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2019
01.01

扉のページ

Category: 扉のページ
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このブログは、シャンソンの歌詞のご紹介がメインですが、イヴェント等のお知らせや各種の情報の記事も別のカテゴリーとして書いています。この「扉のページ」は各カテゴリーの記事への入り口です。カテゴリー名あるいは記事のタイトルをクリックするとそれぞれの扉が開きます。 ※スマホの場合はPCモードにしてご覧ください。

シャンソン歌詞・邦訳:原曲の歌詞とその邦訳をメインに、歌手や曲についての解説を適宜加えつつ曲を紹介しています。

最新記事 L'amour et la guerre愛と戦争:Charles Aznavour

掲載曲リスト:掲載した曲を原題のアルファベット順にリストアップしています。タイトルをクリックすればその曲のページが開けます。
リストを二つに分けました。
 掲載曲リストA~La
 掲載曲リストLe~Z

《アミカル・ド・シャンソン》:シャンソン(カンツォーネ・ラテン・ジャズ)を原語で歌う会《アミカル・ド・シャンソン》の活動内容のご紹介、日程、個々のイヴェントのご案内です。

 ドミニク・シャニョン《シャンソンセミナー》10月28日(日)。受講残り1枠。聴講可。
 《伊豆高原シャンソニエ》11月5日(月)「林間劇場」Pf上里知巳。14時~17時。予約不要
 《アミカル シャンソン コンサート》12月7日(金)開催決定。
 スブリームのシャンソンセミナー《マスタークラス》第4回12月9日(日)。受講枠満了。聴講者募集中。
 《アミカル・ド・シャンソン》へのお誘い
 《アミカル・ド・シャンソン》2018年度日程 
 ピアニストのご紹介
 
《東京日仏文化サロン》:《東京シャンソンコンクール》《大阪ヴォーカルコンクール》ほか《東京日仏文化サロン》が主催するイヴェントに関する記事です。
 
 《第3回大阪ヴォーカルコンクール》11月10日(土) 吹田市「メイシアター」本選出場者が決まりました
 来年の《第6回東京シャンソンコンクール》は5月5日(日)「杉並公会堂」
 来年の《東京パリ祭》は7月12日(金)「ヤマハ銀座スタジオ」

朝倉ノニーより:ブログ・オーナーとして皆さんにお伝えしたい情報、そしてまたちょっと個人的なことがらも…。
 
 インターヴュー

 コメントをいろいろいただきありがとうございます。拝見しておりますが、ここのところたいへん忙しくて気が回らずお返事できませんので、悪しからずご了承ください。記事の間違いを指摘いただいた場合は確認し、可能な限りご意見を反映いたします。(2018年3月)


 

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2018
12.09

スブリームのシャンソンセミナー《マスタークラス》

本年度は、スブリームのシャンソンセミナー《マスタークラス》を、3月25日、6月24日、10月7日、12月9日におこないます。
第4回東京シャンソンコンクールのフランス語部門入賞者のうち5名の方がスブリームさんの指導を受けた方々です。
その指導内容の素晴らしさをぜひ体験下さい。

第4回12月9日分は受講枠満了。聴講ご希望の方は、下のフライヤーに記載された電話番号・アドレスにお申し込みください。

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2018
12.07

《アミカル シャンソン コンサート》

だいぶ先ですが、《アミカル・ド・シャンソン》の年に1度のコンサートを12月7日に開催することが決まりました。伴奏は去年11月とそして今年7月のパリ祭のマティネと同様、ピアノ:関根忍、ベース:ドミニク・シャニョン、ドラム:チッコ・ソウマ。…アミカル・トリオと呼ばせていただきます。アミカルで演奏いただく時の名前としてですが。会場は去年同様、富士見が丘の「ブレーメンハウス」。出演者はこれから決まっていきます。

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2018
11.10

《第3回大阪ヴォーカルコンクール》

10月4日におこなわれた予備審査により、第3回大阪ヴォーカルコンクールの本選出場者が決まりました。下記の29名の方々です。11月10日(土)の本選会のチケットのお申し込みは下のフライヤーに記載の電話番号、アドレスまで。10月中は、応募用と同じ口座にお振込みいただき郵送します。11月1日以降は、ご予約いただき、当日受付にて清算となります。

安藤ゆきお   旅芸人のバラード   兵庫県
アンナ   もし貴方なら   大阪府
伊勢田好美   ポルトガルへの愛   兵庫県
糸井勇   それが貴方なら   京都府
枝川曉美   アラビア   滋賀県
太田倫代   ジュテーム   三重県
大西千夏   オーパパ   岡山県
岡田きよ子   ねぇ!仲間たち   兵庫県
岡本郁子   ヴィアナへ行こう   大阪府
カルロス松本   ラ・クンパルシータ   滋賀県
川西玲子   北の故郷   滋賀県
小嶋繁樹   青春の旅立ち   兵庫県
西條伊里也   熱愛   大阪府
坂井隆子   青空に住もう   福岡県
佐佐木眞智子   私はあなたのもの   京都府
シュウ岩田   シュゼット   兵庫県
SUZUKO   バラの咲く庭   兵庫県
千輝世美   歌おう愛の歓びを   兵庫県
龍田香住美   生きる時代   兵庫県
田中かよ   水に流して   兵庫県
どひかほる   想い出のソレンツァラ   京都府
富永順子   ピエロのリュリュ   京都府
夏紀   パリの空の下   東京都
藤田優子   さよならを教えて   兵庫県
松本洋子   遠い道   兵庫県
森田公司   スカーフ   兵庫県
柚希   ウエーブ   愛知県
吉井利明   黒い鷲   兵庫県
吉住克也   甘いささやき   東京都

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2018
10.28

ドミニク・シャニョン《シャンソンセミナー》

8月末に伊豆高原でおこなったドミニク・シャニョンの《シャンソンセミナー》はたいへん好評だったので、東京でも(宿泊無しで)開催することになりました。9月30日を予定しておりましたが、台風が懸念されるので10月28日(日)に延期いたします。
ドミニクはベーシストであるのみならずピアノも見事にこなしますので、自身で伴奏しつつ指導します。日本語も達者ですからご心配なく。受講はあと2名可能です。ご希望の方はお早めに、下記フライヤーに記載のアドレス・電話番号までお申し込みください。聴講のみもできます。その場合は3000円です。

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2018
10.21

愛と戦争L'amour et la guerre

Charles Aznavour Je mvoyais déjà


前回、反戦歌の古典として「ルノー王Le roi Renaud」を取り上げましたが、シャルル・アズナヴールCharles Aznavourの急逝の余韻が冷めやらぬ今、彼の歌った反戦歌を取り上げたいと思います。そう、歌っていたんです!「愛と戦争L'amour et la guerre」です。作詞:ベルナール・ディメイBernard Dimey、作曲:アズナヴール自身。1960年のアルバム:Je m'voyais déjàに収録されています。この曲は、クロード・オータン=ララClaude Autant-Lara監督の1961年のフランス・ユーゴスラヴィア・リヒテンシュタイン合作映画:Tu ne turas point(英題:Thou Shalt Not Kill なんじ殺すなかれ)、の主題歌。メル・ギブソンMel Gibsonの2016年の同名の映画とは別です。主演のスザンヌ・フロンSuzanne Flonが1961年のベネチア映画祭で主演女優賞を得ましたが、1963年にフランスで上映されただけであまり評判にならず、アズナヴールのこの曲もあまり注目されませんでした…。
この映画にはL'objecteur(兵役忌避者)という別名がありますが、アズナヴール自身、第2次世界大戦のとき、パリのアパルトマンに身を隠し、兵役にはつかなかったようです。




L'amour et la guerre 愛と戦争
Charles Aznavour  シャルル・アズナヴール


Pourquoi donc irais-je encore à la guerre
Après ce que j'ai vu, avec ce que je sais ?
Où sont-ils à présent les héros de naguère ? 注1
Ils sont allés trop loin chercher la vérité

 いったいどうして僕がまた戦争に行くというんだ
 自分がすでに目にしたのちに、自分がもう知っている事柄とともに?
 近年のヒーローたちは今どこにいるのか?
 彼らは真実を求めてあまりにも遠くに行ってしまった

Lamour et la guerre2


Quel que soit le printemps, les cigognes reviennent 注2
Que de fois, le cœur gros, je les ai vues passer
Elles berçaient pour moi des rêveries anciennes 注3
Illusions d'un enfant dont il n'est rien resté

 いつだって春になれば、コウノトリたちはまたやって来る
 幾たび、辛い思いで、僕は彼らを見送ったことか
 彼らは僕のために古い夢をはぐくんでくれた
 幼時の幻想はもう何も残っていない

Toutes les fleurs sont mortes aux fusils de nos pères
Bleuets, coquelicots, d'un jardin dévasté
J'ai compris maintenant ce qu'il me reste à faire
Ne comptez pas sur moi, si vous recommencez

 花々はすべてオヤジたちの銃のもとで死に絶えた
 荒れた庭の、ヤグルマギク、ヒナゲシ
 僕は今、自分に残された仕事を理解している
 僕を当てにしないでくれ、あんたがたがまたおっ始めるのなら

Lamour et la guerre1


Tout ce que l'on apprend dans le regard des femmes
Ni le feu, ni le fer n'y pourront jamais rien 注4
Car l'amour - et lui seul - survit parmi les flammes
Je ferai ce qu'il faut pour défendre le mien

 すべて女たちのまなざしのなかで伝えられるものには
 火だって鉄だって何の手出しもできやしない
 なぜって愛は、愛だけが、炎のなかで生き延びる
 僕はわが愛を守るためにやるべきことをやるんだ

Pourquoi donc irais-je offrir ma jeunesse
Alors que le bonheur est peut-être à deux pas ?
Je suis là pour t'aimer, je veux t'aimer sans cesse
Afin que le soleil se lève sur nos pas

 いったいどうして僕が自分の青春を捧げに行くというんだ
 幸せがすぐそこにあるってときに?
 僕は君を愛するためにここにいる、僕は君をたえず愛したい
 太陽が僕たちの足元から昇るために

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[注]
1 naguère=Il n’y a guère (de temps)「最近、少し前」
2 cigogneはコウノトリ科の鳥の総称。ヨーロッパには生息するのは、ドイツの民話で、赤ちゃんを運んでくるといわれるシュバシコウで、東洋に生息するコウノトリとは異なるが「コウノトリ」と訳した。
3 ellesは前行のlesとともに前々行のles cigognes(女性名詞)であるが、あえて「彼ら」と訳した。
4 feu「火」は「砲火、戦火…」fer「鉄」は「剣、鉄砲…」で、ともに戦争における武力や脅威を表す。n'y pouvoir rien「手の施しようが無い」 




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2018
10.15

ルノー王Le roi Renaud

Pierre Bensusan Le roi Renaud


竹村淳さんの著書「反戦歌 戦争に立ち向かった歌たち」(2018年。アルファベータブックス)を読みました。世界中の反戦歌を詳細な解説と反戦への熱いメッセージを込めて紹介するすばらしい本です。1番目に取り上げられているのは、13世紀頃に原型が作られたとても古い歌、「ルノー王の哀歌La complainte du Roi Renaud」。反戦歌の古典ともいうべき名曲です。歌詞の冒頭そのままの「ルノー王が戦争から帰還したLe roi Renaud de guerre revint」というタイトルでも呼ばれます。

Wikisourceにこの曲の解説がありますので引用いたします。
notes: Ceci n'est qu'une des très nombreuses versions (environ 60) de cette chanson. Son origine est assez complexe. Elle est issue de la greffe d'une chanson du XIII ème siècle qui raconte le retour du comte Renaud sur une chanson du XVIème (le comte Redor) issue d'une légende scandinave qui a fait fureur en Europe et engendré de nombreux textes dans divers pays.
これは約60ものヴァージョンのひとつにすぎない。その起源はかなり複雑だ。この曲は、ルノー伯爵の帰還を語る13世紀の歌を、「ルドール伯爵」というスカンジナビアの伝説によって作られた16世紀の歌に移植して作られた。この歌はヨーロッパで人気を博し、さまざまな国で数多くのテキストを生み出している。
(そしてあるサイトでは、それらのうちのブルターニュのテキストがこの曲の元になったのだろうと付け加えています。)

この曲をご自分の訳詞で歌っていらっしゃる別府葉子さんによると、イヴェット・ギルベールYvette Guilbertが採譜したことによって音楽史に登場したそうです。ちなみに竹村さん別府さんともに来る11月10日(土)の《大阪ヴォーカルコンクール》の審査員。
近年では、イヴェット・ギルベールYvette Guilbertのほか、コラ・ヴォケールCora Vaucaire、エディット・ピアフとシャンソンの友 Edith Piaf et les compagnons de la chanson、イヴ・モンタンYves Montant、フォークソング・グループのマリコムMalicorneなどが歌っています。それぞれに歌詞がかなり違います。

この記事では、もっと若い世代の歌手、ピエール・ベンスーザンPierre Bensusanを選びました。アルジェリア系フランス人のギタリストで、 スペインからアルジェリアへ移民してきたユダヤ人の一家に生まれ、後にアルジェリア独立戦争の騒乱から逃れフランスのパリで育つ。 とウィキペディアで紹介されている人です。1957年生まれで現役です。彼を選んだわけはフォークソング的な歌い方に好感を持ったことと、歌詞の最後のほうで、ヴォケールもモンタンも、妃は生まれた王子を共連れにしたという歌詞ですが、ベンスーザンの歌詞では、王子を人に託して妃ひとりが王のあとを追った、という私としては納得できる顛末だからです。タイトルはシンプルに「ルノー王Le roi Renaud」です。

コラ・ヴォケール



イヴ・モンタン

<


ピエール・ベンスーザン



Le roi Renaud   ルノー王
Pierre Bensusan  ピエール・ベンスーザン


Le roi Renaud de guerre revint
tenant ses tripes dans ses mains.
Sa mère était sur le créneau
qui vit venir son fils Renaud.

 ルノー王が戦争から帰った
 手にはらわたを持って。
 母君は胸壁上にいて
 息子ルノーがやってくるのを見た。

Roi Renaud3


– Renaud, Renaud, réjouis-toi!
Ta femme est accouché d’un roi! 注1
– Ni de ma femme ni de mon fils
je ne saurais me réjouir.

 「ルノー、ルノー、喜びなさい!
 あなたの妃が世継ぎをさずかりましたよ!」
 「妃も王子も
 私は喜ぶことができない。」

Allez ma mère, partez devant,
faites-moi faire un beau lit blanc.
Guère de temps n’y resterai:
à la minuit trépasserai.

 さあ母上、まず取り掛かってください、
 私にきれいな白い床を用意してください。
 時間はあまり残っていないでしょう、
 真夜中に私は身罷るでしょう。

Mais faites-le moi faire ici-bas
que l’accouchée n’entende pas.
Et quand ce vint sur la minuit, 注2
le roi Renaud rendit l’esprit..

 だが私のためここに作ってください
 産婦に聞かれないように。
 そして真夜中ごろになり、
 ルノー王は息を引き取った…

Roi Renaud4


Il ne fut pas le matin jour
que les valets pleuraient tous.
Il ne fut temps de déjeuner
que les servantes ont pleuré.

 従僕たちがみな泣いていたのは
 朝早くのことではなかった。
 召使たちが泣いたのは
 朝食の時間になってからのこと。

– Mais dites-moi, mère, m’amie, 注3
que pleurent nos valets ici ?
– Ma fille, en baignant nos chevaux 注4
ont laissé noyer le plus beau.

 「ねえ教えてください、いとしいお母様、
 従僕たちはなぜ泣いているんでしょう?」
 「娘や、馬に水浴びさせて
 一番美しい馬を溺れさせてしまったのよ。」

– Mais pourquoi, mère m’amie,
pour un cheval pleurer ainsi ?
Quand Renaud reviendra,
plus beau cheval ramènera.

 「でもなぜ、いとしいお母様、
 馬一頭のためあんなに泣いているのでしょう?
 ルノーが戻って来るときには、
 もっと美しい馬を連れて来ますわ。」

Et dites-moi, mère m’amie,
que pleurent nos servantes ici ?
– Ma fille , en lavant nos linceuls
ont laissé aller le plus neuf.

 「そしてまた、いとしいお母様、
 召使たちはなぜ泣いているのでしょう?」
 「娘や、敷布を洗っていて
 一番新しい敷布を流してしまったのよ。」

Mais pourquoi, mère m’amie,
pour un linceul pleurer ainsi ?
Quand Renaud reviendra,
plus beau linceul on brodera.

 「でもなぜ、いとしいお母様、
 敷布一枚のためあんなに泣いているんでしょう?
 ルノーが戻って来るときには、
 もっと美しい敷布を刺繍して用意しますわ。」

Roi Reraud7


Mais, dites-moi, mère m’amie,
que chantent les prêtres ici ?
– Ma fille c’est la procession
qui fait le tour de la maison.

 「でも、教えてください、いとしいお母様、
 神父たちはここでなぜ歌っているのですか?
 「娘や、あれは行列なの
 城を巡っているのよ。」

Or, quand ce fut pour relever,
à la messe elle voulut aller,
et quand arriva le midi,
elle voulut mettre ses habits.

 さて、床上げのときとなり、
 彼女はミサに行きたいと思った、
 正午になって、
 彼女は衣服を着けたいと思った。

– Mais dites-moi, mère m’amie,
quel habit prendrai-je aujourd’hui ?
– Prenez le vert, prenez le gris,
prenez le noir pour mieux choisir.

 「でも、教えてください、いとしいお母様、
 私は今日どんな服を着たらいいんでしょう?」
 「緑になさい、灰色になさい、
 黒になさいそれが一番いいわ。」

– Mais dites-moi, mère m’amie,
qu’est-ce que ce noir-là signifie
– Femme qui relève d’enfant,
le noir lui est bien plus séant.

 「でも教えてください、いとしいお母様、
 この黒はなにを意味するんでしょう?」
 「子どもを産んだ女には
 黒がとても似合うのよ。」

Quand elle fut dans l’église entrée,
un cierge on lui a présenté.
Aperçut en s’agenouillant
la terre fraîche sous son banc.

 彼女が教会に入ったとき、
 彼女に1本のろうそくが差し出された。
 ひざまずきながら気づいた
 ベンチの下の土が新しいことに。

Roi Renaud2


– Mais dites-moi, mère m’amie,
pourquoi la terre est rafraîchie?
– Ma fille, ne puis plus vous le cacher,
Renaud est mort et enterré.

 「でも、教えてください、いとしいお母様、
 なぜ土が新しくなっているの?」
 「娘や、もうこれ以上あなたに隠しておけないわ、
 ルノーは死んで埋められました。」

– Renaud, Renaud, mon réconfort,
te voilà donc au rang des morts!
Divin Renaud , mon réconfort,
te voilà donc au rang des morts!

 「ルノー、ルノー、わたしのよすが、
 あなたは死者の列に加わられたのね!
 すばらしいルノー、私のよすが、
 あなたは死者の列に加わられたのね!」

Puisque le roi Renaud est mort,
voici les clefs de mon trésor.
Prenez mes bagues et mes joyaux, 注5
prenez bien soin du fils Renaud.

 ルノー王が亡くなられたんですもの、
 これは私の財宝の鍵ですわ。
 私の指輪や宝石をお取りになって、
 ルノーの息子をよく看てやってください。

Terre, ouvre-toi, terre fends-toi,
que j’aille avec Renaud, mon roi!
Terre s’ouvrit, terre fendit,
et ci fut la belle englouti

 大地よ、開け、裂けよ、
 われもわが王ルノーとともに行かん!
 大地は開き、大地は裂け、
 ここに美しい女は飲み込まれた。

Roi Renaud5-1


[注]
1 accoucherは自動詞で「出産する」だが、ここでは他動詞「出産させる」の受動態となっている。意訳した。
2古語法ではceがêtre以外の動詞の主語にもされる。
3 m’amieはmon amieの古形ma amieで、「私のいとしい女」という意味。男が恋人を呼ぶ場合がもっぱらだが、ここでは女性同士で用いられている。この語に関しては、サルヴァトーレ・アダモSalvatore Adamoの「サン・トワ・マ・ミーSans toi ma mie」http://chantefable2.blog.fc2.com/blog-entry-211.htmlの記事を参照のこと。
4 ma filleは若い娘への呼びかけで、ここでは息子(王)の嫁(妃)に呼びかけている。
5 joyauはbijouに比して王侯などがつけるきわめて豪華な宝飾品をいう。



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2018
09.23

伊豆高原《歌会》

9月23日(日)に、伊豆高原「林間劇場」で、歌会を開催いたします。ピアニストはシャンソンの盛んな仙台で多くのベテラン歌手の伴奏をされている内山誠さん。彼の伴奏で歌えることはめったにない機会ですし、「林間劇場」は、ぜひ一度はいらしていただきたいすばらしい空間です。電車でお越しの場合は宇藤カザンが駅まで送り迎えいたします。予約は不要ですが、お問い合わせは下記フライヤーに記載の電話番号まで。

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2018
09.23

魅惑の歌手Chanteur de charme

Gérard Lenorman Chanteur de charme


前回の「私はギターを聞くJ’écoute la guitare」の解説で、ティノ・ロッシTino Rossiの代名詞とされる「魅惑の歌手Chanteur de charme」についてちょっと触れましたが、ジェラール・ルノルマンGérard Lenormanが「魅惑の歌手Chanteur de charme」というタイトルの曲を歌っていますのでご紹介しましょう。ルノルマン自身がディディエ・バルブリヴィアンDidier Barbelivienの協力を得て作詞・作曲。1988年のユーロヴィジョンコンクールで10位になり、同年、アルバム:Heureux qui communiqueに収録されシングル盤も出ました。
Chanteur de charmeは英語では「クルーナーcrooner」と呼ばれ、ゆっくりしたテンポのバラードなどを、croonすなわち甘い声でささやくように優しく歌う歌手、主に男性歌手を言い、アメリカではビング・クロスビーBing Crosbyがその代表とされます。マイクロフォンが用いられることにより生まれた歌唱法です。フランスで、ステージで初めてマイクロフォンを使った歌手はジャン・サブロンJean Sablonで、1935年のことでした。



Chanteur de charme 魅惑の歌手
Gérard Lenorman   ジェラール・ルノルマン


Besoin d'entendre
Des chansons tendres
Comme des romances d'écolier
Des mots qui dansent sur du papier
Besoin de croire
Toutes ces histoires
Tous ces refrains de trois fois rien 注1
Qui riment mal, qui font du bien  注2

 聴かなきゃ
 小学生の恋歌のような
 優しい歌を
 紙の上で踊る言葉を
 信じなきゃ
 これらの物語をすべて
 韻の踏み方はまずく、役には立つ
 安っぽいこれらのリフレインをすべて

Chanteur de charme1


Rien n'a jamais empêché
Qu'on les mette en musique
Ces sentiments légers
Rabâchés, romantiques
Comme des cartes postales, des clichés nostalgiques
Ces parfums qui reviennent avec des mots magiques

 絵葉書やノスタルジックな印刷物のような
 こうした薄っぺらで
 くどくどしくて、ロマンチックな感情を
 音楽にすることを
 何もけっして妨げなかった
 魔法の言葉に乗ってこれらの香りはやって来る

Chanteur de charme
C'est beau, c'est grand, c'est merveilleux
Chanteur de charme
Qui fait s'aimer les amoureux

 魅惑の歌手
 それは美しい、偉大だ、素晴らしい
 魅惑の歌手は
 恋人たちを愛し合わせる

Dans le vacarme
De nos cités je rêve un peu
Chanteur de charme
Chanteur de charme

 わが街の喧騒のなかで
 私はちょっと夢見る
 魅惑の歌手を
 魅惑の歌手を

Chemin d'automne
Cœur qui frissonne
Passion d'été
Couleur du temps
Soleil d'hiver
Pluie du printemps

 秋の小径
 震える心
 夏の熱情
 季節の色
 冬の太陽
 春の雨

Chanteur de charme2


L'histoire des hommes
De tous les hommes
Les rois, les fous, les conquérants
Cherchaient la belle au bois dormant

 男たちの物語
 すべての男たちの
 王たち、気違いたち、征服者たちは
 眠れる森に美女を求める

Tiens, y a du nouveau dans l'air
Quelque part, quelque chose
Des pianos limonaires  注3
Qui jouent la vie en rose
Des petits mots au clair de lune  注4
Qui se baladent en rose
Et mon cœur à la une
Qui bêtement se propose 注5

 ほら、旋律に新しさがあるよ
 どこかに、なにか
 「バラ色の人生」を弾く
 自動ピアノに
 バラ色の気分でぶらつく
 「月明かりに」のちょっとした言葉に
 そして私の心は
 おろかにも応じてくれた
 一人の女性のものだ

Chanteur de charme
C'est beau, c'est grand, c'est merveilleux
Chanteur de charme
Qui fait pleurer les amoureux

 魅惑の歌手
 それは美しい、偉大だ、素晴らしい
 魅惑の歌手は
 恋人たちを泣かせる

Chanteur de charme3


Dans le vacarme
De nos cités je fais un vœu
Chanteur de charme
Chanteur de charme

 わが街の喧騒のなかで
 私はもとめる
 魅惑の歌手を
 魅惑の歌手を

Chanteur de charme
Chanteur de charme

 魅惑の歌手を
 魅惑の歌手を

[注]
1 trois fois rien「値段が安い」。「あなたへの手紙Au fur et à musure」の注に解説
2 faire du bien「(物が)有益である、(人が)善行をおこなう」
3 piano limonaire:Limonaire「リモネール」は自動オルガンを製作した会社の名前。ここでは自動演奏できるピアノを言う。
4 au clair de lune「月明かりに」は、前行のla vie en rose 「バラ色の人生」と同様に曲名だが、フランスの古い童謡。バルバラ&ジョルジュ・ムスタキの「Barbara & Georges Moustaki」http://chantefable2.blog.fc2.com/blog-entry-760.htmlの記事の後半に動画と歌詞を紹介した。
5 se proposer「申し出る、志願する」の意味で、つまりは女性の方から「プロポーズする」ということになるが、抑えた訳語にした。




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2018
09.19

私はギターを聞くJ'écoute la guitare

Jean Lumière Jécoute la guitare


夏のあいだ、伊豆高原駅の駅員さんたちは、いろとりどりのアロハ・シャツを着ていました。つい「素敵ですね!」と声をかけたくなりました。夏が終わり駅員さんたちは制服姿に戻ってしまいましたが、今回は、駅員さんたちのアロハ・シャツを思い出しながらハワイに関連した曲をご紹介いたしましょう。ジャン・リュミエールJean Lumière(1895-1979)の「私はギターを聞くJ'écoute la guitare」です。1932年。作詞:Charlys et Rick、作曲:Charlys。ジャン・リュミエールはティノ・ロッシTino Rossi1907-1983よりひと回りほど年上で、「魅惑の歌手Chanteur de charme」の先駆けと言ってもいい歌手ですが、歌の先生でもあり、マルセル・アモンMarcel Amont、グロリア・ラッソGloria Lasso、コラ・ヴォケール Cora Vaucaire、ミレイユ・マチューMireille Mathieuなども指導を受けたそうです。
クレール・エルジエールClaire Elzièreのカヴァーが、アルバム「パリ、愛の歌 第2楽章~永遠のシャンソン名曲集~」(2009年)に収録されていて、私はそれを聴いてこの曲を知りました。
夜に聞こえてくるギターの音色に、ハワイを思い出し、ハワイの女性を思い出すという内容で、ハワイアン・ミュージック的なメロディーです。「カイマナヒラKaimanahila」と「ブルー・ハワイBlue Hawaii」くらいしか急には出てこないのですが、ハワイアン・ミュージックでは、ギターがよく用いられます。ウィキペディアによると、メキシコ人が持ち込んだギターやポルトガル人が伝えた楽器からハワイ原住民が発展させたウクレレが融合され、1890年代にハワイ独特の楽器としてスティール・ギターやスラックキー・ギターが生み出され、1920年ごろまでにこうした弦楽器を弾きながらソロ・ボーカルやコーラスを楽しむ、いわゆるハワイアン・ミュージックの標準的なスタイルが確立されたそうです。日本では「バッキー白片とアロハ・ハワイアンズ」がハワイアン・ミュージックを広めてくれましたね。



J'écoute la guitare 私はギターを聞く
Jean Lumière    ジャン・リュミエール


Dans la nuit troublante
Au bord des flots mystérieux
La guitare chante
Un doux refrain mélodieux
Et la nostalgie
De son accent triste et berceur
Met du rêve dans mon cœur

 物憂い夜に
 神秘的な流れの傍らで
 ギターが歌っている
 美しいメロディーの甘い歌を
 そしてその悲しく心癒す調子の
 郷愁は
 私の心にとある夢をもたらす

Jécoute la guitare1


Cette voix si tendre
Éveille en moi tous les désirs
Et je crois entendre
Au loin chanter mes souvenirs
Musique jolie
Qui plus d'un soir m'a retenu
Sous le ciel d'Honolulu

 このとてもやさしい音色は
 私の胸裏にあらゆる望みを呼び起こし
 遠くで自分の記憶が
 美しい音楽を歌っているのが
 聴こえた気がする
 ホノルルの空のもとで
 ひと夜ならず私をとらえた音楽を

{Refrain:}
J'écoute la guitare
Plaintive dans la nuit
Dont le rythme bizarre
Éveille un chant plus joli
Plus rien ne me sépare
De cet heureux pays
Et mon rêve s'égare
Jusque aux îles d'Hawaï

 うめくようなギターが
 夜に聞こえる
 その不思議なリズムは
 もっと美しい歌を呼び起こす
 あのしあわせな国から
 もう何も私を引き離せない
 そして私の夢は旅立つ
 ハワイの島々へと

Jécoute la guitare3


À l'heure du rêve
À l'heure grise où tout s'endort
Une voix s'élève
Une guitare aux doux accords
Et la mélopée
De sa musique au rythme lent
Fait vibrer mon cœur ardent

 夢の時間に
 もの皆眠る灰色の時間に
 ある音色が湧き起こる
 甘い和音のギターは
 そしてそのゆっくりしたリズムの音楽の
 旋律は
 私の熱い心を震わせる

Sa chanson lointaine
Évoque en moi quand vient le soir
La belle indigène 
Au rire clair, aux grands yeux noirs
Les nuits parfumées
Par ses plus doux baisers d'amour
Je m'en souviendrai toujours

 遠くのその歌は
 夕べになるとわが胸裏に
 晴れやかな笑顔と大きな黒い瞳の
 美しいハワイの女を想起させる
 彼女のとても甘い愛のくちづけがもたらした
 かぐわしい夜
 私はそれをいつも思い出すことだろう

{au Refrain}

Jécoute la guitare2


[注]
この節には女性ヴァージョンがある。異なる部分を下記に示す。
La belle indigène「原住民の美女」。すなわちポリネシア系であり「美しいハワイの女」と意訳した。→Le ciel indigène「現地の空」。
Au rire clair, aux grands yeux noirs→Où j'ai connu des mots d'espoir「そこで私は希望の言葉を知った」
Par ses plus doux baisers d'amour→Par les plus doux baiser d'amour(sesがlesに変わり、)「二人の」という意味合いになる。
Je m'en souviendrai toujours→Dont je me souviens toujoursさほど意味は変わらない。



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