2018
06.15

カエルLa grenouille

Francis Lemarque La grenouille


「カエルLa grenouille」というメルヘンティックな曲は、「兵隊が戦争に行くときQuand un soldat」や「ア・パリÀ Paris」を作詞・作曲したフランシス・ルマルクFrancis Lemarqueが1955年に作詞・作曲しました。
「三つの願いを叶えてもらう」という設定はグリム童話の「三つの願い」を思わせますが、これは、貧乏な人が神さまを家に泊めてもてなし、お礼として三つの願いを叶えてもらい幸せになった。それを知った金持ちは自分も神さまに三つの願いを叶えてもらったが、欲張ったために願い方を失敗してたいへんな目にあったというお話。また、グリム童話には「かえるの王様」という変身譚があります。王子がカエルに変身させられていて、王女がそのカエルを壁に叩きつけたことで人間に戻り、二人は幸せになったというお話。
この歌は、この二つのグリム童話を合体したような内容です。男の子が捕まえたカエルを逃がしてあげて、三つの願いを叶えてもらいます。二つはお金と権力。それでも幸せにならない彼は三つ目の願いとして「愛」を望んだところ、カエルが美しい娘に変身して恋人になったというお話。カエルgrenouilleは女性名詞なので女性にしたのでしょう。でも人間の娘がカエルに変身させられていたのが人間にカエるのではなく、カエルは自身の姿をカエることで彼の願いを叶えたわけです。めでたしめでたし!
なお、私が時々参照するネット上の隠語辞書Bobによると、カエルgrenouilleは娼婦を意味する隠語でもあります。「猫の歌Chanson du chat」と同様、エリック・サティErik Satieの歌曲集「潜水人形Ludions」に入っている「アメリカの蛙La grenouille américaine」に描かれているカエルはそのようです。蛇足でした…



イヴェット・ジローYvette Giraudの歌でも知られています。



La grenouille    カエル
Francis Lemarque フランシス・ルマルク


Un garçon part en vadrouille
Au bord d'un étang
Il attrape une grenouille
Qui dit en tremblant :
"Laisse-moi m'en aller
Et je te promets
De réaliser
Trois de tes souhaits"

 ある男の子が池のほとりに
 散歩に行った
 彼は一匹のカエルをつかまえた
 するとカエルは震えながら言った
 「私を逃がして
 そうしたらあなたに約束するわ
 あなたの願いを
 三つ叶えるって」

La grenouille1


"Fais un vœu, mon bonhomme
Car je peux, mon bonhomme
Si tu veux, mon bonhomme
Te donner le bonheur"

 「ひとつ願いごとをなさい、あなた
 だってわたしはね、あなた
 あなたが望むなら、あなた
 しあわせをあげることができるのよ」

Tout surpris par ce langage
Il lui dit : "Je veux
Beaucoup d'or dans mes bagages
Des habits soyeux."
Mais au bout d'un mois
Il revint la voir
Et lui demanda :
"Donne-moi la gloire."

 この言葉にとっても驚いて
 彼はカエルに言った「僕は欲しいな
 この荷物にたくさんの金を
 たくさんの絹の服を。」
 だがひと月後
 彼はカエルにまた会いに行った
 そして頼んだ
 「栄光を与えておくれ。」と

"Fais un vœu, mon bonhomme
Car je peux, mon bonhomme
Si tu veux, mon bonhomme
Te donner le bonheur"

 「ひとつ願いごとをなさい、あなた
 だってわたしはね、あなた
 あなたが望むなら、あなた
 しあわせをあげることができるのよ」

La grenouille2


De tous les puissants sur Terre
Il devint le roi
Mais dans son cœur solitaire
Y avait pas de joie
Il revint un jour
Triste et malheureux
"Donne-moi l'amour
C'est mon dernier vœu."

 地上を制する諸力のすべてで
 彼は王になった
 だが孤独な心のなかには
 喜びはなかった
 彼はある日またやって来た
 悲しくて不幸な様子で
 「愛を与えておくれ
 僕の最後の願いだ。」

"Ce vœu-là, mon bonhomme
Tu l'auras, mon bonhomme
Et cela, mon bonhomme
Sera le vrai bonheur"

 「その願い、あなた
 叶えてあげるわ、あなた
 それはね、あなた
 本当の幸せになるわ」

Poussant une plainte étrange
La grenouille alors
Devant lui soudain se change
En fille aux cheveux d'or
La main dans la main
Ils s'en sont allés
Et sur leur chemin
Les oiseaux soufflaient :

 奇妙なうめき声を上げて
 カエルは
 彼の前で突然に変身した
 金色の髪の娘に
 手に手を取って
 彼らは行った
 彼らの行く道には
 小鳥たちがさえずっていた

La grenouille3


"Sois heureux, mon bonhomme
Car ton vœu, mon bonhomme
Pour toujours, mon bonhomme
T'a donné le bonheur"

 「幸せになってよ、あなた
 だってあなたの願いはね、あなた
 いつまでも、あなた
 あなたに幸せを与えてくれるわ。」


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2018
06.03

なおも君に愛をJ'te l'dis quand même

Patrick Bruel Jte ldis quand même


今回はパトリック・ブリュエルPatrick Bruelの「なおも君に愛をJ'te l'dis quand même」です。ブリュエル自身の作詞・作曲で、1989年のアルバム:Alors regardeに収録されています。タイトルを直訳すると「それでも僕は君にそれを言う」ですが、「それ」とはJe t’aimeという言葉のことです。今までも「それ」を言い過ぎたけれど、別れたのちも「それ」を言い続けるよ、と。邦題は新たにつけました。



イスラエル系のシンガー・ソングライターのアミールAmir Haddadがこの曲をカヴァーしています。これは、ブリュエルといっしょにステージで歌っている動画です。



J'te l'dis quand même なおも君に愛を
Patrick Bruel      パトリック・ブリュエル


On aurait pu se dire tout ça
Ailleurs qu'au café d'en bas 注1
Que t'allais p't être partir
Et p't être même pas revenir
Mais en tout cas, ce qui est sûr
C'est qu'on pouvait en rire

 僕たちはそうしたことをすべて話し合うこともできた
 君がたぶん去ることになり
 そしてたぶん戻って来ることもなくなるだろう
 下のカフェ以外のところでね
 だがいずれにせよ、確かなのは
 笑ってすませられたということだ

Alors on va s'quitter comme ça
Comme des cons devant l'café d'en bas
Comme dans une série B 注2
On est tous les deux mauvais
On s'est moqué tellement d'fois
Des gens qui faisaient ça 注3

 僕たちはこうして別れようとしている
 下のカフェの前にいるバカなやつらのように
 B級映画に見るように
 僕たちはふたりとも愚か者だ
 こんな風に破局を迎えた人たちを
 僕たちは何度もバカにしてたのに

Patrick Bruel4


Mais j'trouve pas d'refrain à notre histoire
Tous les mots qui m'viennent sont dérisoires
J'sais bien que j'l'ai trop dit
Mais j'te l'dis quand même, je t'aime

 だが僕たちの恋物語にリフレインはない
 浮かんでくる文句はすべて取るに足りないものだ
 僕はあまりにもこの言葉を言い過ぎたことは分かっている
 それでもなおこの言葉を君に言いたい、ジュテーム

J'voulais quand même te dire merci
Pour tout le mal qu'on s'est pas dit 注4
Certains rigolent déjà
J'm'en fous, j'les aimais pas
On avait l'air trop bien
Y en a qui n'supportent pas

 それでもなお君にありがとうと言いたい
 僕たちが何も悪い言葉をぶつけ合うことがなかったことを
 あるやつらはもうせせら笑っている
 僕は気にしない、そんなやつらは嫌いだ
 僕たちはあまりにもいい感じだった
 それが鼻持ちならないってやつらがいたのさ

Patrick Bruel3


Mais j'trouve pas d'refrain à notre histoire
Tous les mots qui m'viennent sont dérisoires
J'sais bien que j'l'ai trop dit
Mais j'te l'dis quand même, je t'aime

 だが僕たちの恋物語にリフレインはない
 僕に浮かんでくる文句はすべて取るに足りないものだ
 僕はあまりにもこの言葉を言い過ぎたことは分かっている
 それでもなおこの言葉を君に言いたい、ジュテーム

J'sais bien que j'l'ai trop dit
Mais j'te l'dis quand même, je t'aime

 僕はあまりにもこの言葉を言い過ぎたことは分かっている
 それでもなおこの言葉を君に言いたい、ジュテーム

Je t'aime

 ジュテーム

[注]
1 d'en bas「階下の」。上の階のアパルトマンに住んでいるということか。
2 (film de) série B「B級(低予算)映画」
3 この行は意訳した。
4 この行も意訳した。
5 j'l'ai trop ditと次行のj'te l'disのleは、冒頭の解説に書いたように、je t'aimeという言葉。




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2018
05.20

悲しみよさようならAdieu tristesse

John William Adieu tristesse


1959年の映画「黒いオルフェOrfeu negro」には、先にご紹介したダリダDalidaが歌った「オルフェの歌La chanson d'Orphée」と同様、フランス語版を多くの歌手が歌っている曲がもうひとつあります。「フェリシダードA Felicidade」(作曲:アントニオ・カルロス・ジョビンAntônio Carlos Jobim、作詞(スペイン語):ヴィニシウス・ド・モラエスVinicius de Moraes)です。フランス語版のタイトルは「悲しみよさようならAdieu tristesse」です。YouTubeでは、グロリア・ラッソGloria Lassoティノ・ロッシTino Rossiイヴェット・ジローYvette Giraudイザベル・オーブレIsabelle Aubretが聴けますが、映画の主人公と似た、黒人系の歌手ジョン・ウィリアムJohn William(1922-2011)を選ぶことにいたしました。ギタリストのジョン・ウィリアムズJohn Williamsではありません。彼は、ゴスペルや黒人霊歌をフランスで初めて紹介した歌手として知られます。第2次大戦中はレジスタンス運動に身を投じ、1950年代から70年代中心にかけて歌手として活動し、350曲以上録音し、2005年にはレジョン・ドヌール勲章を授与されました。

映画のなかのアゴスティーニョ・ドス・サントスAgostinho dos Santosの歌。スペイン語




ジョン・ウィリアム



Adieu tristesse 悲しみよさようなら
John William   ジョン・ウィリアム


Tristesse, adieu tristesse un soir de carnaval
Oui mais le bonheur n'est qu'une larme
Qui tremble sur le bord de chaque fleur
Brillant dans l'ombre, à la fin elle tombe
Ce sont les premiers pleurs de notre cœur

 悲しみよ、悲しみよさようなら カーニヴァルの夜に
 ああ、だが幸せはひとつぶの涙にすぎない
 その涙は花の縁で震え、
 陰できらめきつ、ついには落ちる
 それは僕たちの心が初めて流す涙だ

Adieu tristesse1


Le bonheur du pauvre est vraiment dans l'ivresse
Que va lui donner le carnaval
Le pauvre travaille sans cesse, sans cesse,
Pour oublier sa misère, au milieu de la lumière
Il est comme un prince à l'allure fière
Mais son bonheur finit après la nuit

 貧しい者の幸せはまさしくカーニヴァルがもたらす
 酩酊のなかにある
 貧しい者は休みなく、休みなく働く、
 わが身の惨めさを忘れるために、光のただなかで
 彼は威厳ある王子のようだ
 だが彼の幸せは夜が過ぎると終わる

Adieu tristesse2


Tristesse, adieu tristesse un soir de carnaval
On doit profiter de sa jeunesse
Pour rire et pour s'aimer tout simplement
Il faut bien vivre avant que disparaisse
L'envie de s'amuser quand il est temps
L'envie de s'amuser quand il est temps
Tristesse, adieu tristesse...

 悲しみよ、悲しみよさようなら カーニヴァルの夜に
 自分の青春を役立てねば
 ただ笑い愛し合うために
 時が来て楽しみたい欲求が
 時が来て楽しみたい欲求が
 費えるまでは生きるんだ
 悲しみよさようなら…



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2018
05.13

あたし…ロリータMoi…Lolita

Alizée Moi…Lolita


ミレーヌ・ファルメールMylène Farmer は、長年にわたって、自作の歌詞「あたし…ロリータMoi…Lolita」を歌える歌手を探していましたが、2000年にポップスシンガーのアリゼAlizéeを発掘し、歌わせたところ、シングル盤はヨーロッパ全土で合計300万枚以上を売り上げる大ヒットとなりました。以後、作詞:ファルメール、作曲:ローラン・ブトナLaurent Boutonnatによる曲のアルバムを2枚発表しました。
「ロリータLolita」とはもともと、ロシア生まれのアメリカ合衆国の作家、ウラジーミル・ナボコフVladimirovich Nabokovの小説のタイトル。これは少女性愛者ハンバート・ハンバートと、彼が心惹かれた少女ドロレス・ヘイズとの関係を描いた長編で、パリで1955年に出版されたのち、1958年にアメリカで出版されベストセラーとなりました。ヒロインの愛称である「ロリータ」は魅惑的な少女の代名詞となり、ロリータ・コンプレックス(ロリコン)といった派生語も生まれました。ファルメールのこの曲では、ロリータという名前の中学生の女の子をロリコンの対象となる女の子風に描いています。



歌詞と英訳が入った動画



Moi…Lolita あたし…ロリータ
Alizée    アリゼ


Moi je m'appelle Lolita
Lo ou bien Lola
Du pareil au même
Moi je m'appelle Lolita
Quand je rêve aux loups 注1
C'est Lola qui saigne
Quand fourche ma langue, 注2
J'ai là un fou rire
Aussi fou qu'un phénomène 注3
Je m'appelle Lolita
Lo de vie, lo aux amours diluviennes 注4

 あたしロリータ
 ローとかローラでも
 おんなじよ
 あたしロリータ
 オオカミたちを夢見るとき
 血を流すのはローラ
 うっかり言い間違えたとき、
 あたしったらメチャ笑いするの
 変人みたいにメチャに
 あたしロリータ
 いのちの水のロー、愛があふれんばかりのローよ

Alizée3


C'est pas ma faute
Et quand je donne ma langue aux chats 注5
Je vois les autres
Tout prêts à se jeter sur moi
C'est pas ma faute à moi
Si j'entends tout autour de moi
Hello, helli, t'es A 注6
Moi Lolita

 あたしのせいじゃないわ
 そして、あたしが降参したとき、
 今にも飛びかかってきそうな
 人たちが目に入るの
 あたしのせいじゃないわ
 あたしのまわりで聞こえてきちゃうとしたら
 「ハロー、エリ、君は(僕の…)」って
 あたしロリータ

Alizée2


Moi je m'appelle Lolita
Collégienne aux bas
Bleus de méthylène 注7
Moi je m'appelle Lolita
Coléreuse et pas
Mi-coton, mi-laine
Motus et bouche qui n'dis pas 注8
À maman que je suis un phénomène
Je m'appelle Lolita
Lo de vie, lo aux amours diluviennes

 あたしロリータ
 メチレンブルーの
 ストッキング穿いた女子中学生よ
 あたしロリータ
 怒りっぽかったり、そうじゃなかったり
 コットンとウールの混紡よ
 しっ、言わないで
 ママに、あたしが変な子だって
 あたしロリータ
 いのちの水のロー、愛があふれんばかりのローよ

{Refrain}

Alizée1


[注]
1 loup「オオカミ」は性悪な者の例えに用いられるが、ここではうぶな女の子を狙う悪い男で、ロリータはそれを夢見て待っている。
fourcherの原義は「フォークを使って仕事する」「分岐する」だが、この場合、主語はma langueで「言い間違える」の意味。
2 Loはl'eau「水」とかけている。eau de vieは直訳すると「いのちの水」だが「ブランデー、強い蒸留酒」の意味。
3 phénomène本義は「現象」だが、「異常な事」「(見世物の)奇形の人間」「変人」の意味もある。
4 amourは男性名詞だが、文語では複数形が女性名詞扱いされることがあり、diluvien「大洪水の、あふれんばかりの」が女性形になっている。
5 donner sa langue au(x) chat(s)直訳すると「猫に舌をあたえる」だが、解決法、答えが見つからないときに「さじを投げる、兜を脱ぐ」ことを言う。
6 Helloは英語の「ハロー」で、 helliはそれを語尾変化させた形だがが、héli-「太陽の」という接頭辞を思わせる。そのあと、t'es Aで終わっているように聴こえるが、歌詞サイトの表記ではt'es A (L.O.L.I.T.A.) となっている。
意味的には、A=àで、次行のmoiとつながりt'es à moi 「君は僕のもの」ということか。
7 méthylène有機化学における「メチレン(基)」。bleus de méthylène「メチレンブルー、青色塩基性染料」。
8 motus「黙れ、しっ」という感嘆詞。bouche qui n'dis pas ...「…と言わない口」というのは直訳すると妙だが意味は通じる。




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2018
04.22

素晴らしい一日C'est une belle journée

Mylène Farmer Cest une belle journée


ミレーヌ・ファルメールMylène Farmerの「素晴らしい一日C'est une belle journée」作詞:ファルメール自身、作曲:ローラン・ブトナLaurent Boutonnat。2001年に2枚組みのアルバム:Les motsに収録され、翌2002年にシングルリリースされ、ディスク・ドールを獲得しました。
ファルメールの歌詞は、頭では分かりにくいし邦訳しにくいけど、感覚や情念として分かる…かな。歌詞のルフラン部分で、je vais me tuer「私は死のうとしている」としていた部分を、ファルメールは不安定な人たちを自殺に誘うことを案じて、je vais me coucher「私は眠りにつく」と変えたそうです。元の形だと、une belle journée「ひとつの素晴らしい一日」とは「一生」のことだったのでしょうか。

映像はファルメールの描いたイラストをもとにブノワ・サバティーノBenoît Di Sabatino が作ったアニメーションだそうです。



C'est une belle journée 素晴らしい一日
Mylène Farmer      ミレーヌ・ファルメール


{Couplet 1}
Allongé le corps est mort
Pour des milliers c'est un homme qui dort
À moitié pleine est l'amphore
C'est à moitié vide qu'on la voit sans effort
Voir la vie, son côté pile
Oh, philosophie, dis-moi des élégies
Le bonheur, lui me fait peur d'avoir tant d'envies 注1
Moi, j'ai un souffle au cœur, aussi 注2

 横たわり体は死んでいる
 多くの人にはそれは眠る人
 壺は半分満たされている
 それが半分空だということは難なく見てとれる
 人生を、その裏側を見ること
 おお、哲学よ、私に哀歌を教えて
 しあわせ、それは私に多くの欲望を持つことを怖れさせる
 私には、心音の乱れもある

{Refarin
C'est une belle journée, je vais me coucher
Une si belle journée qui s'achève
Donne l'envie d'aimer mais, je vais me coucher
Mordre l'éternité à dents pleines

 素晴らしい一日だったわ、私は眠りにつく
 とても素晴らしい一日は終わる
 愛したい気にさせて欲しいけど、私は眠りにつくの
 永遠にしっかり噛りつくのよ

Cest une belle journée1


C'est une belle journée, je vais me coucher
Une si belle journée, souveraine donne l'envie d'aimer
Voir des anges à mes pieds mais, je vais me coucher
M'faire la belle 注3

 素晴らしい一日だったわ、私は眠りにつく
 とても素晴らしい一日、王様、愛したい気にさせて欲しい
 天使たちが足元に見えるけど、私は眠りにつくの
 私は逃げ出すのよ

{Couplet 2}
Allongé le corps est mort
Pour des milliers c'est un homme qui dort
À moitié pleine est l'amphore
C'est à moitié vide que je la vois encore
Tout est dit puisqu'en amour
Si c'est du lourd, si le cœur léger 注4
Des élégies toujours
Les plaisirs, les longs, les courts
Vois-tu mon amour
Moi, j'ai le souffle court, vois-tu

 横たわり、体は死んでいる
 多くの人にはそれは眠る人
 壺はなかば満たされている
 それが半分空だってことをもう一度私は見てとる
 周知のことながら、恋をしていると
 たとえそれが重苦しいものでも、心は軽くても
 哀歌は常にある
 歓びも、長いのも、短いのも
 分かるかしらあなた
 私、息切れするの、分かるかしら

{Refrain}
C'est une belle journée, je vais me coucher
Une si belle journée qui s'achève
Donne l'envie d'aimer mais je vais me coucher
Mordre l'éternité à dents pleines
C'est une belle journée, je vais me coucher
Une si belle journée, souveraine donne l'envie d'aimer
Voir des anges à mes pieds mais, je vais me coucher
M'faire la belle

 素晴らしい一日だったわ、私は眠りにつく
 とても素晴らしい一日は終わる
 愛したい気にさせて欲しいけど、私は眠りにつくの
 永遠にしっかり噛りつくのよ
 素晴らしい一日だったわ、私は眠りにつく
 とても素晴らしい一日、王様、愛したい気にさせて欲しい
 天使たちが足元に見えるけど、私は眠りにつくの
 私は逃げ出すのよ

{Pont}
Belle, la vie est belle
Comme une aile qu'on ne doit froisser
Belle, la vie est belle
Mais je vais là
Belle, la vie est belle
Mais la mienne, un monde emporté
Elle, j'entre en elle et mortelle, va 注5

 美しい、人生は美しい
 傷つけちゃいけない一ひらの翼のように
 美しい、人生は美しい
 けれど私はそこに行く
 美しい、人生は美しい
 けれど私の人生は、奪い去られた世界
 私の人生、私はそこに入り込み死すべきさだめ、そう

Cest une belle journée2


{Refrian}
C'est une belle journée, je vais me coucher
Une si belle journée qui s'achève
Donne l'envie d'aimer mais je vais me coucher
Mordre l'éternité à dents pleines
C'est une belle journée, je vais me coucher
Une si belle journée, souveraine donne l'envie d'aimer
Voir des anges à mes pieds mais, je vais me coucher
M'faire la belle

 素晴らしい一日だったわ、私は眠りにつく
 とても素晴らしい一日は終わる
 愛したい気にさせて欲しいけど、私は眠りにつくの
 永遠にしっかり噛りつくのよ
 素晴らしい一日だったわ、私は眠りにつく
 とても素晴らしい一日、王様、愛したい気にさせて欲しい
 天使たちが足元に見えるけど、私は眠りにつくの
 私は逃げ出すのよ

C'est une belle journée, je vais me coucher
Une si belle journée qui s'achève
Donne l'envie d'aimer mais je vais me coucher
Mordre l'éternité à dents pleines
C'est une belle journée, je vais me coucher
Une si belle journée, souveraine donne l'envie d'aimer
Voir des anges à mes pieds mais, je vais me coucher
M'faire la belle

 素晴らしい一日だったわ、私は眠りにつく
 とても素晴らしい一日は終わる
 愛したい気にさせて欲しいけど、私は眠りにつくの
 永遠にしっかり噛りつくのよ
 それは素晴らしい一日、私は眠りにつく
 とても素晴らしい一日、王様、愛したい欲求を与えて
 天使たちが足元に見えるけど、私は眠りにつくの
 私は逃げ出すのよ

[注]
1 luiは一般に人を受けるが、混同のない文脈では物を受けることもある。ここではle bonheurを受けると判断される。
2 souffle au cœur「心臓の不整音」
3 se faire la belle「逃げ出す」
4 lourdは形容詞だが名詞化され、抽象名詞を具象化するような形で部分冠詞が付けられている。2行あとのles longsと les courtsも形容詞を名詞化している。
5 vaはaller「行く」の直説法現在・3人称・単数形;命令法・2人称・単数形だが、感嘆詞として「さあ、本当に、まあ、きっと」といった意味で用いられる。




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2018
04.15

最後のワルツFais-moi valser

Edith Piaf Fais-moi valser


エディット・ピアフEdith Piafの「最後のワルツFais-moi valser」は、恋人に別の女性ができ、辛い心を抑えながら相手にさよならを言う内容です。1935年。作詞:Vincentelli Joseph Antoine、作曲:Borel Clerc Charles。グロリア・ラッソGloria Lassoの「ボン・ヴォワヤージュBon voyage」やイヴェット・ジローYvette Giraudの「アデューAdieu」と同様に。
ザジZazieの「わたしは要らないJ'envoie valser」のvalserは「ほうり出される」という特殊な意味ですが、この曲では普通に「ワルツを踊る」の意味で、恋人に、「別れのワルツを踊りましょう」というのです。私は、千昌夫の「星影のワルツ」(1966年)を思い出します。こちらは、大学時代、恋人と別れた頃に流行っていました。そう…「冷たい心じゃないんだよ」ってね。



Fais-moi valser  最後のワルツ
Edith Piaf      エディット・ピアフ


Le jazz reprend pour nous sa valse d'amour.
Pourtant, du beau roman, c'est le dernier jour.
J'ai mal, mais devant toi, je n'ose pas pleurer,
Puisque tout est fini, avant de nous quitter: 

 ジャズは私たちのために愛のワルツをまた始める。
 でも、今日は美しい物語の最後の日。
 私はつらい、けれどあなたの前で、泣いたりしないわ、
 すべては終わってしまったから、お別れする前に:

{Refrain:}
Fais-moi valser une dernière fois.
Serre-moi tout près de toi.
Dis-moi tout bas de jolis mots d'amour,
Les mêmes qu'au premier jour.
Berce-moi doucement comme un oiseau blessé
Dans tes bras, un instant, je veux encore rêver.
Comme un reflet de mon bonheur passé,
Mon amour, fais-moi valser.

 私に最後のワルツを踊らせて。
 ぴったりと私を抱き寄せて。
 初めての日と同じ、
 甘い愛の言葉をそっとささやいて。
 傷ついた小鳥のように私をやさしく抱いて
 あなたの腕のなかに、ひと時のあいだ、私はまだ夢見ていたいの。
 過ぎ去った幸せの余韻のように、
 いとしい人、私にワルツを踊らせて。

Fais-moi valser6


Sur terre, tu sais bien, je n'avais que toi !
Tu veux déjà partir...je ne comprends pourquoi...
Chéri, elle attendra...je l'ai fait si souvent...
Va-t'en vers ton bonheur, si tu veux...mais avant :

 よくお分かりでしょう、この地上で、私にはあなたしかいなかったわ!
 あなたはもう出て行こうとしている…私にはなぜだか分からない…
 あなた、あのひとは待っていることでしょう…私が以前よく待ったように…
 お望みならあなたの幸せに向かってお行きなさい…でもその前に:

{Refrain}

Fais-moi valser5


Malgré que mon tourment pour toi, compte peu
Je n'ai qu'un seul désir...que tu sois heureux !
Je vivrai désormais avec ton souvenir...
Adieu mon bel ami ...mais avant de partir :

 私の悩みがあなたにとっては何でもなくとも
 あなたが幸せであるようにと…ただそれだけを願っているわ!
 これからは、私はあなたの思い出とともに生きていくわ…
 さようなら私のいとしい人…でも出て行く前に:

{Refrain}

[注] ここから、ルフランの言葉に続く。後続のルフランもその前の言葉から続く形になっている。



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2018
04.02

だからParce que

Serge Gainsbourg Parce que


シャルル・アズナブールCharles Aznavourの‘Parce que’は、アズナブール自身が作詞し、ギャビィ・ヴァーゲンハイムGaby Wagenheimが作曲した曲で、1955年のアルバム:Charles Aznavour chante Charles Aznavour, vol. 2に収録されています。
この曲をセルジュ・ゲンズブールSerge Gainsbourgが歌っているのをYouTubeで聴いてたいへん気に入りました。1985年の番組Jeu de la véritéに出演して、自分でピアノを弾いて歌っていますが、これとは違う音源で、ゲンズブールの曲の集大成である2011年のアルバム:Intégraleの18枚目に収録されているのと同じ音源のようです。これにはemission cinq six septという副題が付いているのですが、CDを買っていないので詳細は分かりません。

先日、スブリームさんのグループ・レッスンの帰りに、一人の歌仲間が、ゲンズブールがとてもセクシーに感じられて「ラ・ジャヴァネーズLa javanaise」を歌いたくなった、と言い出したので、つられて私も、亡くなったダンナとちょっと似ているのよ、なんて言ってパス入れの中から古い写真を出して見せたりしました。この歌を聴くと、彼女の言うことがますます頷けます。歌詞内容はまさしくアズナヴールですが、個人的な好みでゲンズブールの曲として出したいと思います。既存の邦題は無いようなので、「だから」としました。

アズナブール



ゲンズブール



Parce que      だから
Serge Gainsbourg セルジュ・ゲンズブール


Parc' que t'as les yeux bleus
Que tes cheveux s'amusent à défier le soleil
Par leur éclat de feu
Parc'que tu as vingt ans
Que tu croques la vie, comme à un fruit vermeil
Que l'on cueille en riant,
Tu te crois tout permis,

 君が青い目をしているから
 君の髪が持ち前の炎のまばゆさで
 太陽と張り合っているから
 君が二十歳だから
 ひとが笑いながら摘み取る
 赤い果実のように、君が人生をかじっているから
 君はすべてが思い通りになると思っていて,

Serge Gainsbourg2


Et n'en fais qu'à ta tête
Désolée un instant prête à recommencer,
Tu joues avec mon cœur, comme une enfant gâtée,
Qui réclame un joujou pour le réduire en miettes
Parc'que j'ai trop d'amour,
Tu viens voler mes nuits du fond de mon sommeil
Et fais pleurer mes jours.

 そして自分が思ったことしかやらない
 やり直すべき時に困惑している、
 君は僕の心と戯れる、甘やかされた子どものように、
 君はおもちゃを欲しがる、それを粉々にするために
 僕が愛を抱き過ぎているから、
 君は僕の眠りのさなかに僕の夜を奪いに来て
 僕の日々を嘆かせる。

Mais prends garde, chérie, je ne répond de rien
Si ma raison s'égare, et si je perds patience
Je peux d'un trait rayer nos cœurs d'une existence 注1
Dont tu es le seul but, et l'unique lien.

 だが気をつけろよ、いとしい人、僕は何も保証しない
 もしも僕の理性が道を外れたら、もし僕が辛抱しきれなくなったら
 君が唯一の目的で、唯一の絆である生き方から、
 僕は僕たちの心を一気に消し去ることができるんだ。

Parc'que je n'ai que toi
Mon cœur est mon seul maître et maître de mon cœur
L'amour nous fait la loi 注2
Parc'que tu vis en moi
Et que rien ne remplace les instant de bonheur
Que je prends dans tes bras
Je ne me soucierais, ni de Dieu ni des hommes
Je suis prêt à mourir si tu mourrais un jour
Car la mort n'est qu'un jeu
Comparée à l'amour
Et la vie n'est plus rien sans l'amour qu'elle nous donne
Parc'que je suis au seuil
D'un amour éternel je voudrais que mon cœur
N'en porte pas le deuil 注3

 僕には君しかいないから
 僕の心は僕の唯一の支配者で、僕の心の支配者たる
 愛は僕たちを支配するから
 君は僕のなかに住んでいるから
 君の腕のなかで僕が得る
 しあわせな瞬間に何も取って代われないから
 神も男たちも、僕は心配しない、
 いつか君が死んだなら僕は死ぬつもりだ
 だって愛に比べれば
 死は戯れに過ぎない
 そして人生が僕たちに与えてくれた愛、それのない人生は無だ
 僕は永遠の愛の入り口にいるんだから
 僕は望む
 僕の心が喪服をまとわないことを

Serge Gainsbourg1


Parce que
Parce que
Parce que ...

 だから
 だから
 だから…

[注]
1 d'un trait「一気に」
2 faire la loi「支配する」
3 porter le deuil「喪服を着る」



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2018
03.20

オルフェの歌La chanson d'Orphée

Dalida La chanson dOrphée


1959年のマルセル・カミュMarcel Camus監督のフランス・ブラジル・イタリア合作映画「黒いオルフェOrfeu negro」は、ヴィニシウス・ヂ・モライスMarcus Vinícius da Cruz e Mello Moraesの1956年の戯曲「オルフェウ・ダ・コンセイサゥン」を映画化したもので、ギリシア神話のオルフェウスの冥府下りのエピソードを、カーニバル真っ盛りの当時のブラジル、リオデジャネイロに舞台を移して描いており、フランス語版とポルトガル語版が同時に作られました。アントニオ・カルロス・ジョビンAntônio Carlos Jobimが担当したサウンドトラックにはボサノヴァの曲が多く含まれ、ルイス・ボンファLuiz Bonfáが作曲した「カーニヴァルの朝Manhã de carnaval」は特に知られています。この曲にFrançois Llenasがフランス語の歌詞を付け、ダリダDalidaが歌っています。「オルフェの歌La chanson d'Orphée」です。



La chanson d'Orphée オルフェの歌
Dalida           ダリダ


Le ciel a choisi mon pays
Pour faire un nouveau paradis
Au loin des tourments
Danse un éternel printemps
Pour les amants

 天はわが地を選ばれた
 新たな楽園を作ろうと
 苦しみから遠く逃れて
 恋人たちの
 永遠の春は踊る

Chante chante mon cœur
La chanson du matin
Dans la joie de la vie qui revient

 歌え、歌えわが心よ
 朝の歌を
 蘇る人生の喜びのなかで

Orfeu negro2


Matin fait lever le soleil
Matin à l'instant du réveil
Mais dans le cœur battant
De celui que j'attends
Un doux rayon d'amour
beau comme le jour

 朝は太陽を昇らせる
 朝、目覚めの時に
 けれど私が待つあの人の
 鼓動する胸のなかに
 陽光のように美しい
 愛の優しい光が

Chante chante mon cœur
La chanson du matin
Dans la joie de la vie qui revient

 歌え、歌えわが心よ
 朝の歌を
 蘇る人生の喜びのなかで

Orfeu negro1




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2018
03.11

君に委ねるJe m'en remets à toi

Charles Dumont Je men remets à toi


「君に委ねるJe m'en remets à toi」という曲は、1963年にエディット・ピアフ Édith Piafのために、ジャック・ブレルJacques Brelが作詞し、シャルル・デュモンCharles Dumontが作曲しましたが、彼女はその年、録音することなく亡くなり、翌年、シャルル・デュモン自身が歌っています。



Je m'en remets à toi 君に委ねる
Charles Dumont    シャルル・デュモン


Pour ce qui est de vivre 注1
Ou de ne vivre pas,
Pour ce qui est de rire
Ou de ne rire plus,
Je m'en remets à toi

 生きるか
 それとも生きないかを、
 笑うか
 それとももう笑わないかを、
 君に委ねる

Pour ce qui est d'aimer,
Pour une part de chance, 
Pour ce qui est d'espérer
Ou de désespérance,
Je m'en remets à toi

 ひとつの幸運として、
 愛することを、
 期待するのか
 それとも絶望かを、
 君に委ねる

Je men remets à toi2


Oui mais,
Pour ce qui est des pleurs,
Comme autant de cerises,
Pour ce qui est du cœur,
Qui se tord et se brise,
Je m'en remets encore,
Je m'en remets à moi

 ああだが、
 さくらんぼほど大粒の、
 涙は、
 きりきりと痛む
 心は、
 所詮は委ねられる
 僕に委ねられるのさ

Pour que ce soit demain  注2
Plutôt que le passé,
Pour que ce soit l'airain 注3
Plutôt que le laurier,
Je m'en remets à toi

 過去よりむしろ
 将来のことであるべく、
 桂冠よりむしろ
 ブロンズであるべく、
 君に委ねる

Je men remets à toi1


Pour que ce soit la vie
Plutôt qu'une saison,
Pour qu'elle soit symphonie
Plutôt qu'une chanson,
Je m'en remets à toi

 ひとつの季節というよりむしろ
 人生であるべく、
 ひとつの歌というよりむしろ
 シンフォニーであるべく、
 君に委ねる

Oui mais,
Pour accrocher aux branches
Notre amour qui vacille,
Pour briser la faucille 注4
Du temps qui se revanche,
Je m'en remets encore,
Je m'en remets à moi

 ああだが、
 揺れる僕たちの愛を
 枝にかけるには、
 報復せんとする時の神の
 鎌を打ち砕くには、
 所詮は委ねられる
 僕に委ねられるのさ

Je men remets à toi3


Tu vois,
Tu peux faire l'été
Tu vois,
Je peux porter l'hiver
Tu vois,
On peut appareiller, 注5
Tu vois,
On peut croquer la terre. 注6

 そうさ、
 君は夏を作り出せる
 そうさ、
 僕は冬を耐え忍べる
 そうさ、
 僕たちは対になれる、
 そうさ、
 僕たちは大地にかじりつけるのさ。

[注] s’en remettre à qn.は「…を…に任せる、委ねる、託す」の意味。
1 pour ce qui est de「…については」
2 pour que +subj.は目的・因果関係・判断の理由などを表す。
3 airain「青銅、ブロンズ」。laurier「月桂樹」すなわち、「一時的な栄冠」よりもd'airain「堅固な」方を選ぶということであろう。
4「時の神Chronus」と「大地および農耕の神Kronos」は発音が同じ「クロノス」なので混同される。後者は万物を切り裂くアダマスの鎌を武器とする。「死神La Mort」も魂を獲る大鎌を持つ。
5 appareillerは「(他動詞で)石に印をつけて切り出す、(自動詞で)出航する」と「(他動詞で)似たものを対にする」の2義がある。後者の意味で自動詞的に用いていると判断した。
6 croquer la terre「大地をかじる」は「この地上で生きていける」といった意味か。「クロケ」という発音と「大地」…注4の「大地および農耕の神」のほうのクロノスとの関連をふと考えてしまったが…。




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2018
03.01

愛は君のようL'amour te ressemble

Salvatore Adamo Une larme aux nuages


「愛は君のよう」という邦題で日本語で歌われるサルヴァトーレ・アダモSalvatore Adamoの曲の原題はL'amour te ressembleで、普通は「愛は君に似ている」と訳すことになるのですが、なんだかよく分かりません。歌詞には、君には以前に会った気がする、以前から知っていた気がするというデジャヴュ的な表現があり、君と僕とは“赤い糸で結ばれていた”んだということを言いたいようです。そう、ressemblerには「似ている」以外に「似合う、似つかわしい、ふさわしい」という意味もあり、そんな「ぴったり感」を表現しているのでしょう。歌詞中はこちらの意味で訳しましたが、邦題は「愛は君のよう」のままでいいでしょう。
先日取り上げた「ひとつぶの涙Une larme aux nuages」と同様、1968年のアルバム:J'ai tant de rêves dans mes bagagesに収録されています。





L'amour te ressemble 愛は君のよう
Salvatore Adamo    サルヴァトーレ・アダモ


Toi, l´amour te ressemble, si fort que j´en tremble
Et je me demande dans quel paradis perdu
Dans quelle légende, quel rêve où j´étais troubadour
J´ai pu te rencontrer un jour?

 君に、君にこそ愛はふさわしい、僕が身震いするほどに
 でもいったい どんな失楽の園で
 どんな伝説のなかで、僕が吟遊詩人になっているどんな夢のなかで
 ある日、君に出会えたんだろう?

Lamour te ressemble3


Toi, l´amour te ressemble, si fort qu´il me semble
Que j´ai connu tes yeux et ton sourire
Au pays merveilleux de mes délires!

 君に、君にこそ愛はふさわしい、まるで
 僕の妄想の不思議の国々で
 君の瞳と微笑みを見知っていたと思えるほど!

Toi, l´amour te ressemble, si fort que j´en tremble
Mais tu viens me surprendre quand je n´y croyais plus
Quand, lassé d´attendre, j´allais au fil de mes jours noirs
Perdu, le cœur au désespoir

 君に、君にこそ愛はふさわしい、僕が身震いするほどに
 だが君は不意にやって来る もう期待もしなくなったときに
 待ちくたびれて、暗い日々を過ごし
 絶望に心が落ち込んでいたときに

Lamour te ressemble2


Toi, l´amour te ressemble et cœur à cœur restons ensemble 注1
Et tu verras ma mie que dans la longue errance 注2
Qu´avait été ma vie sans ta présence
Tout te ressemble. 注3

 君に、君にこそ愛はふさわしい、心かよわせ共にいよう
 僕のいとしい人、君には分かるよ、長いさすらいのあいだ
 それが君なしの僕の人生だったが
 すべてが君を暗示していた。

[注]
1 cœur à cœur「率直に、胸襟を開いて」
2 mie「女友達、いとしい女」。ma mieをmamieと一語にすると「おばぁちゃん」。サン・トワ・マ・ミーSans toi, ma mie」。
3 これは「以前、どこかで君に会っていた」ということの総括であろう。ここはressemblerの訳語を変えた。




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