2018
01.01

扉のページ

Category: 扉のページ
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このブログは、シャンソンの歌詞のご紹介がメインですが、イヴェント等のお知らせや各種の情報の記事も別のカテゴリーとして書いています。この「扉のページ」は各カテゴリーの記事への入り口です。カテゴリー名あるいは記事のタイトルをクリックするとそれぞれの扉が開きます。 ※スマホの場合はPCモードにしてご覧ください。

シャンソン歌詞・邦訳:原曲の歌詞とその邦訳をメインに、歌手や曲についての解説を適宜加えつつ曲を紹介しています。

 最新記事 Le chanteurル・シャントゥール:Alice Dona

掲載曲リスト:掲載した曲を原題のアルファベット順にリストアップしています。タイトルをクリックしてその曲のページを開けます。

《アミカル・ド・シャンソン》:シャンソン(カンツォーネ・ラテン・ジャズ)を原語で歌う会《アミカル・ド・シャンソン》の活動内容のご紹介、日程、個々のイヴェントのご案内です。

 《アミカル・ド・シャンソン》へのお誘い
 《アミカル・ド・シャンソン》2017年度日程 
 《秋のシャンソンコンサート》11月12日

《東京日仏文化サロン》:《東京シャンソンコンクール》および《大阪ヴォーカルコンクール》に関する記事です。

 《第2回大阪ヴォーカルコンクール》 11月30日(木)。応募10月一杯。
 《第4回東京シャンソンコンクール》審査結果

朝倉ノニーより:ブログ・オーナーとして皆さんにお伝えしたい情報、そしてまたちょっと個人的なことがらも…。
   
 ありがとうございました!




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2017
11.30

《第2回大阪ヴォーカルコンクール》

《第2回大阪ヴォーカルコンクール》の要項が決まりました。

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2017
11.12

《秋のシャンソンコンサート》

11月12日の午後に 《秋のシャンソンコンサート》を富士見ヶ丘の 《ブレーメン・ハウス》 でおこないます。
ピアノは関根忍、ドラムはチッコ・ソウマ、ベースはドミニク・シャニョン。ドミニクも歌います。
コンサート終了後はビュッフェ・パーティーを予定しています。

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2017
10.01

スブリームのシャンソンセミナー《マスタークラス》

本年度は、スブリームのシャンソンセミナー《マスタークラス》を、3月12日、6月11日、10月1日におこないます。
第4回東京シャンソンコンクールのフランス語部門入賞者のうち5名の方がスブリームさんの指導を受けた方々です。
その指導内容の素晴らしさをぜひ体験下さい。
第3回目の10月1日分の受講枠は満了いたしました。聴講は受付中です。

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2017
07.20

ル・シャントゥールLe chanteur

Alice Dona La chanteur


今回は、「恋に病んでJe suis malade」と同様、作詞:セルジュ・ラマSerge Lama、作曲:アリス・ドナAlice Donaというコンビが作り、ともに歌っている「ル・シャントゥールLe chanteur」を。1977年のアルバム:La Nana 77に収録されています。文字通り男性の歌手のことを歌った曲ですが、「シャントゥーズ」というタイトルで女性の歌手の話にした日本語の歌詞もあるようです。





Le chanteur ル・シャントゥール
Alice Dona  アリス・ドナ


On a collé l'autre jour ses photos dans les rues
Ça faisait presque deux ans qu'il n'était pas venu
Dans les théâtres l'hiver
Il nous invente la mer
L'été sous les chapiteaux
Il nous fait les oiseaux.

 先日、彼の写真が通りに貼られた
 冬、劇場に
 彼が来なくなってから2年ほどになる
 彼は天蓋の下で私たちに海を
 夏を作り出してくれる
 彼は私たちを鳥にしてくれる。

Le chanteur1


Sous le soleil ambulant de quelques projecteurs
Il se fait bronzer tous les soirs sur le coup des onze heures. 
Il nous fait croire un moment
Qu'il est devenu notre amant
Juste le temps c'est bien court
D'une chanson d'amour

 スポットライトの移動式太陽のもと
 彼は毎晩11時になるとすぐブロンズ色になる
 彼は私たちの恋人になったんだと
 私たちに信じさせる
 愛のシャンソンの
 ほんの短い時間

{Refrain :}
On est venu ce soir voir le chanteur
Le chanteur qu'il faut voir celui qui rit celui qui pleure

 私たちは今夜、その歌手を見に来た
 その歌手を、笑いまた泣くその人を見なくては

Si l'on en croît les journaux on le verra debout
Après l'avoir attendu les deux pieds dans la boue
Comme on sera pas bien placé
On en verra que la moitié
Mais la moitié qu'on verra
On s'en contentera

 報道を信じるなら、私たちは彼の立つ姿を見ることになるだろう
 泥のなかに両足を入れて彼を待ったのちに
 私たちはいい席につけないだろうから
 半身だけ見ることになる
 でも見るその半身で
 私たちは我慢するだろう

Le chanteur2


{Refrain}

Vers les minuit et demi finira le hasard
On l'emportera chez nous au fond de nos mémoires
Peut-être que lui aussi
Nous emportera chez lui
Pour effeuiller nos mémoires
Nos visages d'un soir

 12時半ごろ、そのいい時間は終わるだろう
 私たちは自分の記憶の底に彼を持ち帰ることになる
 たぶん彼もまた
 私たちの想い出を呼び起こすために
 ある夜の私たちの姿を持ち帰るだろう

{Refrain}

On est venu ce soir voir le chanteur
Et il peut bien pleuvoir le cœur rempli d'espoir
On est venu ce soir voir le chanteur.

 私たちは今夜その歌手を見に来た
 そして彼は希望に胸をいっぱいにして泣くだろう
 私たちは今夜その歌手を見に来た

[注] sur le coup「すぐに、その場で」sur le coup de qc.「…に支配されて」



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2017
07.15

《東京パリ祭》

《アミカル・ド・シャンソン》の年に一度の大イベント《アミカル・パリ祭》は5回目を迎える今年、《東京パリ祭》と名称を改め、7月15日(土)に、「ヤマハ銀座スタジオ」にて、マティネ(13:30開演)とソワレ(19:00開演)の2公演をおこないます。
東京シャンソンコンクールの出場者、その他のコンクールの入賞者を中心とした日本語歌唱およびフランス語歌唱のコンサートです。

チケットのご購入・お問い合わせは、chatenparadis*gmail.comの*を@に変えてメールで、あるいは、下のフライヤーに記載した電話番号にFAXあるいはお電話で。

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2017
07.14

ラ・セーヌLa Seine

Vanessa Paradis Un monstre à Paris


2011年の3Dアニメーション映画「モンスター・イン・パリ響け!僕らの歌声Un monstre à Paris」監督:ビボ・バージェロンBibo Bergeron(→あらすじ)では、ヴァネッサ・パラディVanessa Paradisが主人公のルシールLucille役で、エム-M-がモンスターのフランクールFrancœur役の声優。この映画で彼らが歌っている曲のなかから「ラ・セーヌLa Seine」を取り上げましょう。-M-すなわちマチュー・シェディッドMatthieu Chedidは「ベルヴィル・ランデブーLes Triplettes de Belleville」ですでにご紹介しています。

映画のシーン



clip officiel



La Seine          ラ・セーヌ
Vanessa Paradis &-M- ヴァネッサ・パラディ&エム


Elle sort de son lit
Tellement sûre d'elle
La Seine, la Seine, la Seine
Tellement jolie elle m'ensorcelle
La Seine, la Seine, la Seine
Extralucide la lune est sur
La Seine, la Seine, la Seine
Tu n'es pas saoul
Paris est sous
La Seine, la Seine, la Seine

 彼女はベッド(川床)から出てくる
 こんなに自信ありげに
 ラ・セーヌ、ラ・セーヌ、ラ・セーヌ
 こんなに美しくて私を魅惑する
 ラ・セーヌ、ラ・セーヌ、ラ・セーヌ
 すべてを見透す月は
 ラ・セーヌ、ラ・セーヌ、ラ・セーヌ の上にかかる
 あなたは酔っちゃいない
 パリは
 ラ・セーヌ、ラ・セーヌ、ラ・セーヌ の下にある

Je ne sais, ne sais, ne sais pas pourquoi
C'est comme ça, la Seine et moi
Je ne sais, ne sais, ne sais pas pourquoi
C'est comme ça, la Seine et moi

 私は知らない、知らない、知らないの なぜ
 こんなふうなのか、ラ・セーヌと私が
 私は知らない、知らない、知らないの なぜ
 こんなふうなのか、ラ・セーヌと私が


Extra Lucille quand tu es sur 注1
La scène, la scène, la scène 注2
Extravagante quand l'ange est sur 注3
La scène, la scène, la scène

 ルシールはとっても輝いている、あなたが
 ステージ、ステージ、ステージに立っているとき
 並外れてるよ、天使が
 ステージ、ステージ、ステージに立っているとき

Un monstre à Paris2


Je ne sais, ne sais, ne sais pas pourquoi
C'est comme ça, la Seine et moi
Je ne sais, ne sais, ne sais pas pourquoi
C'est comme ça, la Seine et moi

 私は知らない、知らない、知らないの なぜ
 こんなふうなのか、ラ・セーヌと私が
 私は知らない、知らない、知らないの なぜ
 こんなふうなのか、ラ・セーヌと私が

Sur le pont des Arts
Mon cœur vacille
Entre deux eaux
L'air est si bon
Cet air si pur
Je le respire
Nos reflets perchés
Sur ce pont

 ポン・デザールの橋の上で
 私の心は揺れる
 二つの水の流れのあいだで
 とてもいい空気だ
 澄みきったこの空気
 私はそれを吸い込む
 私たちの影は
 この橋の上にとどまる

Un monstre à Paris1


tul tuul tu, tul tuul tu
Oh, c'est comme ça, la Seine et moi
tul tuul tu, tul tuul tu
Oh, c'est comme ça, la Seine et moi
tul tuul tu, tul tuul tu
Oh, c'est comme ça, la Seine et moi
tul tuul tu, tul tuul tu
Oh, c'est comme ça, la Seine et moi

チュルチュ-ルチュ
おお、こんなふうなのよ、ラ・セーヌと私は
チュルチュ-ルチュ
おお、こんなふうなのよ、ラ・セーヌと私は
チュルチュ-ルチュ
おお、こんなふうなのよ、ラ・セーヌと私は
チュルチュ-ルチュ
おお、こんなふうなのよ、ラ・セーヌと私は

[注]
1 Lucille「ルシール」主人公の名前。extraは「超、極上の」の意味の形容詞としては名詞のあとにつくが、接頭語的に前に置いて、後続のExtravaganteと合わせている。古典ラテン語のlūcia「光」に由来する名前なので、「とっても輝いている」という意味合いを持たせている。
2 la scène「ステージ、舞台」とla Seine「セーヌ川」は発音が同じ。
3ルシールは羽をつけているのでange「天使」。
4 le pont des Arts「ポンデザール」はセーヌ川左岸のフランス学士院Institut de Franceと右岸のルーヴル宮殿Palais du Louvreのクール・カレCour Carréeを結んでいる。ルーヴル宮殿は第一帝政時代にPalais des Arts(芸術の宮殿)と呼ばれていたためこの名が付けられた。Entre deux eaux「二つの水のあいだ」とあるのは、ここではシテ島Île de la Citéの両側からの流れが合流していることを言う。




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2017
07.07

世界中の子供たちのためにPour les enfants du monde entier

Yves Duteil Pour les enfants du monde entier


イヴ・デュテイユYves Duteilの「世界中の子供たちのためにPour les enfants du monde entier」を先月から訳し始めましたが、長いだけではなく重い内容なので、なかなか進まず、今日やっとなんとか訳し終えたので出します。

1987年のアルバム:Ton absenceに収録されています。



Pour les enfants du monde entier 世界中の子供たちのために
Yves Duteil               イヴ・デュテイユ



Pour les enfants du monde entier
Qui n'ont plus rien à espérer
Je voudrais faire une prière
À tous les Maîtres de la Terre

 もう何も望めるものを持たない
 世界中の子供たちのために
 地球のすべての支配者に
 私は祈りを捧げたい

À chaque enfant qui disparaît
C'est l'Univers qui tire un trait
Sur un espoir pour l'avenir
De pouvoir nous appartenir

 姿を消すそれぞれの子供たちに対し
 私たちに属するという
 未来への希望の上に
 消し線を引くのは世界だ

Pour les enfants5


J'ai vu des enfants s'en aller
Sourire aux lèvres et cœur léger
Vers la mort et le paradis
Que des adultes avaient promis

 口元に笑みを浮かべ心安らかに
 死に向かって
 大人たちが約束した天国に向かって
 去っていく子供たちを私は見た

Mais quand ils sautaient sur les mines 注1
C'était Mozart qu'on assassine 注2
Si le bonheur est à ce prix 注3
De quel enfer s'est-il nourri? 注4

 彼らが地雷の上で吹っ飛ぶとき
 ひとが殺すのはモーツァルトだ
 もし幸福の代償がこれならば
 どんな地獄を幸福はむさぼるのか?

Pour les enfants1


Et combien faudra-t-il payer
De silence et d'obscurité
Pour effacer dans les mémoires
Le souvenir de leur histoire?

 そして彼らの物語の想い出を
 記憶から消すために
 どれだけの静寂と闇を
 支払わねばならないのか

Quel testament, quel évangile
Quelle main aveugle ou imbécile
Peut condamner tant d'innocence
À tant de larmes et de souffrances?

 いかなる遺言が、いかなる福音が
 いかなる見境ない愚かな手が
 多くの涙と苦しみを持つ
 多くの無垢な者を糾弾することができるのか

La peur, la haine et la violence
Ont mis le feu à leur enfance
Leurs chemins se sont hérissés
De misère et de barbelés

 恐れ、憎しみそして暴力は
 彼らの幼年期に火を付け
 彼らの道は貧困と有刺鉄線の
 いばらの道となった

Pour les enfants3


Peut-on convaincre un dictateur
D'écouter battre un peu son cœur?
Peut-on souhaiter d'un président
Qu'il pleure aussi de temps en temps?

 自分の心臓がちょっとは鼓動しているのを聴けと
 独裁者を説くことができるだろうか?
 時々は泣いたりもするようにと
 大統領に願うことができるだろうか?

Pour les enfants du monde entier
Qui n'ont de voix que pour pleurer
Je voudrais faire une prière
À tous les Maîtres de la Terre

 泣くためにしか声を持たない
 世界中の子供たちのために
 地上のすべての指導者たちに対し
 私は祈りを捧げたい

Dans vos sommeils de somnifères
Où vous dormez les yeux ouverts
Laissez souffler pour un instant
La magie de vos cœurs d'enfants

 眠気をもよおしまどろむなかで
 眼を開けたまま眠りつつ
 あなたの持つ子ども心の不思議な力を
 ひとときのあいだ発揮させなさい

Puisque l'on sait de par le monde 注5
Faire la paix pour quelques secondes
Au nom du Père et pour Noël 注6
Que la trêve soit éternelle

 ひとは世界の名において
 しばしのあいだ平和をもたらすことができるのだから
 父のみ名により降誕祭のため
 休戦が永遠に続きますように

Qu'elle taise à jamais les rancœurs
Et qu'elle apaise au fond des cœurs
La vengeance et la cruauté
Jusqu'au bout de l'éternité

 休戦が永遠に怨恨を黙らせますように
 そして休戦が心の奥の
 復讐心と残忍さを
 未来永劫に鎮めますように

Je n'ai pas l'ombre d'un pouvoir 注7
Mais j'ai le cœur rempli d'espoir
Et de chansons pour aujourd'hui
Que sont des hymnes pour la vie

 私にはわずかの力もない
 だが、希望に満ちた心と
 いくつかの歌を今のところ持っている
 それらは生命のための讃歌だ

Pour les enfants2


Et des ghettos, des bidonvilles
Du cœur du siècle de l'exil
Des voix s'élèvent un peu partout
Qui font chanter les gens debout

 そしてゲットー、スラム街
 追放の時代のただなかで
 あちこちから声があがり
 人々を立ったまま歌わせる

Vous pouvez fermer vos frontières
Bloquer vos ports et vos rivières
Mais les chansons voyagent à pied
En secret dans des cœurs fermés

 あなた方は前線を閉鎖し
 港や河を閉ざすことができる
 だが歌は歩いてやって来るんだ
 閉ざされた心の中にそっと

Ce sont les mères qui les apprennent
à leurs enfants qui les reprennent
Elles finiront par éclater
Sous le ciel de la liberté

 子供たちに歌を教えるのは母親たちだ
 子供たちは歌を受け取る
 ついには歌は自由の空のもとで
 鳴り響く

Pour les enfants du monde entier.
Pour les enfants du monde entier.

 世界中の子供たちのために。
 世界中の子供たちのために。

[注]
1 minesには複数の意味があるが、ここでは「地雷」。
2 Wolfgang Amadeus Mozart「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」は若くして音楽に才能を発揮した人物名で、ここではその音楽も含めて、芽を摘まれた可能性を示すのだろう。
3 à ce prix←au prix de qc.「…の代価に、…と引き換えに」
4 se nourrir「食べる、むさぼる」
5 de par…=au nom de…「…の名において」
6 Père Noël「サンタクロース」を2語に分け、Au nom du Père,du Fils et du Saint-Esprit「父と子と精霊のみ名によりて」というクリスチャンの祈りをもじった表現をしている。一応、直訳にとどめた。
7 ombre「影」が本義だが、「わずかなもの」の意味。




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2017
07.05

悲しいピアノLe piano triste

La Nana 77


ピアノをテーマにしたシャンソンはすでにいくつか取り上げてきましたが、今回はピアノを擬人化した素晴らしい曲、アリス・ドナAlice Donaの「悲しいピアノLe piano triste」です。クロード・ルメッスルClaude Lemesleとの共作で、1977年のアルバム:La Nana 77に収録されています。

YouTubeに動画がないので、こちらを開いてご覧ください。

Le piano triste 悲しいピアノ
Alice Dona   アリス・ドナ


Je suis un piano bien triste
On m'oblige à chanter faux,
Des gens qui jouent les pianistes
Au lieu de jouer du piano,
Bien posé sur la moquette
Dessous un mauvais tableau
Je m'ennuie sur mes roulettes
Mon clavier fait le gros dos 注1

 私はとっても悲しいピアノ
 私に下手に歌わせるのよ、
 ピアノを弾くんじゃなくて
 ピアニストを演じている人たちはね、
 ひどい絵の下の
 絨毯の上に置かれ
 私はキャスターの上でうんざり気分
 私の鍵盤は黙って耐えている

Moi, je rêve quelquefois
D'un enfant nommé Csiffra 注2
D'un géant nommé Chopin 注3
Qui me prennent et qui m'arpègent
Et j'entends tous les bravos
Des Pleyel et des Gaveau 注4
Je me donne aux musiciens
Qui ont appris le solfège

 私はね、時々夢見るの
 シフラという名の子を
 ショパンという名の子を
 彼らは私を用い私をアルペッジョで弾く
 そして喝采をすべて私は聞く
 ソルフェージュを学んだミュージシャンに
 プレイエルやガヴォーで
 私は身を捧げる

Alice Dona1


Je suis un piano bien triste
J'ai un cœur d'accordéon,
De violon sans violoniste
Et je pleure des sanglots longs 注5
Moi, ça me démoralise
Ces enfants propres et polis
Massacrant ma pauvre Elise 注6
Pour tuer leurs mercredis 注7

 私はとっても悲しいピアノ
 私はアコーデオンの心を持ち
 ヴァイオリニストなしでもヴァイオリンの心を持ち
 長々と嗚咽に咽ぶ
 廉潔で行儀のいいこの子たちは
 水曜日の暇つぶしのために
 私のかわいそうなエリーゼを虐殺して
 私を、私を落ち込ませる

Moi, je rêve quelquefois
D'un grand soir de grand gala
D'un grand trac au fond des yeux
De celui qui me caresse
Et je ne suis plus de bois
Et j'exulte sous ses doigts
Et je suis l'amour, le feu,
La musique et la tendresse

 私はね、時々夢見るの
 盛大な夜会を
 私を愛撫する人の
 眼の奥の緊張を
 そして私はもう木でできた物じゃなくなり
 彼の指の下で歓喜する
 私は愛なの、火なの
 音楽なの、優しさなの

Alice Dona2


Je suis un piano bien triste
Rien qu'un meuble en acajou
Mon père était ébéniste
Moi, je ne suis rien du tout

 私はとっても悲しいピアノ
 マホガニーの家具にすぎない
 私の父は家具職人だった
 私はね、何者でもないわ

[注] piano「ピアノ」は男性名詞だが、アリス・ドナが歌っていることと文脈から判断し、女性の立場の訳文にした。
1 faire le gros dos「(猫が)背を丸くする、爪を研ぐ」が本義だが、ここは「黙って非難(嘲笑)に耐える」という意味。
2 Georges Cziffra「ジョルジュ・シフラ」(1921年-1994年)超絶技巧で名高いハンガリー出身のピアニストでリストの再来と呼ばれる。
3 Frédéric François Chopin「フレデリック・フランソワ・ショパン」(1810年-1849年) ポーランドの前期ロマン派音楽を代表する作曲家で、当時はピアニストとしても有名で「ピアノの詩人」と呼ばれた。
4 Pleyel「プレイエル」とGaveau「サル・ガヴォー」はともにフランスのピアノ製作会社。
5 Les sanglots longs / Des violonsは、ポール・ヴェルレーヌPaul Verlaineの詩「秋の歌Chanson d'automn」の冒頭。
6 Elise「エリーゼのためにFür Elise」は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンLudwig van Beethovenの作曲した、よく知られたピアノ曲。1810年。ここでは、曲名ではなく人名のように用いている。
7 mercredis「水曜日」フランスの小・中学校、高校では休日になる。




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2017
06.30

煙の歌Chanson de la fumée

Catherine Sauvage Chanson de la fumée


「セチュアンの善人Der gute Mensch von Sezuan」は、ベルトルト・ブレヒトBertolt Brechtが1938~41年に執筆し43年にチューリヒで初演された戯曲です(→あらすじ)そのなかの1曲、Das Lied vom Rauch(作詞:ベルトルト・ブレヒトBertolt Brecht、作曲:ポール・ドゥソーPaul Dessau)をボリス・ヴィアンBoris Vianがフランス語に訳詞した「煙の歌Chanson de la fumée」を取り上げましょう。カトリーヌ・ソヴァージュCatherine Sauvageが歌っています。



Chanson de la fumée 煙の歌
Catherine Sauvage  カトリーヌ・ソヴァージュ


Jadis avant que les années ne m'aient blanchi
Je pensais qu'à celui qui est sage, tout réussit
Depuis, je sais que la sagesse, en notre monde
Jamais ne saurait contenter ventre affamé qui gronde

 年月が私の髪を白くする前は
 私は聡明な人は、みんな成功すると思っていた
 のちに、私たちの世界じゃ聡明さは
 唸り声を上げるすきっ腹を満足させることはできないと知った

{Refrain :}
Aujourd'hui je dis tant pis
Si la fumée frise
S'en va vers des froids toujours plus froids
Ainsi va de soi  注1

 今じゃ私は言う しかたないことだ
 煙はくゆったとて
 冷えて、しだいに冷えて行く
 言うまでもないことだ

Chanson de la fumée1


Voyant les honnêtes gens battus et méprisés
J'ai dit, par les voies détournées je marcherai
Hélas, de jour en jour plus bas j'ai descendu
Que faire ? Où diriger mes pas ? Qui donc me l'apprendra ?

 打ちのめされバカにされた正直者たちを見て
 私は言った、回り道して行くさと
 ああだが、日に日に下へ下へと私は落ちていく
 どうするんだ?足をどこに向けるんだ?いったい誰がそれを私に教えてくれるんだ?

{Refrain}

On dit que les vieux ont perdu jusqu'à l'espoir
Le temps qui guérit toutes choses leur fait défaut  注2
On dit qu'aux jeunes gens le monde est grand ouvert
Hélas, on dit qu'il est ouvert sur un désert

 年寄りたちは希望まで失ってしまったようだ
 すべてを癒してくれるべき時間が彼らには残っていない
 若い人にとっては世界は大きく扉を開いているようだ
 ああだが、扉は砂漠に向かって開かれている

{Refrain}

Chanson de la fumée2


[注]
1 (cela) va de soi「いうまでもない、自明のことだ」
2 faire défaut=manquer「不足する、欠ける」



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