Il suffit de vivre, c'est bon
Mais c'est meilleur et c'est moins long avec un peu d'ivresse

 理由なんかなしに乾杯しようよ
 生きてるだけで充分さ、楽しいね
 だがちょっと酔っぱらえばもっと良くなるもっと短かくなる

Viens, on se casse la voix
Viens, on se casse là-bas
Là où l'amour est toujours roi
S'inventer des princesses 注1

 さあ、声を嗄らすんだ
 さあ、あそこで羽目を外すんだ
 愛が常に君臨するところで
 お姫様たちを取り揃えて

Le patron te fait la misère (C'est rien) 注2
T'as le moral sur une civière (C'est rien) 注3
T'es encore fatiguée d'hier (C'est rien)
On réfléchira demain

 オーナーが君につらく当たるって (なんでもないよ)
 気力がヤバい状態だって (なんでもないよ)
 昨日の疲れがまだ残るって (なんでもないよ)
 明日考え直そう

La fête1


Tant pis pour l'cœur à moitié vide
Tant que des potes, on en a plein 注4 

 心が半分からっぽなのはしょうがない
 仲間をいっぱい持ってるかぎりはね

{Refrain:}
On est tous nés pour faire la fête
Comme si on l'avait jamais faite
La fête (Ay ay ay ay, hé)
On est tous nés pour faire la fête
Au pire, on la fait dans nos têtes (nos têtes)
Comme si on l'avait jamais faite

 僕らはみんなお祭り騒ぎするために生まれてきた
 まるで今までやったことがなかったくらいに
 お祭り騒ぎをね (アイ アイ アイ アイ、エー)
 僕らはみんなお祭り騒ぎするために生まれてきた
 少なくとも、頭のなかで騒ぐんだ (頭のなかでね)
 まるで今までやったことがなかったくらいに

La nuit est notre maison
Tu peux t'inviter sans raison
Sois à l'aise comme dans ton salon
Viens meubler ta tristesse

 夜は僕らの領分さ
 君は理由なんかなしに押しかけりゃいい
 自分ちのつもりで気楽にね
 悲しい気持ちを埋め合わせにおいでよ

La fête2


Viens, on s'la joue, on s'pavane 注5
On s'prend pour les lions d'la savane 注6
On est les rois de La Havane
Havana, oh na na

 おいで、僕らは戯れるんだ、僕らは気取るんだ
 僕らはサヴァンヌのライオンだ
 僕らはハヴァナの王様だ
 ハヴァナ、オー、ナ、ナ

Ton histoire d'amour bat de l'aile (C'est rien) 注7
Dans ton café, t'as mis du sel (C'est rien)
T'es trop petit pour toucher l'ciel (C'est rien)
Parce qu'on grandira demain

 君の恋物語はうまく行かないって (なんでもないよ)
 君はコーヒーに塩を入れちゃったって (なんでもないよ)
 君はちっちゃすぎて空に手が届かないって (なんでもないよ)
 明日、もっと大きくなるよ

Tant pis si on tombe dans le vide
Tant qu'on a l'verre à moitié plein

 ひっくり返ったってしょうがない
 グラスに半分残っているかぎりはね

La fête3


{Refrain}

On a presque plus rien à boire (Mais on est là)
Le bar va fermer, tout est noir (Mais on est là)
On continue sur le trottoir (Mais on est là)
Hey, (on est là,) mmh, (on est là)

 もう呑むものがほとんどない (だけど僕らはいる)
 バーが閉まる、真っ暗だ (だけど僕らはいる)
 舗道で続きをやるさ (だけど僕らはいる)
 (ヘイ、僕らはいる、ムム、僕らはいるんだ)

On va encore rentrer trop tard (Mais on est là)
Je crois que j'ai un œil au beurre noir (Mais on est là) 注8
J'ai encore cassé ma guitare
J'm'appelle Jimi Hendrix ce soir 注9

 また帰りが遅くなる (だけど僕らはいる)
 目に痣ができているかも (だけど僕らはいる)
 またギターを壊しちゃった
 今夜、僕はジミ・ヘンドリックスさ

{Refrain}

[注]
1 s'inventer 「(自分のために)考えつく、作り上げる」
2 faire des misères a qn.「・・・を責める、 いやがらせする」
3 moral形容詞としては「道徳の、心の」だが、名詞としては「気力、精神」。civière「担架」に乗せられ救急搬送されるというのは、気力が弱って危ない状態。
4 tant que「…であるかぎり」。en=des potes, a=avoir, pleinは形容動詞。=Tant que l'on a plein des potes
5 se pavaner「(中世の舞踊パヴァーヌを踊るように)気取る」
6 s'prend pour「自分を…と思う、…気取りである」
7 bat de l'aile 「片方の羽根だけで羽ばたく」というのは「調子が悪い」ことを言う。
8 avoir un œil au beurre noir「(打撲で)目の周りに痣ができている」。あるいは、夜更かしして目の下に隈ができているのか。
9 Jimi Hendrix「ジミ・ヘンドリックス」はアメリカのギタリスト、シンガーソングライター。右手用のギターを左手で弾き、ロック史上最高のギタリストとして評価されるが、ギターを歯で弾いたり背中に回して弾いたり、ライブ中にギターに火を放ち破壊するなどの派手なパフォーマンスでも知られる。



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2024
01.03

なぐさめ Si ça peut te consoler

Jane Birkin Lolita Go Home


今回はジェーン・バーキンJane Birkinの「なぐさめ Si ça peut te consoler 」という曲です。以前取り上げた「ロリータ、ゴー・ホームLolita Go Home」のタイトルを冠した1975年のアルバムに収録されています。作詞:フィリップ・ラブロPhilippe Labro、作曲:セルジュ・ゲンズブールSerge Gainsbourg。
みじめな状況に陥ったものをいろいろ挙げてあなたの現状を例え、あなたはその最初じゃない…と私はあなたに歌った。それがあなたのなぐさめになるならと。それはあなたにだけに起こることじゃない。そしてそれは、かつて、別の男たちが私に言った言葉なのだと。
セルジュ・ゲンズブールSerge Gainsbourgの「君に別れを告げに来たJe suis venu te dire que je m'en vais」にジェーンのすすり泣きが入っていましたね。今回は、そのように男たちに何度か捨てられたことのある女が逆に男を捨てる話です。
つまりは被害者が加害者になるわけなんだ!瀬戸内寂聴さんじゃあるまいし、「辛いのはあなただけじゃない」といった常套句はなぐさめにはならないよ!男をこれほどみじめにさせるなんてひどい女だよね!
…なんて思わないでくださいね。まぁフィクションですし、言葉遊びですしね。「手ぎれ」と同様に簡略な既存の邦題「なぐさめ」を用いましょう。



ミシェル・サルドゥMichel Sardouと歌っています。



Si ça peut te consoler  なぐさめ
Jane Birkin        ジェーン・バーキン


Tu n'es pas le premier poisson
Qui se meurt dans un bocal d'eau
La bouche ouverte le ventre en l'air
Les yeux comme des billes de loto 注1

 口を開けてお腹を水の上に
 どんぐり眼をして
 水の入った瓶の中で死んでいる魚
 あなたはその最初じゃない

poisson mort


Tu n'es pas le premier ballon
Qui crève dans un ciel trop bleu
Éclaté sous des coups d'épingle
D'un petit garçon aux yeux creux

 うつろな目をした小さな男の子に
 ピンで刺されて破裂し
 あまりにも青い空で死ぬ
 あなたはその最初じゃない

Tu n'es pas le premier chat noir
Qui frissonne devant ma porte
Et que l'on retrouve au matin
Raide et pâle comme une feuille morte

 私のドアの前で震えていて
 朝にまた見つける
 枯れ葉のように醜くて青ざめた黒猫
 あなたはその最初じゃない

chat noir


Tu n'es pas la première guitare
Dont les cordes se sont brisées
Tu n'es pas le premier garçon
À qui l'on dit c'est terminé

 弦が切れたギター
 あなたはその最初じゃない
 「もうおしまいよ」と告げられる男の子
 あなたはその最初じゃない

Mais si ça peut te consoler
Ça n'arrive pas seulement à toi
Ce que je viens de te chanter
D'autres me l'ont dit autrefois

 でもそれがあなたの慰めになるとしたら
 あなただけに起こることじゃない
 私があなたに歌って聞かせたのは
 かつて別の男たちが私に言ったことなのよ

Tu n'es pas le premier mouton
Que les loups gris ont dévoré
Dans une forêt sans abri
Par un hiver froid sans pitié

 容赦なく寒い冬から
 身を護るすべもない森の中で
 灰色のオオカミに食べられる羊
 あなたはその最初じゃない

mouton loup


Tu n'es pas le premier marin
Abandonné dans l'océan
Et dont les appels au secours
Sont anéantis par le vent

 海に投げ出され
 助けを求める叫びが
 風で妨げられる船乗り
 あなたはその最初じゃない

Tu n'es pas le premier guignol
Qui rate son lever de rideau 注2
Et que le cruel Père Fouettard 注3
Envoi valser sur les tréteaux 注4

 前座をしくじって
 残酷なフタール神父に
 演台の上に放り出される道化者
 あなたはその最初じゃない

Tu n'es pas le premier oiseau
Qui s'asphyxie dans sa cage
Tu n'es pas le premier roman
Dont je n’veux plus tourner les pages

 檻の中で窒息する小鳥
 あなたはその最初じゃない
 私がもうページをめくりたくない小説
 あなたはその最初じゃない

livre abandonné


Mais si ça peut te consoler
Ça n'arrive pas seulement à toi
Ce que je viens de te chanter
D'autres me l'ont dit autrefois

 でもそれがあなたの慰めになるとしたら
 あなただけに起こることじゃない
 私があなたに歌って聞かせたのは
 かつて別の男たちが私に言ったことなのよ

Tu n'es pas la première guitare
Dont les cordes se sont brisées
Tu n'es pas le premier garçon
À qui l'on dit c'est terminé

 弦が切れたギター
 あなたはその最初じゃない
 「もうおしまいよ」と告げられる男の子
 あなたはその最初じゃない

broken guitar


Mais si ça peut te consoler
Ça n'arrive pas seulement à toi
Ce que je viens de te chanter
D'autres me l'ont dit autrefois

 でもそれがあなたの慰めになるとしたら
 あなただけに起こることじゃない
 私があなたに歌って聞かせたのは
 かつて別の男たちが私に言ったことなのよ

[注] 何か所か、訳文の都合で能動態を受動態として訳した。
1 des billes de loto「(一種の宝くじである)ロト・ゲームに用いられる玉」。avoir des yeux en billes de loto「どんぐり眼(まなこ)である」
2 un lever de rideau「前座劇」。le lever du rideauは「開幕」
3 Père Fouettard「フタール神父」は、聖ニコラの日の聖ニコラの巡回に同行し、石炭の塊を分配したり、いたずらな子供たちに鞭を与えたり、行儀の良い人たちに贈り物を与えたりするキャラクター。ここでは鞭を与えている。
4 Envoyer valser qn./qc.「…を首にする、放り出す」



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2023
12.26

生きる Vivre

Notre-Dame de Paris


以前とりあげた「カテドラルの時代Le temps des cathédrales」 と同様、ミュージカル「ノートルダム・ド・パリNotre-Dame de Paris」の曲で、エスメラルダEsméraldaがフェビュス・ド・シャトーぺールPhœbus de Châteaupersを想う気持ちを表した「生きるVivre」。台本・作詞:リュック・プラモンドンLuc Plamondon, 作曲:リッカルド・コッチャンテRiccardo Cocciante。

エレーヌ・セガラHélène Ségaraは、可動式の大きな石の上で歌っています。



Vivre  生きる

La nuit est si belle
Et je suis seule
Je n'ai pas envie de mourir
Je veux encore chanter
Danser et rire
Je ne veux pas mourir
Mourir
Avant d'avoir aimé

 夜はうるわしく
 私はひとり
 死にたくはない
 まだ歌って
 踊って笑いたい
 死にたくはない
 愛を成し遂げるまでに
 死にたくない

Vivre
Pour celui qu'on aime
Aimer
Plus que l'amour même
Donner
Sans rien attendre en retour

 生きる
 愛する人のために
 愛する
 愛そのものをも超えて
 捧げる
 見返りに何も求めることなく

Hélène Ségara3


Libre
De choisir sa vie
Sans un anathème
Sans interdit

 自由だ
 生き方を選ぶのは
 呪いもなく
 禁じられることもなく

Libre
Sans Dieu ni patrie
Avec pour seul baptême
Celui de l'eau de pluie

 自由だ
 神も祖国もなく
 唯一の洗礼として
 雨のしずくを受けて

Vivre
Pour celui qu'on aime
Aimer
Plus que l'amour même
Donner
Sans rien attendre en retour

 生きる
 愛する人のために
 愛する
 愛そのものをも超えて
 捧げる
 見返りに何も求めることなく

Hélène Ségara2


Ces deux mondes qui nous séparent
Un jour seront-ils réunis
Oh ! je voudrais tellement y croire
Même s'il me faut donner ma vie
Donner ma vie
Pour changer l'histoire

 私たちを引き裂くこの二つの世界が
 いつの日か一つになるだろう
 ああ!それをひたすら信じたい
 たとえこのいのちを捧げねばならなくても
 物語を転じるために
 このいのちを捧げねば

Vivre
Pour celui qu'on aime
Aimer
Plus que l'amour même
Donner
Sans rien attendre en retour

 生きる
 愛する人のために
 愛する
 愛そのものをも超えて
 捧げる
 見返りに何も求めることなく

Aimer
Comme la nuit aime le jour
Aimer
Jusqu'à en mourir d'amour
Jusqu'à en mourir d'amour

 愛する
 夜が日を愛するように
 愛する
 愛のために死するまで
 愛のために死するまで

Hélène Ségara1



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